ソーシャル・ビジネス革命―世界の課題を解決する新たな経済システム

制作 : Muhammad Yunus 
  • 早川書房
3.76
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本棚登録 : 582
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091826

作品紹介・あらすじ

ダノン、インテル、ファーストリテイリングなど、世界の最先端企業が熱いまなざしを注ぐ新しいビジネスのかたちとは?ノーベル賞受賞者が、具体的な実践と無限の可能性を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい本だ!!!

    最近、社会企業系の本を色々読んでいるが、臨時対応である「寄付」でなく、永続的な「仕組作り」が本当に大事だと思う。

    ムハマド・ユヌス Muhammad Yunus
    経済学者であるがゆえに貧困と向き合い、智恵の創出で
    1974年の大飢饉後に貧しい人々の窮状を目の当たりにして、その救済活動に目覚め、1983年にグラミン銀行を創設。マイクロクレジット(無担保少額融資)で農村部の貧困者の自立を支援し、同国の貧困軽減に大きく貢献。

    本書ではソーシャル・ビジネスの真髄、利潤の拡大化を目的とせず、利益は再投資に使われる。
    共産主義/資本主義のレンズでは図れない、この独特な考え。

    あの貧困だったバングラでマイクロクレジットを作り出し、今では数多くの世界企業が注目。

  • なるほど

  • 利用計画にとって必要なもの

    提供するサービスや商品
    その商品やサービスの提供方法
    対象とする顧客
    顧客の数
    客が商品やサービスに支払える料金
    競合相手
    商品やサービスのマーケティング流通広告販売促進方法
    ビジネスの開始に必要な初期投資
    必要経費の月額
    ビジネスの成長に伴う経費の変動
    設立から1ヶ月間一定期間で期待できる現実的な売上高
    損益分岐点売上高を実現できそうな時期
    企業の設立資金の返済期間

    これに加えてソーシャルビジネスの場合にはこのこの事業計画に加えて次の事も必要

    社会的目標ソーシャルビジネスで誰を助けるか
    社会的利益
    ビジネスで恩恵を受ける人々がビジネスの計画や開発にどう参加するか
    ソーシャルビジネスの成果の測定方法
    半年後一定期間に実現する社会的目標
    ソーシャルビジネスが成功した場合の普及拡大方法
    提供する商品やサービスに付加できるその他の社会的利益

  • 東2法経図・6F指定:335.8A/Y98s/Makita

  • ノーベル賞ねらいたい!

  • ■ソーシャルビジネスとは
    ☑︎利益<他社の役に立つ
    ☑︎貧困、教育、健康、環境等に焦点
    ☑︎寄付で成り立つのではなく、
    持続可能なビジネス

    ■事例
    グラミン銀行
    (マイクロクレジット活用)

    ■検証は小さなスケールから

  • まさしくバイブル本。ソーシャル・ビジネスと混同されやすいもの、例えば非営利団体、CSR、NPO・・・等々との考え方の違いを丁寧に解きほぐされ、目からうろこである。
    無邪気な性善説でもニヒルな性悪説でもない、利己的であり利他的でもあるという多元的な人間像に依って立つことにより、思考の幅が広がるのだということに気づかされる。

    [more]<blockquote>P14 貧困を生みだすのは人間ではなく環境である【中略】この世に生を受けたすべての人間は、自立する能力だけでなく、世界全体の福祉に貢献する能力を備えている。【中略】人々を貧困から救うには、それを実現する環境を整えるだけでいい。貧しい人々がエネルギーと創造力を解き放ったその時、貧困はたちまち消えさるだろう

    P19  経済理論から一次元的な人間像を捨て去り、利己心と利他心を併せ持つ多次元的な人間像を取り入れるべきなのだ。

    P94  定期的に前提を振り返るべきだ。除外した選択肢や、必然だと思っていた選択肢を見直し、今でも同じ結論になるかどうかを検討しよう。その結果、状況が当時と変わっていたり、初期の前提が間違っていたりすることに気づくかもしれない。そうすれば、夢にも思わぬチャンスが開ける可能性もあるのだ。

    P98  まず機能するモデルを築き上げ、検証や改良を行い、状況の変化に応じて見直していく。次に、モデルの有効性が明らかになったら、サービスの提供地域を一つずつ増やしていく。大事なのは、あらゆる段階で常に成果に目を配り、必要に応じて修正を行うことだ。

    P110 文化というものは対抗文化(カウンターカルチャー)と絶えず切磋琢磨しなければ古びて行くのだと強く信じるようになった。人間が文化を作り、文化が人間をつくる。相互的なものだ。人間が文化に身を隠せば文化は死んでしまう。

    P143  地域がいったんそのソーシャル・ビジネスを頼りにするようになったら、その信頼を裏切ることは許されない。したがって、ソーシャル・ビジネスでは、新興企業と同じくらい(あるいはそれ以上)の知恵、経営手腕、努力、熱意、勤勉さが求められるのだ。

    P177  所有権こそがソーシャル・ビジネスの大きな特徴だ。

    P271  「豊かな人がいれば貧しい人もいるのは当然だ」と考える人もいるだろう。これは時代遅れで間違った考え方だ。【中略】実際には、経済のパイはどんどん膨らんでいる。いや、膨らませるべきだ。そうすれば金持ちはより金持ちになるが、貧乏な人々も少しずつ金持ちに近づいていく。【中略】多次元的な人間の住む世界では、何もかもが変わる。この枠組みでは、世界の福祉にどれだけ貢献したかが成功の大きな基準となるだろう。

    P288  日本とソーシャル・ビジネスとの親和性=循環型社会を形成していた江戸の町、「武士は食わねど高楊枝」の身分制度と富の分配の不一致、徹底した論語教育と丁稚奉公、近江商人に見る『三方よし』 </blockquote>

  • かの有名なムハマド・ユヌス著。
    グラミン銀行総裁、ノーベル平和賞受賞者。

    本の内容としては、このグラミン財閥(お金ではなくて、ブランドイメージ意)がいろんな会社とタッグを組んで「ソーシャルビジネス」によって革命を起こそうって言うもの。

    ソーシャルビジネスの定義(持続可能な組織で、利益は事業拡大か留保)、他のビジネスとの違い、実用例(銀行から始まって、ヨーグルト、水、病院、靴、インフラ…)
    同じような内容が何度も繰り返されてるイメージ。半分ぐらいのページ数でも終われた気も。

    ソーシャルビジネスっていう選択肢もあるんだよっていう意味でも流し読みぐらいでいいかも。本書にもあったように、ソーシャルのバイブルではあると思う。

    最後らへんに九州大学の教授も登場してたのは驚き。

  • 今回はユヌス氏の関わる事業やパートナーの紹介に関する内容が多めです
    提携に関する彼の哲学や戦略が垣間見れます

  • ソーシャルビジネス
    ビジネスの手法で社会問題を解決すること

    地球規模で見れば、飢餓・貧困・病気など貧しい国の問題ほど裕福な国がちょっと手助けすれば解決できそうでできていない。
    そんな問題意識を最近感じていたときにたまたま見つけた。

    読み物としては面白さはないが、一人から始まった活動で多くのひとを助けることができていることに希望を感じた。
    ひとは利他の活動に喜びとやりがいを感じる。

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