猫は忘れない (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.41
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本棚登録 : 180
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092397

作品紹介・あらすじ

知り合いのスナックママ、ミーナから、旅行中の飼い猫の世話を頼まれた"俺"は、餌やりに訪れたマンションで、変わり果てた姿となった彼女を発見する。行きがかりから猫のナナを引き取り、犯人捜しを始めた"俺"は、彼女の過去を遡るうちに意外な人物と遭遇、事件は予想外の方向へと進展するが…猫との暮らしにとまどいながらも、"俺"はミーナの仇を取るためにススキノの街を走り抜ける。ススキノ探偵シリーズ第12作。

感想・レビュー・書評

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  • 俺シリーズが出ていたこと、全く気付かなかった。
    いっときの駄目な時期からは脱出している感じで、今回も出来よい。
    とくに、俺の行動・会話がハードボイルドの雰囲気を出してきていて、
    今回の中盤の静かな流れは、とてもよかったぞ。
    ミステリーとしても今回の犯人は、ぎょっというか、この作者らしいというかグロさありで、これまたグッド。

  • ススキノ探偵シリーズ。もう12作目だそうだ。ストーリー的には大したことない。謎はミーナを殺したのは誰か、のみ。まぁミーナはどんな人間だったのか、とか、ソウルに一緒に行く予定だった山越とは誰か、とかもあるけど。最後の謎解きが種谷の話でとんとん進むのはちょっとつまんないと思う。しかし西村は怪しいと思ってたけど、まさかねぇ。女が男のふりをして生きていくなんてあり得るのか。あの湿布の袋に入ってた手紙は山越が書いたってこと?しかしこのシリーズは誤植が多いと思う。期待されてないからチェックが甘いのか。もうシリーズとしての価値だね。松尾とか濱谷のおばちゃんとかアキラさんとか桐原とか相田とかキャスト勢揃い。私も読み続けるだろうけど。とはいえ、意外と大勢の人が借りててびっくり。

  • 知り合いのスナックママ、ミーナから、旅行中の飼い猫の世話を頼まれた“俺”は、餌やりに訪れたマンションで、変わり果てた姿となった彼女を発見する。
    行きがかりから猫のナナを引き取り、犯人捜しを始めた“俺”は、彼女の過去を遡るうちに意外な人物と遭遇、事件は予想外の方向へと進展するが…
    猫との暮らしにとまどいながらも、“俺”はミーナの仇を取るためにススキノの街を走り抜ける。
    (アマゾンより引用)

    怪しいと睨んでた人がやっぱり怪しかったけど、意外な展開だった。
    面白かった。

  • 2017.3.31

  • 2014.6.12ー40
    東直己6冊目。
    50半ばとなった俺のナナとの会話に癒されつつ、あっと言う間に完了。

  • 俺も50かぁ、と声に出して言いたくなる。
    時間が流れているなぁ。

    お酒ばっか飲んでるのも相変わらずだけど、
    人に対しての真面目さは相変わらず。
    今回は猫に対しても真面目だった。
    好きなのね、猫って感じ。

    高田氏も同じように歳とってるはずなのに
    軽やかなイメージだなぁ。

    そして、楽しみに楽しみにゆっくりゆっくり
    読んでいたこのシリーズ、
    追いついてしまった。

  • ススキノ探偵シリーズ十二作目。

    あからさまに怪しい人物がいるな~と思ったたけれども、
    まさか性別を変えているとは思わなかった。
    いくら何でも一緒に酒飲んだら気付きそう。

  • 現在刊行されているススキノ探偵シリーズ読破。年齢と共に段々だらしなくなっていく俺。多分作者の実体験なんだろうなあ。もしかして認知症始まってるの〜〜?(^=^;とか思っちゃったり(笑)
    文字だけではいまいち想像できないが相当体型もだらしなくなってる雰囲気が(笑)

    人間の本質なんてよく分からないもんですね。
    焼き鳥の関係者は登場の仕方が怪し過ぎて事件関係者だって丸わかりだった(^=^;

  • ススキノ探偵シリーズ。

    知り合いのミーナから旅行中の猫の世話を頼まれた。
    だが猫の世話をしようとして、ミーナの遺体を発見しちゃう(笑)。

    で、とりあえず犯人を捜そうとするんだけど相変わらずの飲みっぷり。

    華じゃないけどそろそろ心配です(笑)。

    ただの酔っ払いふらふらオヤジがモテるのがイマイチ納得いかないけど、 世の中意外とそういうもんですな(笑)

    俺が北大に在籍していた頃のお話『半端者』を読んでますます楽しめる本シリーズ。
    「失楽園」を原書で読む自主ゼミに参加していた高田の友人とかでてきてニヤリ。

  •  すすきの探偵シリーズは、ちょっと前に昔の話に戻ってしかも文庫化、として話題になった『半端者』が間に挟まったせいか、最近の年取った方の「俺」がどんなだったか失念してしまい、読み始めのあたり、妙に久しぶりのシリーズだなあとの感が強かった。

     今回は、探偵の動機らしい動機が薄いのだが、何せ死体を発見してしまったというのが最初の動機である。さらにその死体である美人スナック・ママは旅行に行くと言い置いて、「俺」に猫を預けていたのだ。便利屋だから、探偵だけが商売ではない、ということを思い出させる出だしである。

     さて、今回は部屋に戻るたびに猫の気配を濃厚にまとわせながら小説は進む。

     作品はいつものように毒々しい悪の気配を匂わせながら、犯罪の底深さを描く主筋とともに、主人公の「俺」らしさをいつものように描き続ける。主人公の「俺」はいまだに携帯を持たず、行きつけのバーである<ケラー>を連絡先とし、その<ケラー>のカウンターに座ると、マスターはピースの缶とサクロンを出してくる。

     アキラさんの店というところでは飲んだくれた店主アキラさんがひっくり返って床に倒れているし、空手家の高田の店はメニューに凝っており女の子も綺麗であるらしい。ママはきれいだが店の女の子は「バレンタイン」などと酒の名前を覚えていないのが<ラグジュアリー寛ぎスポット/ラウンジ ゆり>。素人の教員上がりが間違えて出してしまった<喋りバー>。そして目下「俺」の恋人である華の店。いろいろな風変わりな店がカラフルに入れ代わり立ち代わり出てくるし、いろいろな人種が出てきてそれぞれにその人の人生が用意されてのもこのシリーズの独特な売りであり、それはすべてのハードボイルドのシリーズに共通のものであるかもしれない。

     便利屋探偵はあいかわらずのペースで酒を飲むが、事件はより錯綜を含めてゆき、時代はより捻じ曲がった方向に向かっているような気がする。意外性のある犯人像というのはこの人の小説では珍しいのだが、最近はすべてが珍しい話ばかりになっている。巷のリアルな事件さえもが。それを思うと誠実に時代をなぞっていることになるのかな、東直己という作家は。

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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