夏の王国で目覚めない (ハヤカワ・ミステリワールド)

  • 早川書房 (2011年8月10日発売)
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感想 : 70
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本 ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784152092304

作品紹介・あらすじ

高校生の近藤美咲は、偏愛する作家三島加深のファンサイトで「架空の殺人が起こるミステリツアーに参加しないか」と誘われる。架空の事件を解決すれば三島加深の未発表作が贈られるというが……

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!架空の世界での推理が楽しかった。

  • 幻想的なミステリ作家のファンサイトからの招待で、その作家の未発表原稿を手に入れることができる犯人当てのミステリツアーに参加した主人公。
    そのツアーでは、指定された役で劇を演じなければならないが、ツアーの途中で事件が起きる。
    犯人は誰なのか? ツアーの主催者の目的は何か? というミステリ作品です。
    構成が複雑で、ツアー主催者の目的が解説編までいかないと見えてこないので、状況がよく分からないまま何となく流されるように読んでしまいました。
    中盤は不穏な雰囲気が続くので、精神的にモヤモヤしました。
    解説編にいかないと何が何やらという感じだったので、個人的には物語に入り込めませんでした。

  • 図書館で背表紙を見てビビッときたのでかりてみたけど面白かった。なんの前情報もないまま背表紙だけで選んだ割には当たりだったかな、と。
    ただ、これ…なんか…読んだことある感じの展開だな…と思ってたら思い出した。これ「木曜組曲」とかなり似てるんじゃ…?後半はずっとデジャヴを見ているようでもやもやした。

    • 円軌道の外さん

      はじめまして!
      関西出身で
      映画と音楽と猫命の
      プロボクサーです。

      先日はフォローありがとうございました(^o^)

      硝...

      はじめまして!
      関西出身で
      映画と音楽と猫命の
      プロボクサーです。

      先日はフォローありがとうございました(^o^)

      硝子さんのプロフィール見させてもらいましたが、
      誕生日が僕と1日違いでビックリしました(笑)

      この本はきれいな表紙やし、
      なんか妙に惹かれるタイトルですよね(^^)
      ミステリー好きなので
      読みたいリストに忘れへんようにメモしておきます(笑)

      自分も猫好きです(笑)
      これからもよろしくお願いします!

      あっ、コメントやお気に入りポチいただければ
      必ずお返しに伺います。


      2014/11/03
  • 図書館より
    ミステリ作家三島加深のファンサイトに集まった七人のファン。そのサイトの管理人ジョーカーから推理劇を演じるミステリーツアーの招待が来るのだが……

    移動中列車内やクライマックスの古い屋敷など本格ミステリーらしいシチュエーションに推理劇がどのような意図で行われるのか、管理人の指示通り進めることができるのか、というハラハラ感もあってよかったです。

    少し先読みできるところや強引なところもあったものの、結末部の推理は伏線をしっかりと活かした丁寧なもので好印象。推理劇と並行し実際に起こった事件との関連が浮かび上がってくるなど、凝った構成も本格ミステリらしく楽しめました。

    主人公となるのは父親が再婚し、新しい家族になじめない女子高校生の美咲なのですが彼女の心理描写や成長していく様子も細やかでよかったです。仮想の推理劇の中で演じる『九条茜』という役割と「美咲」という現実の名前。この二つの間で揺れ動く彼女の描写はどこか幻想的、また人が減っていく推理劇の雰囲気はホラーの雰囲気も漂っていて文章のところどころに詞的な表現もあり、それらが作品全体に漂うどこか現実離れした雰囲気につながっていると思います。その雰囲気がとても好ましく、それが巧いからこそエピローグの現実世界がまた輝いている感じがします。

    彩坂美月さんという作家さんは初読でしたがミステリーだけでなく、青春小説を書いてもいい雰囲気の作品を書かれそうだなあ、と感じました。

  • 今年読んだミステリー小説の中では食いついて読んでしまうくらい好きな物語だった。
    同じ作家のファンたちが集うサイトの運営者『ジョーカー』からその作者の未発表作品を懸けたゲームをする。
    そのゲーム内容は指定した登場人物を演じ、シナリオの犯人を暴くというもの。しかし、参加者が殺されたことからこれは計画殺人ではないかという疑念が浮かび…といった話。
    作中でも出てくるが参加者たちが割り当てられた役を演じていく中で自分と役の間が曖昧となっていき物語と現実がどっちか分からなくなっていくという心理状態と誰も頼れない、連絡手段は『ジョーカー』からの連絡を受けるだけの受信機という開けてはいるが心理的にはクローズドサークルが出来ているのが印象的だった。

  • ふむ。
    推理小説って気持ちで読めたのでよかった。
    でも、始めの部分はよみにくかったなぁ。苦手だ。

  • 箱物の本格探偵小説に3Dスタイルを持ち込んだ秀作ですね。米澤穂信を彷彿させる筆運びにグイグイ引き込まれてしまいました。探偵がどんでん返しの作風も本格派の王道を魅せています。
    何よりキャラクターがシッカリとしていて、構成に無理がない。楽しませてくれました。最後はロマンスも出てくるのは女性作家からでしょうか。それはそれでハッピーエンドで佳いかも。
    まとまりすぎて、新鮮味に欠けると面白くないと云うこってり味の本格派ファンには少し不満足かも。
    私はこの作家が好きになりました。

  • 話としては面白かったけれど、どうやって彼らが選定されたのか、どうやって彼らのリアルを知ったのかは不明のままじゃ…?

