夏の王国で目覚めない (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.40
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本棚登録 : 322
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092304

感想・レビュー・書評

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  • カバーイラスト:くまおり純
    装幀:ハヤカワデザイン

    通し練習もプロンプターも無しに、
    演劇素人がぶっつけでやるのは無理があると思う。。。

  • 三島加深なるミステリ作家に心酔した美咲は、ファンサイトでファンと交流を重ねる。そんなとある日突然メールで舞い込んできた招待状。それは「架空遊戯」なる、推理劇への参加の誘いだった。謎を解いた暁には、その作家の未発表作品をプレゼントするという。だれがなぜそんなことを企てたのか。美咲は参加を決意するが、劇のはずのその場では、次々に人が消えてゆき…
    …という出だしは読みやすくはあっても新鮮味はそれほどかもしれません。けれども次第に加速する、現実と劇との境目の曖昧と次々に起こるサスペンスが、読み出す手を止まらせないという感じで、結構引き込まれて読みました。だんだんと人物にも個性が出てきて、淡い恋模様も良いスパイスになっていて、なかなか濃いお話です。種明かしそのものは少しロマンティックなニュアンスになりましたが、嫌いではありません。実はXXもXXでないというのはあら、と思いましたが、読後感も悪くさせないし、良かったかも。
    ラストの幕切れの仕方が、清清しくて素敵でした。美咲がいろんな意味でひとつ成長し、あらたな道をいこうとしているのがくすぐったくも微笑ましくて、良い感じでした。その後、がいつか読めたらいいなと思います。

  • 一気読みは出来るんだけど、話にのめり込むというよりは一歩引いて読んでた感じ。やはりリアリティに欠ける部分が気になった。

  • かわいらしく温かみのある表紙とは違って、中身はプラスティックのような手触りと微熱。

    ミステリ作家、三島加深(みしまかふか)のファンサイトで知り合った人々が、彼女の未発表作をめぐっての推理劇に参加する。それぞれが役割を演じながら謎を解き犯人を捜す。そんなゲームのはずが、やがて人が一人消え、そしてまた一人...

    主人公の女子高生、天野美咲のみが素性と本名を読者に明かされ、残りの登場人物たちは、ハンドルネームと推理劇の役名で二重の匿名性を帯びている。これは嫌でも警戒してしまいますね。
    そして序盤からアレやコレやソレや、本格もののガジェットがこれでもかというくらいギュウギュウに詰め込まれています。

    解決編の推理はよくできていました。
    途中、サスペンスやスリラーのような展開で飽きさせない工夫あり。手堅い出来の優等生という感じです。
    リアルなようでいてリアルじゃない、作り物としての面白さがありました。

  • ++あらすじ++

    父が再婚して、新しい家族になじめない高校生の美咲。
    だから、幻想的なミステリ作家、三島加深のファンサイトで加深が好きな仲間を知ったことは大きな喜びだった。
    だが<ジョーカー>という人物から【架空遊戯】に誘われ、すべてが一変した。
    役を演じながらミステリツアーに参加し、劇中の謎を解けば、加深の未発表作がもらえる。
    集まったのは7人の参加者。
    しかし架空のはずの推理劇で次々と人が消え……

    裏表紙 あらすじ 引用



    架空遊戯の劇中の謎解きと、現実での謎解きの2重ミステリ。
    相変わらず推理せず読む派の私です。
    今回はストーリーにぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。
    劇中の三島加深作品を読んでみたいと思いました。
    「空色眼球」「かくも美しき白昼夢」「終末時計」「ピリッシュノイズ」
    そして「月のソナチネ」

    劇中の天野美咲と九条茜にどんどん感情移入していきました。

    タイトルに惹かれて読み始め、読み終えて、どうしてこのタイトルがついたのかなんとなくわかりました。おつむ弱いのでなんとなくっていうのが悲しいですが^^;
    美咲の言葉だったり、地の文だったり、随所にある比喩的な、詩的な文章が好きです。
    これを読み終えたのが9月の終わりか10月の初めだったんですが…これの読了と共に私の今年の夏も終わった気がします*笑*

    これは図書館で母が借りてきたのをたまたま手に取ったのがきっかけなんですが…文庫落ちしたら買おうと思います☆
    手元にずっと置いておきたい、そんな小説です。

    彩坂美月さんの他の作品も読んでみようと思います(・ω・´)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「タイトルに惹かれて読み始め」
      ホント、なかなか良いタイトルですね。表紙のイラストもタイトル同様の雰囲気を湛えていて良いですね!
      私も読んで...
      「タイトルに惹かれて読み始め」
      ホント、なかなか良いタイトルですね。表紙のイラストもタイトル同様の雰囲気を湛えていて良いですね!
      私も読んでみようかな。。。
      2013/04/08
  • タイトルと表紙で衝動借り。作家のファンサイトを介して企画されたミステリーツアー。そこでいろいろ不穏な出来事が起こっちゃうお話。何を語ってもネタバレになっちゃう気もする。後半は先が気になって一気読みでした。初めての作家さんだったけど、他の作品も読んでみたいな。こんなミステリーツアーのお誘いが来たら、私ならどうするかな。日常にクサクサしてたら参加しちゃうかもな。

  • やはり推理もの、ミステリーものはおもしろい。こちらはとても読みやすく、ぐいぐい読めた。いろんな展開を想像しながら、小説の中に入り込めた。
    登場人物が多いのが苦手なのだが、こちらは丁寧に読めばすぐ理解できた。
    読んだ後も、嫌な気持ちになることはなく、読んでよかったなーと思える一冊だった。

  • 現実で推理劇を演じる、というのが面白かった。
    スリル満点。

  • かわらないこころは存在すると思いますか?

    ー存在すると思います。

  • 久しぶりに自分の中でヒットした本です。よくあるような設定かもしれないけれど、登場人物もみんな割りと個性的だったし面白かったです。ミステリーな部分も良かったけれど、個人的に美咲とその家族について描かれていたところも好きです。

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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