灰色の嵐 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 早川書房
3.86
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本棚登録 : 47
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090386

感想・レビュー・書評

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  • スペンサー・シリーズの36作目。

    美女の依頼で、その娘の結婚式に「不安解消要員」として出席することにした
    スペンサー。
    結婚式は彼女が所有する島でとりおこなわれ、
    優雅に埠頭から邸宅までの馬車で送り込まれたスーザンとスペンサーの前に現われたのは、「灰色の男」ルーガー。
    かつてスペンサーを撃った男。

    ただではすまないと思っていたが、
    式の途中でルーガーが男たちと乗り込み、
    あっという間に司祭と花婿を撃ち殺し花嫁をさらっていく。
    スペンサーはスーザンの安全を最優先し、ルーガーたちはヘリコプターは飛び去る。

    スペンサーは花嫁の行方を追うが、
    ルーガーがやってきて手を引くように言う場面が印象的。
    スペンサーを殺したくないから手を引け、だがスーザンには手を出さないと言って
    去っていく。
    一度は殺そうとした男と殺されかけた男の紳士協定。

    ルーガーを殺してほしくないな、と思っていたが、
    花嫁が実の娘だったと明かして二人で消えていくラストで良かった。
    それと、スペンサーの息子同然のポールが、
    シカゴでガールフレンドと一緒に暮らしているのがわかって良かった。

  • ミスタ・ワンパターン万歳。もちろん次も読む。

  •  結婚式のさなかの起きる誘拐事件という派手な幕開き。しかも、敵役として登場するのは、かつてスペンサーに重傷をおわせた「グレイ・マン」である。期待しないわけがない。例によって例の通りのストーリィ展開なのだが、ラストはある意味意外な結末で、それなりに味があった。

     しかし思うのだけど、このシリーズはもはやハードボイルドはおろか、ミステリとさえ言いにくいものになってきているような気がする。一番近いのは、連続テレビドラマ、それも「水戸黄門」のような、一話完結型の連続ドラマだ。なじみの登場人物が出てきてなじみの活躍をし、安心してみていられる感じ。時々登場人物の誰かにスポットが当たり、その意外な一面が見えてきたりする。

     このところ毎回物足りなさを感じるのだけれど、それでも気持ちよく読めてしまうところが憎いところである。ある種の中毒性があるシリーズである。それにしても、「決別」の頃のような大きな動きがそろそろほしいと思う。

    2009/9/6

  • スペンサーシリーズ36冊目。今回も普遍のテーマである自尊心をキーワードに一気に読ませる内容。人として、男として日頃忘れがちなテーマだからこそこんなに長く似たようなストーリーでも読む度にリマインドしてもらえる

  • ボストンの私立探偵スペンサー・シリーズ第36作。舞台は孤島。依頼で富豪の結婚式に招待されたスペンサーとスーザン。ところが嵐ともにやってきたのは「あの」男だった。そのまま孤島で物語が進行するのかと思ったら、違いました。後半、思いもよらない展開が待っています。前作より上出来。

  • 09/7/26
    スペンサー

  • シリーズの36作目。35作目からは、あまり間をおかずに出版された。訳者のあとがきによれば、スペンサーシリーズの執筆のペースが早まっているようだ、とのことで、ファンとしては嬉しいけれども、ロバート・パーカーの年齢を考えると驚異的な話ではある。本書はシリーズのなかでも、かなり出来の良い方の部類にはいるのではないか、と思う。

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