- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152089953
感想・レビュー・書評
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なかなかイヤな気持ちになりました。
まさにテーマは『因果応報』
情けは人の為ならず。
それをテーマに生きていきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の作品に登場する10代の子どもはかなり大人びた考え方をして(環境によりそうならざる負えなかったというのもあるが)心の中に捨て場を用意しているような、どこか冷めた目で現実世界を歩いているような、そんな感を個人的に覚える。
だから読み進めていけばいくほど、胸がきゅ~と掴まれるような切なさを感じてしまう。終わりがアンハッピーでも八ッピーでも、余韻を楽しめるような余裕は私の中にない。
今作の複雑な人間関係はどなたかのレビューに書かれていたように「相関図」を用いて頭の中で整理したくなる。そして次第につながっていくカラクリは分かっていても面白い。個々の人物・心理描写も読み手のイマジネーションがフル活動できるような巧さがある。
始めから終わりまで、「人が死ぬ」という事はどういうことでどう捉えるのか、様々な角度から色々な登場人物の言葉を使って投げかけてくるが、最後の最後まできてそれは答えを成さないものだと知らしめられるのだ。 -
面白くて一気に読んでしまいました。
人が死ぬところを見たいと思っている2人の女子高生の話。最初と最後が遺書なので、どんなに暗い話かとおもってたんですが、友情を絡めた青春モノって感じでした。みなと氏の小説のなので暗くて、人の内面をえぐってるような感じもしないでもないですが、女子高生の軽い語りのせいか、すらすら読める。そして、人の死が軽い。本当は、そこが怖いところなのかもしれません。 -
2人の主人公の視点を交互に描くテンポ感の良さ、伏線回収の見事さ、良書でした。
湊かなえさんの最新作カケラも早く読んで感想を書きたいと思います。 -
ふとしたきっかけから
(人の死がみたい…)と、同じ感情を持ち、
それぞれ老人ホームと、病院でボランティアを始めた敦子と由紀。
交互に語り始める湊さん独特のあの展開だが、
今回は特別わずらわしく感じられた。
と、言うのは
(どっちも似ていて、区別がつかない~><;!)
迷いながらも推理しつつ←(そこをっ!?)なんとか読み終え、
バラバラなパーツがひとつにしっかりまとまったラストに
(うんうん、さすが)と感動しながらも、
一番心に残ったことは
人って、なんだかんだ言っても
(自分のことを相手がどう思っているか?)が、最大の関心事なんだなぁ~)と、少々寂しく感じた。 -
読み終えて、やっぱり湊かなえワールドだったな~と。
最初は、どっち?どっち?と頭に内容が入ったこず、後半になって的が見えてきた、と思ったら衝撃の結末。
そして世間はやっぱり狭いんだなという事。
ネットも怖い。 -
「死」という大きなテーマでありながら
ここまで細部にまで行き届いた濃い内容を
全て交わらせながら完結させる美しさに
ただただ息を飲むばかりでした。
無駄のない描写に飲み込まれつつも
驚きで心臓が早まり
本を閉じた深夜には目がすっかり覚めました。
言葉で感想を述べるのがチープに感じるほど
深みのある、良い小説でした。 -
人が死ぬ瞬間を見てみたい…
こんな風に2人の女子高生が違う環境でボランティアのバイトして、最後はつながって物語が展開していくのに驚きを隠せませんでした。
ラストは、そこで「えっ…何が起こったの?」と前後を読み返しながらついていくのに必死でした。
2018年11月に読み終えた。
本棚を変えたので、いま記録しています。