- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152088598
感想・レビュー・書評
-
情報は数量化できるという観念
宇宙全体で成り立つ質量保存の法則
相対性理論と量子情報理論の対立..etc
取っ付きにくいテーマをできるだけ分かりやすく、順序立てて解説してくれている。
あまりのスケールの大きさに愕然としてしまう。
修士論文で取り上げるくらいのレベルで読み込みたい本。
(ただ頭が活発な時でないと読めない。)
今まだ読み込み中。 -
「情報」という観点から、物理学のさまざまな謎を解いていく知的なエンターテイメント。
最初のほうは、暗号の話とか、情報科学の話とか、「情報」と熱力学、生物学との関係といった、ある意味、当たり前の話なのだが、情報理論から相対性理論と量子力学を読み解き始めるあたりから、がぜん面白くなっていく。
情報理論で考えれば、「マックスウェルの悪魔」のパラドックスが解けるのはそれほど不思議でもないが、「シュレディンガーの猫」問題も解決(?)されるそうだ。(マクロ的な存在、例えば「猫」は、人間が観察しなくても、「自然」が、量子のやりとりなどを通じて「観察」しているので、「生」か「死」に「収斂」する、そうだ。分からないなりに、結構、納得感のある解決な気がした。)
この辺くらいまでは、面白いのだが、ここからさらに宇宙全体、あるいはブラックホールが巨大な量子コンピューターである可能性やマルチバース、エヴェレットの多世界解釈の話に進展するとやや散漫な印象も。
つまり、「そういう世界は、あり得ないだろう。飛躍しすぎだ」という意味じゃなくて、どうしてそういう風に考える事ができるのかという説明が、それまでの丁寧な説明ぶりに比べると、少し雑な気がした。
筆者は、情報理論は、新しい可能性を生み出すとともに「文明は破滅する運命にある」という陰鬱な世界観を導きだすというが、それって、情報理論がそんなこという前から、熱力学の第2法則と宇宙の膨張から、「しゃーない」ということになってたんじゃ、なかったけ?
などなど、つまらんことを考えるのは、最近、こういう本をまとめ読みしているせいで、新しい話題を求め続ける、身勝手さからくるもの。
普通に読めば、相当に面白い本だと思う。 -
驚愕の指摘である。熱力学の法則と相対性理論と量子論を「情報」の一言で結びつけている。「振る舞い」とのキーワードが腑に落ちれば、エントロピーで読み解く手法に得心がゆく。『異端の数ゼロ】で見せた鮮やかな筆致は衰えていない。
http://sessendo.blogspot.jp/2015/04/blog-post_3.html -
[ 内容 ]
シュレディンガーの猫からマクスウェルの悪魔まで、あらゆる謎を解く情報理論とは?
物理学は、いや、すべての科学は情報科学なのだろうか…驚いたあとには感心しきりのポピュラー・サイエンス。
[ 目次 ]
第1章 冗長性
第2章 悪魔
第3章 情報
第4章 生命
第5章 光より速く
第6章 パラドクス
第7章 量子情報
第8章 衝突
第9章 コスモス
付録A 対数
付録B エントロピーと情報
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
面白いと教えてもらったので借りて読んでみました。
「情報」ということにおいての量子力学やら宇宙やらなんやらの科学書。
難しいですが噛み砕いて説明してくれるので素人でも楽しく読めます。
情報という言葉は私たちもよく耳にする言葉ですが、それが含む意味は分からないことばかりで興味深いなあと思いました。
かの有名なシュレディンガーの猫のパラドックスに対するひとつの答えを出していたり、ブラックホールは実は情報を蓄えるコンピュータみたいなものなのではないか、などの推測や説明があり。
なんだかこう、わくわくします。
ブラックホールの表面は二次元らしい…。 二次元への入り口、見つけたんじゃあない…? -
生きているのではなく,
遺伝子に記述された\"情報\"に生かされている.
生きることの目的は
情報を次の世代に伝えることである.
とんでも理論ではないと思えるのはこの本を読んだから. -
80514
-
2008/01/20借入
さて読み切れるかしら? -
情報理論について初めて聞いたのは10年ほど前だったが、エントロピーって何?というレベルでは到底理解できなかった。が、情報理論は相対性理論や量子力学に匹敵する革命で、新たな宇宙観となりつつあるそうだ。ポピュラー・サイエンスの本では久々のヒット。これまで、エントロピー=乱雑さ、という対応が頭の中にあり、「部屋のエントロピーが増大して、、、」とか言ってたのが間違いのもとだったと痛感。エントロピーとは冗長さがない状態で、短く記載できない(情報として密、ランダム)ということ。エントロピーの式(S=klogW)は本質的に情報をあらわしている。コインを100回投げる場合、50回ずつ表裏が出る確率(p:Wに代入可能)は最も高く、それゆえエントロピーも高い。これは気体分子などにもあてはまり、熱い気体と冷たい気体に分かれている時のエントロピーは小さく、仕切りをとって二つが混ざるとエントロピーは増大する。マクスウェルの悪魔が、熱い気体分子のみを片方に通すように仕切りを上げ下げすると、気体に対して仕事をしていないにも関わらずエントロピーが減少するが、これは悪魔が気体分子についての情報を知るという形で関与しているため、全体のエントロピーはやはり減少しない。宇宙全体ではエントロピーは増大し、情報が破壊される。生きるという行為は、自然が情報を散逸させ、破壊しようとするのに逆らって情報を複製、保存する行為と見なせる。量子力学の観測問題も「見る」主体がなくても真空のゆらぎにより生成される粒子との相互作用という形で宇宙全体としては「見て」いることになる。ランダウアの法則メモリーは消去される時に熱を発生するN個の情報はlogNビットであらわされるハメロフの量子脳論デコーヒレンスを起こすまでの重ね合わせ状態は10^-13から-20秒で消える。ニューロンの時間スケールが速くても10^-3程度なので。。。
面白そうですね、、、
でも理解出来そうにありませんが、想像はしてみたい(出来るのか?)
面白そうですね、、、
でも理解出来そうにありませんが、想像はしてみたい(出来るのか?)