下りの船 (想像力の文学)

  • 早川書房 (2009年7月9日発売)
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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784152090508

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙の果てまで行っても結局、人間やること変わらねー、というわけですよ。
    と言ってもまぁそりゃそうで、場所が変わったらいきなり悟りを開く2001年宇宙の旅ってもんだもないからしょうがないけどね。
    なもんだから展開としては熱帯での政府軍とゲリラとの戦いで概ねベトナム戦争っぽいんだけど、いやそれ以外のシーンもあるけどイマイチ想像力の文学と銘打つほどには真新しさが無いというか、やっぱり初めに戻って人間どこ行っても変わんねーなしょうがないなもう、ということかもしれぬ。
    いや、そうじゃなくて読者の想像力が試されてるのかも!と言われてもそんな意識高くないからな、そうだったらゴメンなさい。

  • 風が砂を追い立てる荒れ野の奥に、灰色の小屋を並べた村があった。不ぞろいの石を積み上げた家が、継ぎ接ぎの見える屋根をわずかに傾け、互いに壁を重ねながら灌木の茂みに囲まれていた。荒れ野をつらぬく細い道が村をかすめて通っていたが、道は半ば砂に埋もれ、村を訪れる者は限られていた。

  • 佐藤哲也は『イラハイ』から好きでずっと読んでるけど、この作品で新境地を開いたと思う。このどうしようもなく進歩のない世界こそが進歩のもうひとつの顔であり、私たちの住んでいる惑星の現実。

  • [ 内容 ]
    地球発の船は、その惑星に到着した。
    その星では船がゆるやかに川を下り、すべての岸には悲劇と喜劇が溢れていた。
    消毒液の臭いのせいでとまらない涙、ため息を吐くのはモラモラの群れ、一つの部屋に四つの家族、即決裁判と労働監獄、舌を青くした市長、石炭屑の少女、強制労働の少年。
    男がいた。
    女がいた。
    子供がいた。
    老人がいた。
    船は今日も黒い川を下り、明日も下り続ける。
    その先にあるのは…。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • (200909)
    地球から離れた惑星に何もわからぬまま移住させられた人々の物語。
    果てしなく連鎖していく貧困と労働と強制。最初はリバーワールドシリーズを連想したが、こちらの世界観は絶望に満ちている。

  • (後で書きます。ううう。)

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