ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下

  • 早川書房
4.26
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本棚登録 : 1303
感想 : 204
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089847

作品紹介・あらすじ

ミカエルはハリエット失踪事件に関する膨大な資料を読む一方、ヘンリックの一族のいわくありげな人々の中に分け入っていく。やがて彼は、ハリエットの手帳に書かれた暗号のようなメモを発見する。そして二カ月の刑を勤め終えた彼は、失踪当日のハリエットを写した一連の写真を見て、疑問を抱く。その場所でいったい彼女に何が起きたのか?また、写真に写っていたハリエットの部屋の人影は誰のものか?深まる謎を調査するには助手が必要だと感じたミカエルは、ふとしたことからリスベットの存在を知り、彼女の協力を得ることに成功する。二人は調査を進め、リスベットはミカエルにしだいに魅かれていく。だが、何者かが卑劣な妨害を仕掛けてきた!やがて浮かび上がる忌まわしい事実とは?幾重にも張りめぐらされた謎、愛と復讐。壮大な構想で描き上げるエンターテインメント大作。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻の途中からの面白さが最後まで持続。意外な展開の連続で、読み始めたら止まらない。ミカエルもリスベットも素晴らしい! 映画も見てみたいものだ

  • スイスイ読めた。
    ミステリではあるけれども、謎解きとは別に社会の多くの面に目を向けているように思えた。
    現代的な謎解きだな、とも感じた。

  • ミステリの話としてもおもしろいが、ジャーナリズムに対する深い思慮に感銘した。私もつねづね心がけているつもりだが、弱者の味方でないのなら、情報を扱うプロではないという、著者の姿勢がうかがえ、身を引き締めた。
    謎解きが、情報調査によるところもよい。

  • 下巻はまともだった。よかった^^))))
    上巻が、ひたすら状況説明と、ミカエルが陥った有罪判決の原因を思い返す作業だったのに対して、事態は急転、一気に勢いをみせるから。
    上巻の冗漫な雰囲気が払拭される。

    や、面白いんだよ。面白いんだけど、根性がいる。
    下巻は一日で読んだもん。翌日仕事だったのに。

    ・・・映画いこうかな。このだらだら感をどう演出してるのか気になる。

  • ミステリーとしての謎解きは3/4で終了。残りはミカエルのジャーナリストとしての気骨、みたいな感じで、たくさんのパーツがあったにも関わらず丁寧にまとめたのは素晴らしい。

  • ジャーナリストのミカエルは、とある大企業の前会長から依頼を受ける。40年ほど前、孫娘が孤島から失踪した事件を調べてほしいという。一族が集結したというその日、島はいわば”密室”であり、抜け出すことは不可能だった。はたして孫娘は生きているのか、そしてその日、いったい何が起こったのか――。
    ふとした発見からだんだんと真相をつかんでいく展開や、いかにもいわくありげな一族の人間達、そのあたりは面白く読みました。点が線でつながり、当初からは想像できなかった大きな事件が明るみに出てくるのはミステリの醍醐味ですよね。
    ただ、お国が違うからなのか、キャラクターが濃すぎて私には合いませんでした(笑)ミカエルがなぜそんなにモテるのか、なぜそんなに女性関係にフランクなのか理解に苦しむし、頭の切れるリスベットには負の魅力を感じるけども、尖りすぎていて好きになりきれませんでした。例の救出場面は良くやったと喝采を送りましたが(笑)

  • 上巻を読み終わるのに5日もかかり、下巻は1日で読み終わった。

  •  読んで良かった。リスベット・サランデル。彼女に惚れるかどうかでした。
     惚れましたけど、惚れてからは、読書付随の反復動作。まさにヒロイン。
     大好きなヒロイン。さて、わたし、つぎ、よむ。すぐ、よむ。

  • 上巻以上にスピード感がある下巻。一気に物語が進みます。決して軽い読み心地では無いですが、上巻と同様に、そのまま再読しました。面白いです。
    文庫化された帯には、全世界で6000万部!と書かれています。すごい。

