ふたり狂い (ハヤカワ・ミステリワールド)

  • 早川書房 (2009年3月19日発売)
3.08
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本棚登録 : 210
感想 : 30
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本 ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784152090140

感想・レビュー・書評

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  • *この小説は自分のことを書いていると思いつめた男の危険な行動(「エロトマニア」)、マンションの惨劇がフラッシュバックして襲いかかる女の苦脳(「デジャヴュ」)、何者かが人の記憶操作をしていると勘繰った女の疑念(「ゴールデンアップル」)―正常な日常が歪んだ世界へ徐々にずれてゆき、狂気が複雑に絡み合う。人が壊れゆくその瞬間をじわりとあぶり出し、どろりとえぐり出す、渾身の連作短篇*

    再読。前回読んだ時より歳を重ねた分、各々の狂気に寄り添いながらじっくり楽しめました。誰もが持っている勘違いや思い込みをここまで歪ませるとはさすが!何が正しくて、何が狂気なのか…じわじわくる真梨幸子ワールド、全開です。時系列や人物像が複雑なので、読み飛ばさずじっくり味わうのがお勧め。

  • 頭が悪すぎてか?よく分からんかった…

  • 面白かった。結局真実は何なのか。何が正しいのか分からない。誰が狂っているのか、誰が正しいのか。連作短編というか、ちょっとずつ登場人物がかぶっている。時代が前後するのでミスリードされる。というか、最後まで正解はない。最後の『フォリ・ア・ドゥ』感応精神病、あるいは二人狂い、だって。感応精神病、昔辞書で調べたな。実際に起きた事件で藤沢悪祓いバラバラ殺人事件が紹介されててネットで見てみた。初めて知った事件だったわ。ほんと、現実は小説よりも奇なり。この作者にしてはグロイ描写がなくて初心者も読みやすいと思う。エロトマニア(熱情精神病、あるいは恋愛妄想)、カリギュラ効果(禁止されるとついその行為をやってみたくなる心理状態)とか、各章のタイトルが興味深いのも非常に好きだ。

  • 連作短編です。真梨幸子さんは【殺人鬼フジコの衝動】を読んでから何冊か読みましたが連作短編は初めてだったので、少し読んでいて混乱する部分もありましたが、とても読みやすく気づいたらあっという間に読み終わってました。相変わらずの真梨幸子さんらしい後味の悪い作品でした(いい意味で)

  • 913.6マリ
    2015.10.30

  • 連作短編だけど時系列がバラバラだから時々あれ?って思う。
    やっぱり救いようが無い話ばかり。

  • 繋がった短編集みたいな感じでとても読みやすく、おもしろかった。
    どれもぐにゃっとするような要素があり、なおかつどれが本当のことなんだーって分からなくなってくるようなリアルさ。

  • 連作もの

     とてもわかりやすい短編が繋がっていく。さほどグロくもなく平坦に読めるのが良いところ。

     ただし読み手が風邪気味で集中力に欠けたため、一部意味不明の作品あり。狂気がテーマなんだが、オチがスッキリしなかった作品もあったということ。


     この作家さんは文書もさることながら、組立が極めて高度で緻密。心して読まないと置いてけぼりにされる。でもというか、だから楽しい。

  • なかなかです。怖い女を書かせると右に出るもの無し。

  • 連作短編集。
    というか全体通してひとつの話な感じ。

    売れない芸人川上、彼との恋愛を書く作家ミサキ、勤め先のメンチカツ屋などを中心にストーリーが展開していくんだけど、

    あまりにみんながフツーにおかしな人で(ていうかおかしくなっちゃう)
    どこがホントの話で、誰はまともなのかがわからない!!

    フツーの人って、実はみんないつでもおかしくなる準備できてるんだな。

    この人の本、初めて読むなーと思ってたら、
    「孤虫症」「殺人鬼フジコ」の人だったのか!

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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