ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)

制作 : 村上春樹 
  • 早川書房
3.95
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本棚登録 : 699
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (711ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090102

感想・レビュー・書評

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  • 初めに読んだときには、筋を追っただけであまり感じる部分はなかったが、2、3年経って改めて読んでみると、村上春樹の新作を読むような新鮮さを感じた。

  • 妻を殺し、自らも命を絶った友人の痕跡を辿り、私立探偵が裏社会を駆け巡る。レイモンド・チャンドラーの小説。村上春樹訳。

    物語の内容は、金も、権力も、何一つ持たない探偵フィリップ・マーロウが、金や暴力に屈することのない頑なな意思と、誰よりも優れたユーモアを武器にして、巨大な国家権力や、やくざ者、そして鼻持ちならない金持ち連中に立ち向かっていくというもの。

    深いヒューマンドラマがあるわけでも、伏線の張り巡らされたサスペンスがあるわけでもないのだが、およそ全てにおいて自分より上の立場にある人間を相手に独特のユーモアのみを武器にして口八丁で一点突破していく様は痛快の一言で本当に面白い。思わず読みながら薄ら笑いが漏れてしまった。

    何も持っていない小さな存在であるマーロウが、目の前にどんな大金を積まれても意思を曲げず、暴力にも屈しない。シニカルなユーモアばかり言いながら行き当たりばったりを繰り返す彼の行動の根本を支えているのは"誇り"であり、自分は自分である、という自信なのか。どんなに苦しい酷い状況でも自分の芯を曲げず、タフで居続けるマーロウは最高にかっこよかった。

    また、あとがきで本人も書いているが、村上春樹がこの小説を愛し、多大な影響を受けていたことが読んでいるとよくわかる。とくに僕が春樹作品の中で最も好きな小説でもある『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』への影響は顕著で、その意味でも楽しんで読むことができた。

  • 素晴らしかった。
    ハードボイルドは食わず嫌いだった。
    とりあえず、チャンドラーの文庫になっている分をぜんぶ買った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ぜんぶ買った。 」
      思い切りましたね!
      村上春樹訳が出て「リトル・シスター」「さよなら、愛しい人」「ロング・グッドバイ」(旧訳のタイトルは...
      「ぜんぶ買った。 」
      思い切りましたね!
      村上春樹訳が出て「リトル・シスター」「さよなら、愛しい人」「ロング・グッドバイ」(旧訳のタイトルは省略)は訳が2種類出てますが、両方とも買われたのですか?(昨年12月に単行本が出た「大いなる眠り」も何れ文庫化されるでしょう)。
      あっ短編集は早川書房、東京創元社から4冊ずつ出てます。
      2013/02/19
  • 名誉は、蟹のように横歩きはしない。とか言うし、どいつもこいつもいちいち気取ってる。でも、かっこいいのかな?わからんが、寂しい、切ない、読了感。

  • 色々な意味で出会えて良かった作品。文章の流れや台詞の言い回しは読んでいてとても気持ちが良かった。主人公のマーロウがやたらと屈折した性格や考え方だったのも個人的にはツボ。あとがきで語られるチャンドラーの人となりにも凄く共感出来たので、いつか他の作品も読んでみようと思う。

  • じっくり味わうことを求められる文章。物語の先が気になるのに、飛ばしていくことができない。冗長に感じてもいいほど、たっぷりとした描写なのに、味わわずにはいられない。そして、人物の感情が分からないので、誰にも同調できない分、その世界のそばに立っているような不思議な感覚。人の感情は普段でも推測でしかないから。
    時間がある時、もう一回、丁寧に読み返してみたい。

  • 初チャンドラーだったが、かなり読み応えがあった。フィリップ・マーロウがカッコよすぎ。文体や言い回し、比喩もいちいちカッコよくて、堪能しながら読めた。春樹さんが影響を受けているのがよく分かった。他のチャンドラー作品も読んでみたい。

  • レイモンド・チャンドラーのミステリー長編小説。古典的名作で以前の訳では"長いお別れ"でしたが、村上春樹訳で出ていたので読んでみようと挑戦しました。
    読み終わったものの一回読んだだけでは物語のあらすじがようやく姿を表したに過ぎませんでした。緻密に細部に渡って書かれてあり、その世界は主人公私立探偵フィリップ・マローを通して見た景色のようでした。モノクロのフィルムを駒送りで見せられたような印象です。
    彼の前に現れたひとりの男、テリー・レノックス、彼は億万長者の娘の亭主だったが影のある男だった‥妻を殺した容疑がかけられその逃亡を手伝ってしまったのがこの物語の発端になります。

    村上春樹があとがきで絶賛しているように普通のミステリー小説とは趣が異なります。心理描写のない文体、登場人物の言動を緻密に書いて行くスタイルは息がつけません。比喩的な表現も多いので噛み砕くのはなかなか容易ではありませんでしたが、それだけに味のある表現が満載で、あのグレート・ギャッツビーを彷彿させるという指摘も尚興味深い部分でした。
    これから何回か読みこなさないとこの作品の本当の良さは分からないのでしょうが、それにしても、若い時にもっとこれらの小説を読んでいたらとあらためて思いました。

  • 清水訳も好きですが、これはこれでよかった。村
    上春樹はきっと自分ならこんな風に訳すというシミュレーションを若い頃から何度も何度も練っていたのだと思う。
    ハードボイルドに生きるのは、ばかばかしく見えるけど、やはり美学と哲学をもててこその人生と思います。
    あとがきも村上春樹らしく詳細でよかった。
    けど、あれは読後読まないとかなり読み方に影響を受けてしまうと思う。
    虚心坦懐、白紙状態から読むことをお勧めします。

  • レイモンド・チャンドラーの最高傑作。
    私立探偵マーロウのかっこよさが際立ちます。

    村上春樹が絶賛するように、どこを切り取って読んでも、美しい文章と、かっこよい会話が素晴らしい。

    相棒、でチャンドラーとマーロウをデフォルメした回があったので、再読。

    「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」
    「ギムレットには早すぎる」

    次は「さらば、愛しき人よ」だ~~~

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