ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?

制作 : 友野典男(解説) 
  • 早川書房
4.21
  • (135)
  • (104)
  • (46)
  • (8)
  • (4)
本棚登録 : 1439
レビュー : 128
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093387

作品紹介・あらすじ

伝統的な人間観を根底から覆し心理学者にして、ノーベル経済学賞に輝いた著者の代表作。待望の邦訳。私たちは日々、無数の意思決定をなかば自動的に行なっている。カーネマンは、直感的、感情的な「速い思考(システム1)」と意識的、論理的な「遅い思考(システム2)」の比喩をたくみに使いながら、意思決定の仕組みを解き明かし、私たちの判断がいかに錯覚の影響を受けているかを浮き彫りにしていく。人間はこれまで考えられていた以上に不合理なのだ-。プライベートやビジネス、政治における、よりよい決断への道筋を示し、あなたの人間観、世界観を一変させる、21世紀に生きるすべての人、必読のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間はシステム1により、直感的な判断をせざるを得ない。しかし、その判断は正しくない場合があり、ヒューリスティクスの誤用や平均への回帰を無視してしまう。
    また、自分の専門的な分野での決定では過剰な自信が現れ、アルゴリズムよりも低い精度になってしまう。
    自信過剰にならず、錯覚を起こさず(起こしてもそれを認識できるようにし)、統計的な手法を重視して意思決定を行なっていきたい。

  • 2002 年にノーベル経済学賞を受賞した心理学者カーネマンの著書である。本書では、私たちの意思決定過程に係わる様々な心理的要因が取り上げられており、いかに私たちが無意識的な心理プロセスに気づいていないかを気づかせてくれる。多くの実験内容が具体的に例示されているので、体験を通じて、「人間」について新たな視点をもつ機会を提供してくれる。
    (選定年度:2017~)

  • プロスペクト理論をつくり行動経済学を開拓したカーネマン教授が認知的錯覚について解説した歯応えがある本。
    各分野で絶賛されてて社会科学の分野では必ず参照される古典になるとかなんとか。そんな大袈裟なーと思って手に取ってみたが確かにえらい本です。



    まず、人の行動心理や脳の働きを2つの仮想キャラクター(システム1=速い思考とシステム2=遅い思考)で想定する。これを元に特にシステム1の直感や無意識を重点に解説しつつ人間の意思決定時の不合理な思考・行動(ヒューリスティック=安易な解決法とバイアス=系統的エラー)を解明していく内容。

    この解明が面白い。

    さまざまな実証研究や心理実験を読むだけでも人間の認知をめぐる奥深さが知れて興味深い。有益な内容で幅広い層に読まれるべき1冊でしょう。

  • 直感と論理的思考について学べる。人によっては、新しさを感じない場合もあるかもしれません。

  • 行動経済学に興味がある人ならきっと聞いたことのある本であるし、そうでなくとも、出てくる話や実験をどこかで耳にしたことがある人は少なくないはず。
    でも、そんなことは抜きにぜひ読んでほしい一冊。掛け値なしに面白い。

    直感や熟考といった私たちの様々な思考の形態が、実際のところどんな働きをしているのか。
    数々のユーモアあふれる実験結果とともに、筆者が紐解いてくれる。
    読み進めるうちに、自分の身近な例で思い当たることも色々と出てきて、より引き込まれるだろう。

    余談だが、上下巻としてもかなりのページ数と文章量があり、正直なところ物理的にそれなりに重い。
    比較的平易な翻訳がされているので、手段があるならオーディオブックを探して聞くのも有効な手かと。
    ※自分は上巻途中から耳に切り替え

  • 自分で決定してると思っていることの、なんと無意識の気分(システム1)に誘導されていることが多いんだろう!本書をよむと、いかに直感がでたらめなのかよく分かる。迷ったら直感に従うことを心情にしてる人こそ読むべき。

  • 速い思考と遅い思考
    衝動的で直感的なシステム1
    論理的思考能力を備えたシステム2
    私たちを誘導するプライム
    慣れ親しんだものが好き
    認知容易性
    自分が見たものがすべて
    確証バイアス
    ハロー効果
    日常モニタリング
    レベル合わせ
    置き換えとヒューリスティクス
    少数の法則、統計に関する直感
    アンカー、数字による暗示
    利用可能性カスケード
    代表制ヒューリスティクス
    平均への回帰
    後知恵とハロー効果
    直感とアルゴリズム

