少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.35
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本棚登録 : 5942
感想 : 903
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089953

感想・レビュー・書評

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  • なかなかイヤな気持ちになりました。
    まさにテーマは『因果応報』

    情けは人の為ならず。
    それをテーマに生きていきたい。

  • 著者の作品に登場する10代の子どもはかなり大人びた考え方をして(環境によりそうならざる負えなかったというのもあるが)心の中に捨て場を用意しているような、どこか冷めた目で現実世界を歩いているような、そんな感を個人的に覚える。
    だから読み進めていけばいくほど、胸がきゅ~と掴まれるような切なさを感じてしまう。終わりがアンハッピーでも八ッピーでも、余韻を楽しめるような余裕は私の中にない。
    今作の複雑な人間関係はどなたかのレビューに書かれていたように「相関図」を用いて頭の中で整理したくなる。そして次第につながっていくカラクリは分かっていても面白い。個々の人物・心理描写も読み手のイマジネーションがフル活動できるような巧さがある。
    始めから終わりまで、「人が死ぬ」という事はどういうことでどう捉えるのか、様々な角度から色々な登場人物の言葉を使って投げかけてくるが、最後の最後まできてそれは答えを成さないものだと知らしめられるのだ。

  • 面白くて一気に読んでしまいました。
    人が死ぬところを見たいと思っている2人の女子高生の話。最初と最後が遺書なので、どんなに暗い話かとおもってたんですが、友情を絡めた青春モノって感じでした。みなと氏の小説のなので暗くて、人の内面をえぐってるような感じもしないでもないですが、女子高生の軽い語りのせいか、すらすら読める。そして、人の死が軽い。本当は、そこが怖いところなのかもしれません。

  • 2人の主人公の視点を交互に描くテンポ感の良さ、伏線回収の見事さ、良書でした。
    湊かなえさんの最新作カケラも早く読んで感想を書きたいと思います。

  • ふとしたきっかけから
    (人の死がみたい…)と、同じ感情を持ち、
    それぞれ老人ホームと、病院でボランティアを始めた敦子と由紀。

    交互に語り始める湊さん独特のあの展開だが、
    今回は特別わずらわしく感じられた。

    と、言うのは
    (どっちも似ていて、区別がつかない~><;!)

    迷いながらも推理しつつ←(そこをっ!?)なんとか読み終え、
    バラバラなパーツがひとつにしっかりまとまったラストに
    (うんうん、さすが)と感動しながらも、
    一番心に残ったことは

    人って、なんだかんだ言っても
    (自分のことを相手がどう思っているか?)が、最大の関心事なんだなぁ~)と、少々寂しく感じた。

  • 普通に面白かった。エンタメ小説として。

    親友の自殺を目の当たりにしたという同級生の告白を聞いて、「人の死が見たい」と思った女子高生の由紀と敦子は、それぞれ病院のボランティアと老人ホームに働きに行くことにする。果たして、二人がそこで目にしたものは…。

    メンタルが豆腐なので、過激な展開の話とか後味が悪い話は読みたくない方なのですが、必要に迫られて読みました。イヤミスの女王とか聞いてかなりビビっていたので、薄目でネタバレっぽいものを少しだけ読んで心の準備をしてから、こわごわ読み始めました。が、読み終わってみれば、思ったよりもメンタルへの衝撃も少なく、文章も読みやすく、普通にとても面白かったです。そういうふうに身構えて読んでいたせいなのかもしれませんが。

    (以下、うっすらネタバレあり)

    *で区切られる文章の転換については、ネタバレを見ていたのでスムーズに視点を切り替えることが出来ましたが、気づかずに読んでいたら、分かりにくくてイライラしたかもしれません。
    うっすらネタバレを見たおかげかどうか、そこそこ伏線を拾えていたような気がするので、最後の畳みかけのネタ明かしの部分では、パズルがはまっていくような感覚で、展開を楽しむことができました。
    ただ、なんというか、リアリティを求めたり、「生」について考えるといった類の読書ではなく、コナンを読んでいるような感じで、ミステリーの構造を楽しむ、といった読書ではあると思います。そういう目線で見れば、色々な伏線が浮き彫りになってくる様は、楽しく、それに伴い、由紀と敦子の友情がまるで美しいもののように昇華されていく様も、とても心地よいです。

    最後のどんでん返しは、想像力に訴えかけるほどもキャラが立っていなかったので、ふーんという感じでした。(自分の中でリアリティを以って受け止められていないです。)


    因果応報、という言葉が出てきますが、個人的には全体を通して敦子はさほど悪ではないような。
    確かに死因の一つではあるけれど、敦子自身がそのことに微塵も気づかなそうなので、その後ものうのうと幸せに暮らせそうですね。
    由紀は境遇が可哀そうなので応援したいと思いましたが、いやお前はダメだってなりました。

    おっさんは何も悪いことをしていないので因果応報には当てはまらないはずなのに、色々と不幸が降って湧いてきていて、なんでだってなりました。それはそれでリアリティなのかもしれませんが。その分、今後に幸せになる予感を匂わせて、ということなのでしょう。
    病院の二人の男の子が好きでした。

    由紀の小説のくだりはいいですね。感動しました。

  • 読み終えて、やっぱり湊かなえワールドだったな~と。
    最初は、どっち?どっち?と頭に内容が入ったこず、後半になって的が見えてきた、と思ったら衝撃の結末。
    そして世間はやっぱり狭いんだなという事。
    ネットも怖い。

  • 「死」という大きなテーマでありながら
    ここまで細部にまで行き届いた濃い内容を
    全て交わらせながら完結させる美しさに
    ただただ息を飲むばかりでした。

    無駄のない描写に飲み込まれつつも
    驚きで心臓が早まり
    本を閉じた深夜には目がすっかり覚めました。

    言葉で感想を述べるのがチープに感じるほど
    深みのある、良い小説でした。

  • 人が死ぬのを目の前で見たいと思っていた女子高生2人だったが、本人たちが気づかないうちに死に関わっていた。
    由紀は盗作された復讐のために個人情報を流出させ、担任の小倉は失職し、交通事故ではなく駅で投身自殺をしていた。また紫織の父親の三条に示談金を迫るが拒否されたので警察に突き出し、紫織が死亡。
    敦子は軽い気持ちで掲示板に書き込み、それがきっかけでいじめられ紫織の親友は自殺していた。
    身近な友達である紫織が死ぬというラストで驚いた。登場人物全員が絡んでいて面白かった。
    また、危険な思想の牧瀬が医者を目指していたが、その先がどうなるか気になった。
    でも友情と恋愛と復讐と少し詰め込み過ぎな気がした。

  • 人が死ぬ瞬間を見てみたい…
    こんな風に2人の女子高生が違う環境でボランティアのバイトして、最後はつながって物語が展開していくのに驚きを隠せませんでした。

    ラストは、そこで「えっ…何が起こったの?」と前後を読み返しながらついていくのに必死でした。

    2018年11月に読み終えた。
    本棚を変えたので、いま記録しています。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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