機龍警察 自爆条項  (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 270
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092410

感想・レビュー・書評

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  • 機龍警察第二作。相変わらずSFなのかミステリーなのかはっきりしない。他の方のコメントにもあるように過去の描写のほうが比較的よかった。相変わらず終わり方が”つづく”という感じ。<敵>って日本にそんな世界的な人たちを手玉に取れるような人がいるの?三作目どうしよう?

  • 機龍警察シリーズ第二弾。要人暗殺のため日本に潜入したアイルランドテロリストVs警視庁特捜部。龍機兵搭乗員〈ライザ〉の過去と現在が交差することで、前作以上の重厚なストーリー構成。ラストの首都高速での戦闘シーンの迫力‼ そしてテロリストの真の目的とは⁉ とにかく面白すぎ‼ 次作も超期待。

  • なぜライザはテロリストになったのか、その部分が中心となり、
    物語が紡がれます。
    これからライザと緑はどうなっていくのでしょう。
    誰かが明確に救われたわけではないのに読後感がとてもいいです。
    希望というか、変化を感じたから爽やかに感じるのでしょうか。

    派手な事件が起きる小説はいいものですね。胸が躍ります。
    どんどん爆発して欲しいと思いました。映画で観たいものです。
    動的な場面だけでなく、静かな場面も良かったです。
    政治絡みで人々が暗躍し、先が全く見えませんでした。
    沖津さんと馮さんが冗談をまじえつつ、
    会話するシーンは読みごたえがありました。
    登場人物がいいです。
    沖津さんは一体何者なのでしょう。
    誰も知らないところへ飛ばされていたとは?
    「敵」についても何か掴んでいそうで、とても気になります!
    それにしても、姿は和ませてくれますね。
    硬い文章の中に、姿の冗談が混じると何だかホッとします。
    そして、仲間ではないかもしれないけれど、
    彼らの中に確かな絆を感じました。

  •  文庫の方で読了。
     ラードナー警部の過去篇が……雨が痛い……。

     鈴石主任とミリーが重なりすぎて若干のあざとさを感じながらも茫然とするラードナー警部に悶え転がってしまったので☆4つ。
     これラストの夢の島公園のシーンの続きは暗黒市場で読めるんですよねそうですよね。
     

  • 未読だった第2作をようやく読了。
    過去のパートが現在のパート以上に魅力的なのは、3作目と同様でした。
    冒険小説好きにはたまりません。
    ろう学校が出てきた段階で、私には珍しく落ちが見えてしまったので、星マイナス1つ。

  • 機龍警察シリーズ、第2弾です。
    前作は物語としてはやや単調でしたが、今作はページ数も増え、メインキャラの1人であるライザの過去に踏み込んだ内容になっていて読み応えがありました。
    クライマックスがそれを踏まえた上での特捜部とテロリストの攻防になっていたのもよかったです。

  • アニメ化されてもおかしくない
    警察小説とロボット物がうまく融合

  • シリーズ第2弾、もう完全に心を鷲づかみにれてしまった。スゴイ!素晴らしい!あ~早く続きが読みたい!


    機龍兵というSFガジェットを登場させてSF的ではあるけれどガチな警察小説です。第1弾では機龍兵の搭乗員(3人いる)の元傭兵姿警部を軸として、主要人物の紹介にもページが多々割かれており、正体の見えない「敵」との前哨戦ともいえた。今回メインで描かれるのはライザ・ラードナー警部(3人いる搭乗員の紅一点)彼女は元IRF(IRAより派生した架空の組織)のテロリスト、死神の異名をとる彼女の出自、過去が物語の主軸と並行して語られる。


    鉄面皮の風貌に、灰色がかった金髪、驚異的戦闘能力、愛用の銃の由来、彼女の過去はベルファスト~シリア~ロンドンと飛翔する。己の有り様に決定的な打撃を被り、組織と袂を分かつまで、重く深く彼女の内面に切り込み、読者へ訴える。そこには運命に抗えなかったヒロイズムなどではなく、ただただ事実を、テロリストへの道を辿るしかなかった彼女の弱さを露呈しているように思えた。実際気の毒にも思うのだけど…


    しかしライザパートにおける様々な事象が伏線となってラストに繋がるのには驚いた。本筋における警察組織において特捜部が受ける差別軋轢、その中から懸命なる捜査でホシを追い詰めていく過程、腹の探りあい、サスペンスどれもが絡み合ってラストにおける一大アクションへと収束する。ミステリ的構成においても非常に完成度は高いと思う。


    ライザと対比する形で鈴石緑警部補が登場する。彼女はIRFの起こしたテロで家族全員を亡くしている。テロを憎みライザにも不信を抱きつつも彼女が登場する機龍兵バンシーを心を込めてメンテする。そんな彼女の葛藤も丁寧に描き、彼女の父が遺した書とライザ縁の書を同期させることによって彼女らの距離感を、心のベクトルをやや近づけていくことに成功していたと思う。ラストにおいて絶体絶命のライザに対して鈴石警部補が叫ぶシーンは本作のハイライトシーンであったと思う。


    かくて冷血の死神たるライザの鉄面皮が剥がれ落ちていこうとするが、彼女がその結果得るモノは強さか?弱さか?今後が非常に楽しみである。最後にタイトル「自爆条項」の意も明らかになる、これも次への大きな伏線であると感じた。次にスポットが当たるのは最後の搭乗員ユーリ・ゴドノフ警部か?そして彼と対面して描かれるのは由紀谷警部補か?ん~~~楽しみだ!ちなみに由紀谷警部補は捜査陣の中でも一番気になってる。


    とにかく続きよ!早く~~~~なのです。

  • 近未来警察小説。人型ロボット(龍機兵)を使うところがSFちっくだが、あとは佐々木譲なんかとあんまり変わらない。龍機兵搭乗員であるライザにスポットをあてた展開だが少~し長い?でも重い、重すぎる設定。最後の首都高を舞台にした龍機兵同士のバトルはエンタメ感抜群!これからのライザと緑の関係を予感させる静かなラストがいい。まだまだ続編がありそうで楽しみ。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.6.5読了

    面白いと思う。

    読み出しからしばらくは、名詞の多い、読みにくい文章で、途中で止めようかと思うぐらいだったが、だんだん引き込まれていって、読みにくい文章も、気にならなくなった。

    ただ、やはり小説としては盛り込み過ぎで、その分、警察の内面にしても、特捜部の人員にしても、書き込みが浅くなってしまった。ライザに関しては、かなり良く書けていると思うが、その世界を出すためには、他がジャマである。
    あるいは、ライザをサラッとにして、近未来の警察小説の方が、面白かったかもしれない。

    盛り込み過ぎのことや、場面の切り替えや活劇シーンなど、作者の出自を考えると、やはりアニメ作品の脚本のようだ。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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