- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152091161
感想・レビュー・書評
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「The Indifference Engine」が面白かったです。
あと映画評、観ようと思っていた映画についての言及が多く参考になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010年3月25日 初、並、帯付
2013年 月 日 イオンモール鈴鹿BF。 -
そう、彼は「会議場面」や「査問会場面」があるというだけで異様に興奮し、「スーツの官僚が官僚組織特有の機構的無慈悲さで個人を追いつめていく」場面など勃起もの、「会議中の耳打ち」があるたびに卒倒しそうになるという救いようのない変態だったのです。なにせこの映画の半分くらいはCIA局内、しかも会議。権謀術数渦巻く聴聞会。これが彼に与えられた映画でなくてなんでしょう。
スパイ大好き。官僚大好き。会議大好き。耳打ち大好き。
(P.328)
戦争は終わっていない、とぼくは街の人々に言うつもりだった。
戦争は終わっていない。ぼく自身が戦争なのだ。
言葉では心もとないので、もっぱらAKを使って伝えることになるけれど、みんなきっとわかってくれるだろう。
弾が心臓を撃ちぬくその寸前に。
(P.46)
もちろん、コロンブスの動機が本当は黄金でも香辛料でもなかったように、ぼくらは何かを求めて、頭上のはるかな空間にとりつかれているわけではないのだろう。それは、いうなれば呪いみたいなものだ。
星々の世界への欲望は。
(P.117) -
伊藤計劃が好きで、惜しい人を亡くしたという思いから(待ってももう新しい本はでないわけで)過去の彼を掘り下げたくて読んだけど、読んでるうちに「いつまでも亡くなった人に囚われていてはいけない」と思うような本
亡くなったのが比較的最近で、世代も近いからこその感覚かも知れない。 -
『死者の帝国』の続きが読みたい。
もう叶わない願いだけど。 -
「The Indifference Engine」と「From the Nothing, With Love.」の2本の短編を読むためだけでも、この本を読む価値はあると思います。
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それぞれの映画から、ありとあらゆる面白さを汲み出しては読み手を見る気にさせる映画評に脱帽する。小説は、問題系を扱う時の射程の広さと、得られた見通しに対する作者のかすかな違和感?の間のわずかな濁りが奇妙な余韻を残す。