それをお金で買いますか――市場主義の限界

制作 : 鬼澤 忍 
  • 早川書房
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本棚登録 : 1875
レビュー : 232
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092847

感想・レビュー・書評

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  • こうした倫理をみんなで身につけたいですね。
    市場主義経済の限界を感じました。

  • 非常に良くまとまっており、面白かった。特に市場と道徳といったタイムリーな話題が扱われており、どちらを重視すべきかについて議論が非常に鮮やかに行われている。

  • 一言で言うと面白い。
    倫理的にお金で買っても良いものかというものの例を提示する。
    例えば、医者で並ばずに診察できる権利や病人や高齢者の生命保険買って、彼らが生きている間は年間保険料払い、死んだ時に死亡給付金を受け取る権利など。
    この本を読んだ人同士で自分の立場を議論すると面白いと思う。

  • いまやあらゆる場に進出してきている市場の限界について、マイケル・サンデル教授が書いた一冊です。自分の考え方に期せずして市場原理主義的なところが少なくないことに気付かされました。

    あらゆるものに金銭的価値を与え、市場で取引されるようになってきた現代に、何がその潮流に抵抗し、何が原因でその「市場原理主義」がうまくいかなくなっているのかを実に鮮やかに説明してくれていると思います。
    個人的に民営化というテーマでいろいろ調べているタイミングだったので、かなり参考になりました。

    市場で取引されるべきもの、そうでないものの区別、あるいは広告の入り込む場所に制限を設けるべきか否か、ボランティア事業にお金を出すことで効用が減少した事例など、非常に興味深いです。
    一見当たり前に思える事例から深く考え込まされる事例までの展開は見事ですし、「これから~」でサンデル教授の著作に興味を持たれた方なら、期待は裏切られないと思います。今回はよりダイレクトに経済と道徳の関わりという問題を取り扱っているので、身近にも感じられます。
    今日本でも市場原理主義の動きは衰えていないようなので…ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です

  • 「正義を語ろう」よりももっと直接的に、自由主義・市場主義を批判している書。一つの思想として、相変わらず興味深い。資本主義社会における「イノベーション」は社会の利便性を向上させるのみならず、既存の価値観を常に変革(もしくは破壊)していくものでもあること、そしてその絶えざる変革に対して、伝統的な「道徳」の観点から保守的な批判を行うサンデル、という図式が明確になったように思う。この新たな革新と保守の構造は、今後の人類の歴史にどう影響を及ぼすだろうか。

    しかし、こうした反市場主義の論説は、具体的な施策に欠けるのが難点だ。この本でも、市場主義の批判に徹底してはいるが、「じゃあどうすればいいのか」という問にはほとんど答えられていない。善き生とは何かみんなで議論しよう、というだけでは説得力に欠ける。同じく資本主義批判の文脈で、モースの「贈与論」を引き合いにだす論説に対しても、同様の物足りなさを抱いたことを喚起させられた。

  • 昨今の某企業の態度や生活保護の話をみて何でこうなるんだろう、と考える事があるけど、それに対する一つの回答。

    お金は生きるためには必要であるが衛生要因であるかな、と自分は考えている。

    心の奥底にある尊厳が経済合理性や資本主義の趨勢により薄れてしまいがちであるけど、どこかで留めておかねばならない要素であることは否定出来ない。

    その尺度というかバランス感覚について改めて考えさせられる本です。

  • 何でもお金で取引する=市場主義の導入が良いことなのだろうか、という疑問。たとえば、結婚式のスピーチを代行で考えてくれる会社に、原稿を依頼すること。これは友情をお金で買っている様に見える。こういったことまでお金で取引してよいのだろうか、というのがテーマ。

    これまで道徳的議論が行われていた領域に、市場主義を新たに持ち込むと、道徳的観点から金銭的観点に問題が変質し、(道徳的には許されないが)お金で解決されるならそれでよいか、という考えに人々が染まっていくことが大きな懸念である。

    本来道徳的に節度を持つ事が人として大切なのであって、なんでもかんでも市場主義に任せればよいものではない。

    本書ではアメリカの市場主義によって問題が変質した事例が多数紹介されていた。市場主義が至る所に拡大が進んでいるのが不気味に思えた。

  • 相変わらず分かりやすい例ではあるものの、それが長過ぎて結論が見えにくくなっているのが残念。

    結論自体は序章で出ていて、最後まで読んでも「そうですか」くらいの感想しか出なかった。

  • 『正義』のほうを読んでないでこっちを読むのは邪道なのかもしれないが、結果的にはあまり関係ないだろうと思うことにして。
    おカネで取引されることが問題になるものの題材として、行列に割り込む権利、インセンティブ、生命保険の二次市場(バイアティカル、ライフセトルメント)、命名権を挙げて議論している。
    おカネで取引されるようになった場合の問題点としてのキーワードは、「不公正」と「腐敗」。(英語ではなんて書いてるんだろう)
    「不公正」とは、(本来全員へ向けたサービスであるにも関わらず)おカネを払えない人がサービスを受けられないこと、「腐敗」とは、市場論理が持ち込まれることによってその制度やサービス本来の意味が失われてしまうこと、かな。
    特に「腐敗」がポイント。ダフ屋や生命保険の二次市場になんとなく感じる双方承諾の上の取引だから問題はないけど…という違和感を説明してくれる。
    人々の倫理は市場の侵略を止められるのだろうか。もっと市場化が進んでいくのだろうか。

  • 書いてあることは言われてみれば当たり前、けれど内容のように考えたことはなかった

    年々お金で買えるものが増えてきている、しかしその中にはどうしても認められないものが多々ある

    それは市場に道徳が介入しているから、感情を経済から追い出すことはできない、そうこれこそ市場の限界なんやろうなぁ

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