  • 私たちの「意思」はどのように決まるのか? そして「直感」はどれほど正しいのか? 心理学者にしてノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが、直感的・感情的な「速い(ファストな)思考」(システム1)と、意識的・論理的な「遅い(スローな)思考」(システム2)の比喩をたくみに使いながら、意思決定の仕組みを解き明かし、私たちの判断がいかに錯覚の影響を受けているかを浮き彫りにしていく。

    第1部 二つのシステム
     1章 登場するキャラクター
     2章 注意と努力
     3章 怠け者のコントローラー
     4章 連想マシン
     5章 認知容易性
     6章 基準、驚き、因果関係
     7章 結論に飛びつくマシン
     8章 判断はこう下される
     9章 より簡単な質問に答える
    第2部 ヒューリスティクスとバイアス
     10章 少数の法則
     11章 アンカー
     12章 利用可能性ヒューリスティック
     13章 利用可能性、感情、リスク
     14章 トム・Wの専攻
     15章 リンダ
     16章 原因と統計
     17章 平均への回帰
     18章 直感的予測の修正
    第3部 自信過剰
     19章 わかったつもり
     20章 妥当性の錯覚
     21章 直感 対 アルゴリズム

  • プライミング効果
    確証バイアス
    ハロー効果
    メンタル・ショットガン
    質問の置き換え
    少数の法則
    アンカリング効果
    利用可能性ヒューリスティック
    代表性ヒューリスティック
    基準率
    平均回帰
    後知恵バイアス
    妥当性の錯覚

    これらがキーワード。

    システム1、システム2の働きを理解した上で、認知のエラーを見越して直感に頼らずデータから読み取ることが大切だと学んだ。、

  • 行動経済学の基礎となるプロスペクト理論の提唱者の手になる,現実における経済主体としての個人の振る舞いを説いた本.上巻は理論の基礎をなす,人間の特質として見られる思考の2つのシステムについて解説する.タイトルだと脳の仕組みから説明を試みているような印象もあるが,ここで挙げられている2つのシステムは,行動に対して,こうしたモジュールがあれば説明できるという基盤で提唱されているトップダウン的なもので,それがどのような作用に由来するかという,ボトムアップ的な,脳神経科学からの裏付けはない点には留意が必要.これまで体得している知識や経験に基づいて,無意識で瞬時に判断を下すシステム1だが,実際には知識や経験を記憶する段階でも無意識に取捨選択や歪曲が行われていること,また問いのほうを答えやすいものにすり替えてしまうことがあり,本質的にバイアスを抱えている.一方システム2は地道な論理的思考や数的処理などを担うものの,遅い上に労力がかかることから,システム1を必ずしも適切に統御することができない.総じて個々の場面でバイアスを修正するためには,それが可能な分野においてシステム1が正しく判断を下せるようにスキルの研鑽を積むと共に,システム2を稼働させる気力と強い意志が不可欠というところか.ただ,人の職業を推測する問題で,基準率が与えられた上に本人の特徴情報が加えられたとき,それを判断基準に入れてはいけないという部分は,ステレオタイプだとしても,根拠がある情報であればそれは判断に含めていいのでは,と考えられ,すぐには首肯しかねた.

全128件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

心理学者。プリンストン大学名誉教授。2002年ノーベル経済学賞受賞(心理学的研究から得られた洞察を経済学に統合した功績による)。
1934年、テル・アビブ(現イスラエル)に生まれへ移住。ヘブライ大学で学ぶ。専攻は心理学、副専攻は数学。イスラエルでの兵役を務めたのち、米国へ留学。カリフォルニア大学バークレー校で博士号(心理学)取得。その後、人間が不確実な状況下で下す判断・意思決定に関する研究を行い、その研究が行動経済学の誕生とノーベル賞受賞につながる。近年は、人間の満足度(幸福度)を測定しその向上をはかるための研究を行なっている。著作多数。より詳しくは本文第2章「自伝」および年譜を参照。

「2011年 『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ダニエル・カーネマンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
クリス・アンダー...
佐藤 優
シーナ・アイエン...
ヨルゲン・ランダ...
ウォルター・アイ...
ジェームス W....
有効な右矢印 無効な右矢印

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?を本棚に登録しているひと

ツイートする
×