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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784152089137
感想・レビュー・書評
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何年か前まで、「銀むつ」と呼ばれる魚をよく買って食べた。ある時点でその魚の名前が「メロ」と変わった。そして今、ほとんど「メロ」を見かけない。本書は、その「銀むつ」=「メロ」=「マゼランアイナメ」が激減した舞台裏に迫る物語。
オーストラリアの巡視船がマゼランアイナメの密漁船を発見し、20日間にわたる追跡劇を繰り広げるところから物語が始まる。
数十年前までは誰にも見向きもされない魚だったマゼランアイナメ。アメリカのあるレストランで人気の料理となってから、注目され、価格が高騰し、乱獲が進み、ついに絶滅が心配されるまでに。
少し前までだったら、地産地消などとわざわざ言わなくても、選択肢はそれしかなかったのだろうに、多くの人が同じようなものが食べられる時代となった。それはつまり、消費も流通もマス化していることを意味する。需要と供給のバランスが取れている場合はよいけれど、どちらかに傾いてしまうと、雪崩現象のように悪化して、誰にも止められない怖さを感じる。
マグロが食べられなくなるという話も聞くし、魚が食べられなくなる可能性もあながちなくはない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登録:2009/05/26 図書館
読了:2009/06/09 -
かつて「銀むつ」と呼ばれていた魚の正体は、南半球に生息している「マゼランアイナメ」または「メロ」という魚で、私たちが知っている「むつ」とは何の関係もないらしい。
日本の消費者に受けるように、国内では「銀むつ」という名前がつけられて流通が始まったらしいが、JAS法の改正で現在は「メロ」という呼称に統一されている。
本書では、世界的に漁獲量が減少する中で、新たな"金鉱"として見つかった「マゼランアイナメ(メロ)」がいかに売り込まれ、米国のシェフたちに注目され、短期間の間に乱獲されていったかをドキュメンタリーとして追っている。
個人的には「銀むつ」は、淡白なのに脂がのっていて好きな魚だったが、最近あまり目にしないと思ったら、このような裏事情があることを初めて知って衝撃的だった。
また、2003年にマゼランアイナメの密漁船を20日間かけて追跡し、ついに裁判に持ち込んだ事件の一部始終が詳細に記録されている。
危険な氷海での追跡や、密漁船船長とのやり取り、裏側で繰り広げられる政治的駆け引きなどリアルな描写でつづられ、どちらかというとこの追跡劇が本書の中心となっているのだが、後半になるほど退屈になっていったのが残念。 -
ごはんを 食べるのが いやになっちゃうんですよ こういうのを読むと
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サスペンスタッチで描かれたノンフィクション!!
追う側、追われる側の双方の内面にまで深く入り込んだ描写はこれが
ノンフィクションであることを思わず忘れさせる。
推理小説を読むような感覚で一気に読んでしまったけれど、内容は今、まさに危機的状況にある
漁業問題を取り上げた真面目なもの。
日本は海に囲まれた島国だから、魚はあってあたりまえみたいな存在としてとらえていたけれど
実際は違うんですね。
漁業、農業、広がって食の問題にあらためて関心を持ちました。
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