大いなる眠り

  • 早川書房
3.69
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本棚登録 : 516
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093424

感想・レビュー・書評

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  • ミステリなんだけどミステリ以外の要素が強くてミステリぽくない。
    ミステリ以外の要素ってなに?ってなると、マーロウの、男気、としか表現ができない心情に基づいての行動、に尽きる。

    2023.8.20
    133

  • いろんな殺人事件がひとつに絡み合っていく様子がスリリング。マーロウさんは相変わらずシニカルで、ちょっと荒っぽい(ロング・グッドバイより若いから?)。老人の「大いなる眠り」を汚さないよう、彼の自尊心を損なわないよう…美学の全部を使って行動してる。

  • 速読してしまったんだけど、このブラックジョークの数々、大人だと思う。

  • フィリップ・マーロウのシリーズ。登場人物どうしのつながりが見えて来るとどんどん話に吸い込まれていくのは、この作品も同じ。
    この作品は、男性よりも女性の登場人物が印象的なように思います。強烈なキャラクターの女性が多い。まぁ、マーロウの周りをうろつく(?)人たちはみんな一癖あるやつらだけど…。

    村上春樹の翻訳だけど、私はこの作品に関してはなんだか翻訳がぎこちないような気がしてしまって、どうにもちょっと残念です。いかにも翻訳調みたいな文体のように感じました。ふだん春樹訳の作品で文体が気になることはあまりないんだけどな。

  • 村上春樹・翻訳によるフィリップ・マロウ・シリーズの1作目。レイモンド・チャンドラの推理小説とは、主人公であるフィリップ・マロウが、推理を語らず、突如行動し、場面が変わるため、読んでいていささか付いていけない箇所がある。この本では謎が謎のまま終わり、雑然とした箇所があるが、そのアクの強いチャンドラ節が癖になる。

  • 読み損ねていたが、期待通りのおもしろさ。村上春樹の訳もわかりやすく、とても楽しくよまさせていただきました。

  • 語られている事よりも語られていない事に、この物語の本質があるような気がします。

  • ひさしぶりに本というものを半月かけてゆっくり読みました。

    なんだかこのところ以前より本に魅力を感じなくなってしまってまして。

    知識よりも実践の時期がきているんだということにしております。


    そんな中でどうしても買わずにはいられなかった一冊。

    村上春樹によるチャンドラーの新訳「大いなる眠り」

    村上春樹による翻訳は「ロンググッドバイ」「さよなら、愛しい人」「リトル・シスター」に続く4冊目。


    そしてレイモンド・チャンドラーがその後書き続けることになるフィリップ・マーロウを主人公にした一番最初の小説。

    たしかにロンググッドバイほどの凄みはないにしろ、じっくりゆったり面白く読めました。

    もちろん一番の楽しみは、一番最後のオマケ的要素である訳者あとがきだった訳ですが。笑

    翻訳し続けてきた村上さんの的確な分析が本編の面白みを最大限に魅力的なものに変えてくれます。


    それはそうと春はどこまでも眠いですね。

    本なんか手にしたらなお春眠暁を覚えずですわ。


    そんな眠い春に眠い一冊「大いなる眠り」はいかがでしょうか?

  • ハードボイルドは、成熟に向かう資本主義社会に特有の側面を切り取って有効に表現する形式であり、それは、現在もまだ有効であろうと思います。 マーロウシリーズの第一作ですが、二作以降と比べると、ハードボイルドの創始者のハメットにより近いハードさが目立つ印象を受けます。錯綜としたストーリーが、新しい時代の騒然とした雰囲気をよく現わしているように感じます。

  • 毎度お馴染みややこしいプロット、アイロニックな会話、詳細な描写、自由を貫いて事件をどこまでも追及するマーロウ
    良い文章を見ると音読したくなる癖があるのですが、村上春樹訳チャンドラーはいつも最初の一行目からもう読みあげてしまいます

著者プロフィール

Raymond Chandler
1888年シカゴ生まれの小説家・脚本家。
12歳で英国に渡り帰化。24歳で米国に戻る。作品は多彩なスラングが特徴の一つであるが、彼自身はアメリカン・イングリッシュを外国語のように学んだ、スラングなどを作品に使う場合慎重に吟味なければならなかった、と語っている。なお、米国籍に戻ったのは本作『ザ・ロング・グッドバイ』を発表した後のこと。
1933年にパルプ・マガジン『ブラック・マスク』に「脅迫者は撃たない」を寄稿して作家デビュー。1939年には長編『大いなる眠り』を発表し、私立探偵フィリップ・マーロウを生み出す。翌年には『さらば愛しき女よ』、1942年に『高い窓』、1943年に『湖中の女』、1949年に『かわいい女』、そして、1953年に『ザ・ロング・グッドバイ』を発表する。1958 年刊行の『プレイバック』を含め、長編は全て日本で翻訳されている。1959年、死去。

「2024年 『プレイバック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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