大気の海 なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか

  • 早川書房 (2008年1月24日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784152088932

感想・レビュー・書評

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  • よくできたサイエンスノンフィクション。
    フェレルやアップルトンなど日本ではあまり詳しく知られていない科学者についても紹介されている、貴重な大気科学史本。ちゃんと注釈が訳してあるのもよいところ。

  • 大気という周りに当たり前に存在するものを、人類がどのように認識し、またその成分やそこで起こる様々な現象を解明してきたか、という話です。

    てっきり気象に関する話題が多い”理系向け”の図書かと思って読んでいましたが、詩的ともいえる表現が多く、地球の美しさを伝えたい、という意図が伝わってくる文章でした。
    空気という物質の発見から、酸素や窒素の発見までに大きな壁があったというのは思ってもみませんでした。自分の常識は疑わなくてはダメですね。
    次に地球を取り巻く風の話。特にフォーカスされているのはフェレルというアメリカの、無名な科学者。三大大気循環の一つの「フェレル循環」は彼の名前からです。
    そして大気と宇宙との分かれ目の話になり、まずはオゾン層について。個人的にはこの章が一番興味深い内容でした。それから通信技術の発達についてです。直進するはずの電波がなんで大陸間ほどの長距離を移動できるのか、その謎が解明されていく過程が示されています。

    多くの科学者に焦点が当てられており、現象を語るだけの文章ではないところが一層話を面白くしていると感じます。この本に登場する、フェレル、マルコーニ、ビルケランド、ヴァン・アレン、アップルトン、ラボアジェ、プリーストリーなどなど多くの科学者自身についても知りたくなりました。

  • 今現在常識とされている、科学的化学的気象学的なものが、どれだけの先人の好奇心と信念と情熱の上に導き出されてきたものか、しかもそんなに昔のことでもないのに驚かされる。
    酸素は生物が存在するために必要だから生物によって作られたもので、文字通り空気は人間が常に認識せずに呼吸するほど重要なものだ。
    そしてこの空気の層が、宇宙の脅威から私たちを守り、恩恵あるものにしてくれている。
    某局の“宇宙の渚”という番組が面白かった人にはぜひ読んでもらいたい。
    地球温暖化はろくなことにならないとの認識をあらたにした

  • フロンが発見されたいきさつ とか 科学の世界には 偶然の神がいて ほんと面白いなぁ と思う。

  • わたしたちは 大気の海の底にいる... 
    科学史を新たな視点で読み直すと 意外な発見に満ちている

  • 気圧、酸素、二酸化炭素、貿易風・偏西風・オゾン層・電離層・ヴァンアレン帯の発見の物語。二酸化炭素温暖化効果を発見したティンダル、フェレル循環のフェレルについては特に興味深かった。ハドレー循環のハドレーについては知っていたが、フェレルの伝記についてははじめて目にした。

  • 私たちの周りにあって気のつかないもの、大気。私たちは地球の表面に住んではいるが、実はそれは大気という海の底。そんな大気を研究した科学者たちの膨大な記録。こんな大気の研究の集大成は素晴らしい知識の伝達。

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