嘘発見器よ永遠なれ 「正義の機械」に取り憑かれた人々

  • 早川書房 (2008年4月23日発売)
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本 ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784152089168

感想・レビュー・書評

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  • 映画やドラマの中でしか見たことはなかったけど、嘘発見器がこれ程曖昧な結果しか出せないものだとは思わなかった。

  • 2012年3月28日

    <THE LIE DETECTORS:The History of an American Obsession>
      
    装幀/城所潤

  •  1920年代にアメリカで生まれた“嘘発見器”の開発と普及のストーリーを、二人の発明者がたどった波乱の人生を軸に描いている。

     “嘘発見器”という名称はマスコミがつけたようだが、基本的には心拍や血圧、発汗などの生理的変化を測定しながら質問を行い、嘘をついた時にそれらの値が特徴的な変化を見せること用いる機械だ。

     嘘発見器は科学的捜査方法の元祖ともいうべき技術だが、同時にその信頼性は常に疑問視されてもいた。発明されてから100年近く経つ現在もなお、この機械が本当に科学なのかオカルトなのか評価は定まっていない。

     この機械の原理は決して人の心を直接読むものではない。しかし、科学的であるという説明に伴う「無謬のオーラ」が人々に信頼感を与えてしまい、その信頼感があるからこそ実際に機能するという複雑な存在なのだ。信じるべきか、疑うべきか、答は簡単ではない。

     ちょうどこの本を読み始める直前に、DNA鑑定で有罪となり収監されていた菅家氏の無実が明らかになったという足利事件が盛んに報道されていた。これもまた、DNA鑑定が持つ「無謬のオーラ」が導いた悲劇と言うべきだろう。

     20世紀以降、人類は何度か科学の使い方を間違えてきた。特に人間を扱う技術は、より一層慎重さが求められるだろう。科学が決して無謬ではないことを知っている科学者は、それを常に意識し伝える義務があると思う。

  • 嘘発見器の始まりは、1920年代初めにカリフォルニアの女子学生寮であった盗難事件。
    宝飾品などが盗まれ、寮生に嫌疑がかかる。理系の博士号をもつ警察官ラーソンが血圧を連続測定する手製の機械で寮生の一人を追い詰め、自白を引き出した。

    このようにして誕生した嘘発見器だが、実はこれを大々的に使用しているのはアメリカだけ…だそうである。
    開発者自身が科学的根拠に疑問をもつ代物でありながら、今尚アメリカ人の信用をかち得ている理由とは??

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