  • 小説家HPのオフ会(といっても本名は明かさず決められた役柄を演じる「架空遊戯」)で事件が起こる。

    読んでいてアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」とかコナン君の列車の事件(新一の両親が出てくるやつ)を思い出した。
    主人公の目線で話が進んでいくので犯人が誰なのかわからない。結構面白かったです。ミステリーツアーって実際あるんですね~楽しそう 行ってみたい。

  • 帯の「有栖川有栖さん推薦」にほいほい釣られました。
    【架空遊戯】というミステリーツアーに、与えられた役を演じながら参加する主人公。
    ある程度先が読めてしまう部分もあるのですが、構成もしっかり練られていて、テンポ良く展開されていくので引き込まれます。
    次第にゲームが現実へと侵食してくる現実と虚構の淡いや、参加者達が疑心暗鬼に苛まれていく心の揺らぎ等は丁寧に描かれていて良かったです。
    正直突っ込みどころもありますが、読後感は悪くないです。
    『ひぐらしふる』→今作と読みましたが、相性は良さそうなので今後に期待したいです。

  • 高校生の美咲は、カルト的人気の作家・三島加深のファンサイトを通じて、架空の殺人事件の犯人探しをするゲームに参加することになる。参加者たちは与えられた役を演じていくが、やがて次々に殺されていく。

    未読の作家さんで、「面白い」という書評だけを頼りに図書館に予約してみた作品。
    ひたすら犯人探しをする推理モノを久しぶりに読んだので、ついに最後までのめりこめず、実は途中流し読みして、最後の謎解きだけしっかり読むという禁じ手をやらかしてしまった。
    登場人物のアリバイを追うことに徹して心の内面を掘り下げない冷めた文体や、ゲーム参加者たちが用意されたセリフをしっかり覚えていること、人が死んでいるのに警察を呼ばないなどの展開が理解しがたく(通報しないことについては最後にその理由がわかったのだけど)、自分はもうこの手のミステリを読めないのだなとしみじみ実感させられてしまい。
    火曜サスペンス劇場のようなドラマを見慣れていれば、すんなり世界に入り込めたのかもしれない。

  • 好きな作家さんの作品を巡るミステリーツアー。雰囲気はすごく面白いのだけれど、なんだかあやふやでよく分からないところも多い。
    2013/10/08

  • 成長物語にしては間の謎解き部分が長すぎる。都合の良い参加者を集めるのも、設定どおりにうまく話をすすめるのも無理がある。なんとなく読んでしまったけどいまいち。

  • もし、自分の好きな作家の未発表作を自分だけのものにできるとしたら。美咲は、好きな作家の未発表作を手に入れるチャンス「架空遊戯」に、大学生「茜」として参加。小説の中の人物が、さらに殺人事件の容疑者を演じるという作中劇が繰り広げられる。ややこしいのに、ついつい続きが気になり読み進めていくと・・・、ラストに!?果たして、美咲は未発表作を手に入れることができるのか?暑い夏の夜、ドキドキしたい方にオススメの一冊。

  • 生き残りをかけた「参加型推理ゲーム」です。一人、また一人と消えていくという設定は使い古された感がありますが、密室からの消失事件、殺人事件、ジョーカーの正体等、いくつもの謎が絡まって真相に繋がる展開は非常にスリリングで見応えがありました。
    しかし、消失事件と殺人事件の真相はもう一捻り欲しかったですし、ミステリーツアーの種明かし(ジョーカーの正体と動機)もスッキリせず消化不良でした。

  • 途中まではよくあるミステリかなと思っていたが、終わり方は意外だった。

  • やや強引な感じもあったけど、現在と過去の事件をまとめ切ったのはすごい

  • 久しぶりに読み終わって、最高!と叫んだお話です。構成、心理描写、読みやすい文体でとても楽しく読めました。ところどころに引用される作中作の表現ががすごい気になって、ぜひ読みたい!と思わされました!作中作本当に読みたい!

  • タイトル読み。あと有栖川有栖推薦という帯に釣られた。
    結論から言えば、いまいち。
    架空遊戯が始まった時点で、なんとなく台本が賞品の本からきているのではないかという予感はあった。あと実は誰も死んでないというのも同じ。
    謎めいたミステリーツアーというのが大筋だと思うが、劇をしている場面もそんなにないし何がしたいのかよく分からなかった。作中で登場する三島カフカの本も魅力が伝わってこない。書けば書くほどダメダメな気がしてきました。

  • なにもかもが伏線にみえて困った。

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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