    上巻のレビューは、こちらへ
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/4152089830

    中盤から物語が加速します。解決したと思うと、まだ未解決な件があった。
    こちらは、読者(私自身)の「こうあって欲しい」と言う希望に沿ったような展開に、違うドキドキです。
    そして最後に、ドラゴンタトゥーの彼女が仕掛ける。上手いです。

    ミステリーと言う枠に入るのでしょうが、少し違う気もします。
    探偵物とも違う感じ。これは、作者が小説家である前に、雑誌ジャーナリスト出身と言う事が大きいのだと思います。資料を調べると言う行為にこだわってる感じがする。まさに主人公であるミカエルは、作者の彼自身では無いでしょうか?この作品は、作者がジャーナリストとして、巨悪に対する姿勢を見るようです。

    第1部は、この下巻で完結しています。

    上巻のレビューに書きましたが、第5部までの構想があったのに、第3部が書きあがった時に作者が亡くなっています。惜しい、本当に惜しい。この世界的な大ヒットを作者自身に見せてあげたかった。そう思わずにはいられません。

    さて、では引き続き、第2部に浸ることにします。
    第2部のレビューは、こちらから。
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/4152090197

    追記:2011年9月に文庫版が発売されました。しかし残念ながら表紙のデザインが違うのです。値段が倍だけど単行本が欲しい。(図書館で借りて読みました。ぜひ蔵書にしたいが、どうしよう・・・)

  • スウェーデン・ミステリーと言えばマイ・シューヴァルとペール・ヴァールーによるマルティン・ベック警部もの。
    全10冊のシリーズを高見浩訳で通して読むほど好きだったが、あちらも著者はジャーナリスト出身でおしどり夫婦だった。
    本書の著者も正式な結婚はしていないがパートナーの女性との共同執筆で、ジャーナリスト。
    しかも全10部の構想を持っていたらしい。

    共通点が嬉しくなり読み終えた第一印象は、全然古びていないなということ。
    20年前の小説で、作品に出てくるPCはiBookだったり、メールもEudoraと時代を感じさせる。
    おまけに発売されるや世界的なベストセラーとなって映画化もされたので、その後に数多くの模倣者を生んで、斬新だったアイデアや設定も踏襲されまくっているだろうと思われたが、いま読んでもすこぶる新鮮。
    それが驚きだった。

    40年前の過去の事件を再び調べるのに、これまでであれば関係者から話を聞いたり、残された日記や手紙などの探索を手かがりに、詳細を再現していくというのが一般的だった。
    それが本作では、失踪日に焦点を絞り、その当日に撮られたたくさんの写真を手がかりにしているのだ。
    新聞記者が撮ったものから一般人が撮影したものまで、それら無数の写真を時系列に並べ、失踪時間帯の時間経過からアリバイの立証、さらには失踪者の感情の変化までをありありと浮かび上がらせることに成功している。
    観光地とはいえ、辺鄙な片田舎で、しかも住民の少ない島を舞台にしているのに、そんな都合良く写真が集まるかよっていうツッコミを見事にいなす仕掛けを作者は考ちゃんと用意している。
    すなわち、その町の年に一度のフェスティバルと一族全員が集まる会議、そして偶然にも起こった島を結ぶ唯一の橋で起こったタンクローリーの事故をその一日に重ねることで、救出作業を撮る新聞社のカメラマンや旅行者の写真のサルベージに不自然さはなくなり、かつ島を密室状態にもするという鮮やかさ。
    もちろん意図して映した写真ではないから鮮明さに欠け、決定的な新証拠が発見されるわけではないが、過去の事件を蘇らせる手法として斬新だなと感心した。

    その後の展開では、「えっ、もう犯人と対決しゃちゃうの」っていう早過ぎるクライマックスにもやっぱり驚かされた。
    あと残りこんなにもページあるのに、どう物語の結末をつけるのか、と。
    そしたらああいう展開で、まさかトマス・ハリスばりのサイコ・ミステリーの後に、ジェフリー・アーチャーばりのコン・ゲームが待っているとは思わなかった。

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