- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152089441
作品紹介・あらすじ
人の思いやりと自由市場の力学を融合させ、社会問題を解決する新しい企業、「ソーシャル・ビジネス」とは?その壮大な構想と巧みな実践を情熱豊かに綴る。2006年度ノーベル平和賞受賞後初の著作。
感想・レビュー・書評
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ソーシャルビジネスという言葉に初めて出会った本。
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◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA87717405 -
グラミン銀行の創設者の考え方。
ソーシャルビジネスは、雇用して人を継続して雇用するという使命に縛られることになるのではないかと思った。 -
重要なこと
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早川書房 ノーベル平和賞 ムハマドユヌス 「貧困のない世界を創る」 10年以上前に書かれたソーシャルビジネスの本
著者の定義するソーシャルビジネスは 貧困削減以外への還元を認めない。日本でよく見る地域コミュニティ支援型の社会企業家とは少し違う。貧困の性質が異なるからだろうか
著者が行ったマイクロクレジットや奨学金制度は 貧困問題を解決し、損失なく費用を回収できる仕組みとして、よく出来ている
*マイクロクレジット〜貧困脱却を目的とした連帯保証方式の低金利の小口事業ローン
*奨学金制度〜出資者からの出資金は定期預金に投資され、運用利子が奨学金として子供に支給
マイクロクレジットは事業者向けローンなので、日本の貧困問題がサラリーの低所得や母子家庭に原因があるなら、マイクロクレジットニーズはないと思う。
名言「貧困は平和への脅威〜貧しい人々の生活を向上させるために投資することは、そのお金で銃器を買うことより良い戦略である」
国際機関や国内政府の貧困対策がうまくいかない理由に納得
*国際機関は、経済成長を通じた貧困排除を目指しており、経済成長自体が貧困を増長している
*政府は効率が悪く、不正が起こりやすく、強力なグループの圧力により進歩が阻害される
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SDGs|目標1 貧困をなくそう|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/49160 -
配置場所:2F手動式書架
請求記号:335.8||Y 98
資料ID:W0147196 -
グラミン銀行を作ったノーベル平和賞受賞の著者による貧困のない世界への提言。
ソーシャルビジネスが広がる世界を望みたいし、また目指したいと思わせる。
貧困を博物館に。かつて貧困というのがあったという人類史にしたい時代と感じる。
グラミン銀行に寄付をして少しでも関わりたいと思わせた。
これからの企業はSDGsどころかこのレベルの実現が必要なのだろう。 -
これはとても面白い
タイトル通り、貧困のない世界を作るために行ってきたこと、またこれから実現しようとしていることについて書かれてる
事業の成り立ちや広がりも面白いし、資本主義経済というとてつもなく大きな概念に対して一石投じようという気概がいい
その情熱と行動力に脱帽 -
非常に面白かった。10年以上も前の本だけど新しかった。ソーシャルビジネスの意味を勘違いしていた。この本で本質を知れてよかった。
日本においては、NPO=ソーシャルビジネス、あるいは、社会課題解決するビジネスは、全てソーシャルビジネスと思っていたけど違った。
- ソーシャルビジネスとは、通常のビジネス、NPO、NGO、CSR、協同組合などと一線を画している。
- ソーシャルビジネスとは、リターンとして資金的な利益を求める出資ではなく、その代わり、リターンとして社会課題の解決を求めるのみ出資。その出資は無利子の貸付というスタンス。
- ソーシャルビジネスとは、二つのビジネスがある。一つは、個人や法人ではなく社会の利益の追求(例えば貧困解決、気候変動など)を目的としている。一つは、貧しい方々の所有する財産やスキルの利益を最大化を追求を目的とする者がある。
エグジットを目指す通常のビジネスだと出資先からの盲目的な"規模拡大"という不必要(時には必要である)なプレッシャーを受けがちだったり、かといってNPOはボランティアでビジネス採算を考えなさすぎて限界がある、やはり社会課題を解決するには資本主義では足りないところがある。そこを絶妙についているのがソーシャルビジネスだ。
ただ、残念なことに昨今の資本主義が牛耳る世界において、結局のところ機能していない印象がある。社会や環境にポジティブな変化を生み出す事業を対象とし、社会的成果と経済的リターンの両立を目指す「インパクト投資」や「ESG投資」がトレンドになるのか注目したい。