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本 ・本 (100ページ) / ISBN・EAN: 9784152089229
感想・レビュー・書評
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人格をネットワーク化することにより、チベットの田舎の女性が村を救うって、オイ
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ファンタジー+SFの内容で語彙や世界観が半端ないので翻弄される。だが、イメージに流されるうちに、いろいろ伝わってくるように感じる。
なかなかのハードSFでした。 -
久々にSFと銘打ったSFを読みました。
カバーに紹介されていたあらすじに惹かれて…。
「エア」という頭の中にインターネットを入れるようなシステム。そのテスト中に尊敬するタンばばさまと一緒にいたメイは、その衝撃の瞬間彼女とリンクし、不幸な事故で亡くなったタンばばさまの記憶がそのまま彼女に残された―――――。
そんな内容から想像していたのは、その他にものこったエアのシステムを使えるようになったメイが、今まで暮らした山を降り、その能力を使わざるを得ない環境に身を置き、そして……、と思っていたのですが、見事に裏切られました。
でも、これはいい裏切りだったんだろうなぁ。
人間はそう一等特別な人間にはなれないし、またならなくていいんだろうな、と思える話。
背景はSFだけど、どちらかといえば生きていく、ということが主題の物語。
面白かったけれど、これを自分の中に受け入れる物語として読むには自分がまだまだ(笑)
海外文学だなぁ、と思った。 -
丹地陽子 装画
岩郷重力+wonder workz ブックデザイン -
おばさん 2020年、舞台は中国とチベットとカザフスタンに国境を接する架空の国カルジスタンの山奥 SF
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女性の自立と民族格差をSFで味付け。後半のスピードがそれこそ洪水に押し流されるようだった。ラストの展開には付いていけず。
メイが変わるにつれ男も変わる。 -
?メイは世界で最後にオンラインにつながることになる村に住んでいた? 魅力あふれる書き出し。 舞台は、中国、チベット、カザフスタンと国境を接する架空の小国・カルジスタン。 怪しくもあり神秘的でもあり。 伝統的文化が残る村に新世代のネットが入り込む(パソコンを必要とせず「エア」といって人の心の中で検索やメール、エンターテイメント視聴ができる)。そして、中国共産党に影響を受けた歴史や少数民族の存在。 何が起こるか期待抱かせる設定。 その山村で暮らす女性を主人公にしたSF小説。 2段組500ページに迫る長編。 読んだ。 結果。私は、この小説を、近未来中央アジア版『女たちのジハード』として紹介する。『女たちのジハード』は、1997年の篠田節子の直木賞受賞作。結婚か会社かの二者択一ではなく、道を自分で切り開こうとする女たちの連作集。マンション購入、留学、農業ビジネス、型にはまらない登場人物に好感を持てた。 話はさらに飛ぶ。同じ90年代のヒット曲、大黒摩季の「夏が来る」が先日ラジオから流れた。 ラジオのパーソナリティが、行き後れた人たちへ、なんて紹介したけれど、身もふたもないが、そのとおり。この曲こんなことを言っている。 選ばれるのは何もできないお嬢様。逆に残るのは何でも知っている女王様。だけど、歳を取るのは悪くない。あきらめない。私の夏はきっと来る…。『エア』の主人公・メイは村のファッションエキスパートとして、新しく情報を仕入れ、村の女たちに化粧品や服を提供する商売をしていた。 しかし、村にネットがつながることになり、その情報は誰もが簡単に手に入れられるものになる。 さらに彼女の亭主が借金を背負う。 メイも若くない。さあ、どうする。 そう、『女たちのジハード』「夏が来る」の女たちと同様、あきらめないのだ。 後半は一気呵成に物語が進む。 私としては、出だしのぞくぞくする設定をていねいにまとめてほしかった。 そうすれば、だいぶ違ったテイストの作品になったのだろうな。『女たちのジハード』が悪いと言っているわけではないんですけどね。