華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
制作 : 山本ゆり繪 
  • 早川書房
4.22
  • (133)
  • (133)
  • (43)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 836
レビュー : 152
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091635

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 陸地の大半が水没した25世紀。日本政府の外交官・青澄をサポートする「ぼく」の視点から物語は始まる。上田早夕里さんのSFは、ハードボイルドだけど、女性の書いたハードボイルドな感じ(たぶん、マッチョではないということだと思う)で抵抗感なく読める。今回は、小川一水さんっぽいプロジェクトXのようなところもあり、アクションありの外交官アドベンチャーでした。自分が何かをつくるわけではなく、ひととひとの交渉を手助けし、両方に利益を与えるように、面子をつぶさないように尽力するという仕事を冷静に、そして中は熱血した血で行う青澄がかっこいー!それを見ているだけの「ぼく」の視点なのが、また物語を楽しませる一因だと思います。
    設定がものすごく用語が多くて、なかなか飲み込みにくいところがあるかもしれませんが、面白かったです。この後の物語が他の作品につながってたりするのかなあ。

  • 23:海洋SF……というのでしょうか、ホットプルームの活性化→海底隆起により多くの陸地が水没した25世紀の地球が舞台です。アジア海域での政府と海上民のトラブルを解消すべく、主人公の青澄は外交官としてツキソメという海上民の女性と交渉を開始するのですが、他組織の横槍が入ったり、青澄の手の届かないところで海上民の虐殺が始まったり、その虐殺を止めようと奮闘する心ある兄弟がいたり、一方でさらなる地球規模の危機が迫っていたり。息をつかせないスピーディーな展開と、練りこまれた設定に、ページをめくる手が止まりません! かなりの大作ですが、するっと読み終えてしまいました。地球惑星科学、天災、人工知性、異文化コミュニケーション、海洋冒険、思惑・利害・理想のぶつかりあい。まったく私好みの物語でした。
    ひとまず完結してはいるのですが、まだまだ語りつくされていない設定が多くあるようにも思いますし、上田さん自身、「この世界観を使った別の物語を書きたい」と仰っているので次回作が楽しみです!
    5/31:「購入」タグに変更。

  • 10月7日読了。図書館。

  • これだけの読み応えは久し振り。
    しばらく軽いものばかり選んでいたので最後の一行を読み切る時の達成感はひとしお。
    リリエンタールの末裔がすこぶる気に入って、ブラック・アゲートを読んでこれじゃないなと思い、次にこれを読んでみてやっぱり面白い!と納得。
    時間の都合で数日にわけて読んだが、トータル10時間位かかったかなと思うので、読み返す際には時間の都合をつけてじっくり文字を追いたいな。


    補助脳とかアシスタントとか人体改造というものにわくわくはするんだけど、それを実体験しようがないという点で主要人物に共感しえないのか、それとも単に自分の人間性が青澄の理想とかけはなれてるからなのかちょっと考えてしまった。
    組織の意思に屈しないで両者にとって最大限の利益をはかる、それだけの知性が私には無いし、あったら大変だからいらねえや、というのが20160501時点の自分の感想なので、いずれ読み返した時に更に考え方が組織寄りになってるのかどうか確かめたい。
    その瞬間だけ楽な方法を選び続けた結果がどれだけ苦しいことか、時々は思い出さないといけない。

  • なんかのめり込めなくて、疲れた。
    スケールはともかく、描き方はなんかありふれてるし、
    AIの全く現実味のない設定とか(感情がありすぎておかしい)、政治的な部分は細いんだけど
    いる⁇的エピソードの山とか、
    その割に共感できない、いかにもマンガチックで
    深みのない登場人物とか、
    読み終えるのが苦痛だった。
    中途半端にツキソメ研究してたけど、なんか意味あったの⁇
    続編で‼︎的な⁇
    とある事情で読了したけど、本当になぜこんなに評価高いのかわからなかった。
    今のSFってこんなんなんだ…

  • アンソロジーで『魚舟、獣舟』を読んでましたが、オリジナルの長編です。25世紀、地殻変動により多くの陸地が水没した世界、人々は陸上民と海上民とに分かれ、独自の進化を遂げていた。人類滅亡の危機を描く一大スペクタクル。サイエンスの部分よりも人間性、政治のパワーバランスに比重があるストーリー展開です。人類って何なのだろう。姿形?、生き方?、思考?、この時どちらを選択するのだろうか。

  • 図書館で。
    読み始めてあ、この魚舟とか言う名称読んだ覚えがあるなあ…とぼんやり思い出し、そういえば短編で読んだんだっけ課な…とうっすら思い出しました。そうか、こういう世界観の短編だったんですね。

    最初の方の海底マグマとかホットプルームによる海水の膨張とかが面白かったです。地球に住んでいる人間にとっては存続の危機だけれども地球規模で見たら地球に存在する生命の9割が死滅した事態だって何度も経験していることなんだしなあ…。そういうドライな未来のあり方が面白いと言えば面白かったです。が。生き残るために肉体を改造する、かぁ…。水中で長く呼吸できるぐらいなら抵抗なく受け入れるかもしれませんがさすがに袋人間は…どうだろう?受け入れる人居るのかな?まあそこまでのっぴきならない自体に追い込まれたって事なんでしょうけれども。

    お話的には荒廃した地球の政治的駆け引きと遺伝子操作で生み出された怪物との共生とフナオサの女の人の出自の謎解きと盛りだくさん。読んでいてアニメのガルガンティアを思い出しました。でも海上で暮らす人たちが有機物に住むっていうのは面白いけど…ドラム缶でもなんでも無機物のイカダでも作った方が個人的には人は信頼しそう。だって海に潜られたら大変だしな…。

    面白いんだけど…少しずつアレ?と首を傾げる所がありなんとなくのめり込めずに終わりました。面白い所は面白かったんですけどね…

  • 長いし、人間関係もややこしい。しかし、最後まで辛抱強く読むことを強要される魅力あり。

  • 海面上昇後の地球を描いたSF。
    物語の設定以外の中身は割と社会小説で
    理不尽な上部組織vs熱い青年といった感じ。

  • 魚舟いいな

    青澄さん素敵

    全力で生きてみよう

全152件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。2011年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。同作は「SFが読みたい! 2011年版」国内篇第1位に選ばれ、『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』の各表題作、『華竜の宮』の姉妹編『深紅の碑文』と合わせて《Ocean Chronicleシリーズ》と呼ばれ、読者からの熱い支持を集めている。近著に『妖怪探偵・百目』シリーズ、『薫香のカナピウム』など。

上田早夕里の作品

ツイートする