ならずものがやってくる

制作 : Jennifer Egan  谷崎 由依 
  • 早川書房
3.68
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本棚登録 : 255
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093233

作品紹介・あらすじ

元パンクロッカーで、現在は有名音楽プロデューサーとなったベニー。そして、有能きわまりないが、盗癖を持つその助手のサーシャ。二人がたどる人生は、ささやかな波瀾に満ちていて…。二人からはじまった物語は、それぞれに抱える過去にさかのぼり、彼らと関わった人々につながっていく。ニューヨーク、サンフランシスコ、アフリカ、ナポリと舞台を移し、過去から未来まで自在に行き来しながら描き出されるさまざまな人生の断片は、はたしてどこに行きつくのか。胸を打つ詩情と圧倒的な筆力でアメリカ文学界を席巻した傑作長篇。ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞、ロサンゼルス・タイムズ文学賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 以前、三浦しをんさんが紹介していた本。
    一つ一つ別の人物を主に書かれていて、短編集のような印象を受ける。だが、それぞれの話は繋がっていて時間も越えて紡がれている。各話がまるでその主人公が実際語っているかのような文章で、興味深かった。

  • 主人公も時代も章毎に変わっていく。いろんな目線、いろんな時代から物語が紡がれていく。
    視点が変わるため、この人どうなったのだろうと思った人物の未来がかなり淡々と描かれる。ハイライトとも思えるスコッティのライブすら、主人公がアレックスなのでドラマティックにはならなかった。
    淡々と読んだ。引き込まれたという感じはなかった。いろいろなことがありつつも、こんな風に人生って過ぎてくよなぁと、ぼんやりと思いながら読み終わった。

  • 図書館で借りた本。音楽プロデューサーとその助手の女性。女性は盗癖がある。この男女に関わる人々との思い出話を主人公を変えながら現在過去未来と時間軸を移し、短編章ごとに話が進み、最後はパズルのピースが埋まるように繋がる小説。途中パワーポイントを使って書いた章があり、表で文字を読ませるとは、ビックリした手法だった。ならずものの正体が時間だと分かった時は感動と同時に切なさも感じた。歳を取るとはそういう事でもあるだろう。

  • 少しずつ繋がった登場人物達の連作短編集、なのだけど、同時代の横の繋がりだけでなく時間を遡っての縦の繋がりと織り上げられていき、まるで大きな河の流れを見るようだった。
    作者の凄まじい手腕。
    タイトルの「ならずもの」が何なのかわかった時には涙が出た。
    とてもシビアだけれど、読後感はすっきり。

  • 最近、新しい作家のアイデアや感性を味わうのが楽しい。もともと古典が大好きなのだが、新しい本を読まなくてはならないね。本書にはパワーポイント小説まで挿入されている。このアイデアたるや。
    内容は音楽プロデューサーのルーを共通人物として、友人、仕事仲間、家族など近いまたは遠い関係の人々が、時間と場所を変え、人称を変え、語り口も変えつつ、異なる物語を紡いでいく。それぞれは独立しており、完成度の高い短編集のようだ。巧みな構成力と物語。ただ、通勤で細切れに読んでいると、それぞれの登場人物の関連がフォローしきれなかった。読み終わって再度ぱらぱらと読み返すと、もやっとした部分がパズルのようにはまった。
    主人公はルーでも、関係者の誰か一人でもない、「ならずもの」であるところの「時間」なんだろう。容赦なく人を老いさせる時間、その中で小さな希望を抱きつつ歩いていく人間たちを俯瞰する。

  • この手の本を読むには年をとりすぎているのかもしれない。
    なんとなく、そんな思いが浮かんできてしまった。

  • ブルータス

  • いくつもの短編が連なることで長編としても捉えられる作品。各短編の主人公と登場人物が時間や場所が異なりつつ繋がっている。文体や手法を変え実験的な趣きもある。(パワーポイントだけで構成したものも)人物描写が丁寧な印象。

  • ルイス・シャイナー著「グリンプス」がお好きな方なら、という紹介を聞き、ずっと読みたかった本。
    でも、「グリンプス」は完全に音楽マニア受けする作品だったことに対し、こちらはレコード業界に憧れている人向けではないかと思った。
    ただ文学としてはこちらの方がより深く、読ませてくれる作品となっている。全体の構成としては、連作短編のようで過去・現在・未来が交錯し読む時間が確保できなかった私にとって読みにくかった。
    それでも、実在するバンド名や楽曲が取り入れられ、すっきりした読後感を得られた。

  • チャーリーとロルフの物語が好き。最後の、こっそりとロルフと呼んでいる息子が見せる「あのとき空を見上げていた夢見るような表情を見てとる」s-ン。その情景がはっきりと浮かんでじーんときた。
     レアとルーの会話も好き。「この世界に溢れてるクソッタレなやつらの言うことを聞くな。オレの言うことを聞いておけ」
    「あんたもそのクソッタレなひとりだ」でも、彼の言うことを聞いた。

    何年か後に読み直したら、また感じるところは違うんだろう。
    私があの日に、過去の瞬間を思い出したみたいに。未来のどこかで、今この瞬間が蘇るみたいに。
    何年たってもこのものがたりと一緒にいたい。そんなふうに思わせてくれる小説。

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