- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152093417
作品紹介・あらすじ
ビジネスや政治の場にごまかしを持ちこませず、プライベートでも嘘のない関係を作るためのヒント満載。わかりやすい実例といくつもの実験で、不正と意思決定の秘密を解き明かす。
感想・レビュー・書評
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人は、ズルをすることによって出来るだけ利益を得たいが、同時に自らのことを道徳的な素晴らしい人間だと思いたい。そこで、この二つの動機づけの折り合いがつく(自分で折り合いがつけられると判断する)範囲、つまり、肯定的なセルフイメージを壊さない範囲でズルをし利益を求めることになる。これが、不正が行われる原理として筆者が唱える「つじつま合わせ仮説」である。本書ではこの仮説が実験により得られた結果を用いて様々な面から考察されており、非常に説得力があると感じた。
署名や監視、(呼び起こされた)道徳心は不正を減らす方向に働き、自制心の消耗や他人のズルを目撃すること、また他人が自らのズルによって得る利益への考慮は不正を促進する。その一方で、ズルから得られる金額や捕まる確率は不正の度合いに影響を及ぼさないことが実験から確かめられたが、この一見不思議な結果も「つじつま合わせ仮説」によって容易に説明できる。すなわち、不正から得られる金額が多くなるほど自己正当化が難しくなり、捕まる確率の大小は自己正当化の容易さに関係しないからだ。
自分が如何に日常的にズルをし、しかもずる賢くその行為を正当化しているかに気づかされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
家庭や社会において、我々はどのようなメカニズムで不正に手を染めてしまうのか―――人間の業とも言える「嘘」や「ごまかし」を行動経済学の視点から考察し、効果的な予防方法を様々な実験により検証した貴重なレポート。
罪を罪と認識させる、嘘をつかないことを宣誓させる、前例を作らない、大義名分を与えない、罰則の強化はあまり効果がないなど、興味深い実験データ満載だ。
誰かが自分に向けた不正を見極めるため、あるいは社会に対して無意識に不正を行いたくなる自分を律するため、役立つ書籍になるかもしれない。
ただこの本を読んで最も困難だと感じたのは、自分が自分に対して行う不正についてである。
例えば・・・ダイエット中なんだけど、超人気スイーツが半額で売り出してる・・・とか。
例えば・・・今日は酒飲まないと決心したが、冷蔵庫にお刺身と吟醸酒を見つけた・・・とか。
あなたは誘惑に耐えられますか? 固い決心に対するちょっとした不正を、拒み続けることができますか? -
創造性が高い人ほどごかましが多い、偽ブランドを身につけるとずるしやすくなる…。わかりやすい実例といくつもの実験で、不正と意思決定の秘密を解き明かす。ビジネスや政治の場にごまかしを持ち込ませないヒントが満載。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40176331 -
人はバレない程度のずるは悪気なくしてしまうということがよく分かった。
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「予想どおりに不合理」のダン・アリエリー教授のノンフィクション。
人はどのようなときにズルをしやすくなるのか、どのようなときにズルをしにくくなるのかについて、ユニークな社会科学実験をとおして仮説を展開。
引用されている実験が本当におもしろい。よくもまあ次々とこんな実験を思いつくものだ。社会科学者は創造力が必要な職業なのだと思う。
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マイク・アダムスは数年にわたってデータを収集し、祖母が亡くなる確率が、中間試験の前は10倍、期末試験の前には19倍にも跳ねあがることを示した。
おまけに、成績が芳しくない学生の祖母は、さらに高い危険にさらされていた。
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疲れと不正についての論を展開し、この段落を「ともあれ、世の中の祖母たちに告ぐ。期末試験のシーズンには、お体を大切に。」で結ぶユーモアがこの本全体をあらわしていると思う。おもしろいことは真顔で言うほうがおもしろいのだ。
メモ
つじつまあわせ係数(fudge factor) -
ほんと一握りの人以外、人は多かれ少なかれ何かのズルをしてしまう。それにはパーソナリティや環境が複雑に関わっている。人のずるは汚いなぁと思うけど、自分も自分が許せる、正当化できる範囲内でずるをしてる。どうしたらずるをしないか、ちょっとだけしれた気がする。
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ずる(不正)がおこらない仕組みを考えるのに役に立った。
アンケートは、サインを先にさせると、ウソを書きにくい
にせものを身に着けているとずるをしやすい
不正は感染する(皆がしていると自分も、と)
少しの不正を皆がしている。その損失が大きい・・・確かに、皆、小さな不正は不正と思っていないような。不正の誘惑を断つ仕組みも必要。 -
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