黒猫の薔薇あるいは時間飛行

著者 :
  • 早川書房
3.89
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本棚登録 : 640
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093431

作品紹介・あらすじ

黒猫の渡仏から半年。付き人はポオをテーマに博士論文に挑むが、つい黒猫のことを考えてしまう。そんなとき、作家綿谷埜枝の小説に「アッシャー家の崩壊」の構造を見出す。その小説を研究するには、一晩で消えた薔薇の謎を解く必要があるらしい。私が新たに出会ったひそやかな恋-。付き人と黒猫は、それぞれ美しい庭園で"時間"にまつわる謎に出会う。アガサ・クリスティー賞受賞作、シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 黒猫と呼ばれる男性と、その付き人の女性のお話。
    第三弾ですが、期待した割にはあっさりとした後味でよかったものの…。

    やはり、黒猫の講義は難しい(*_*;

    前回、黒猫はフランスへ旅立つ・・・そこで終わったが、
    今回は、
    黒猫がフランス、付き人が日本で謎を解いていく。

    黒猫と付き人の微妙な恋愛関係がまた好きです♪

  • 黒猫シリーズ3弾。
    このシリーズは前の2冊ともキラキラというかサラサラというか、、
    捉えどころのない『美学』の講義を中心にすえた胸キュンミステリーという
    印象でした。
    でも、この3冊目はストーリーも謎自体もすっきり入ってきて、
    分かりやすかった気がします。
    黒猫と付き人が遠く離れたままそれぞれの問題を、検証。
    時間、飛行というキーワードで解決させてゆく。
    読者は二人のピュアな関係に気をもみながら、美学の迷路で
    迷子にさせられて行くというい感じでした。

    またまた今後の二人の行方が気になります。
    読了直後、再びプロローグを読み返したり、
    花の名前をネットで検索しながら眺めたり。
    前の2冊が☆五つならこの本は☆七つぐらい。美しかった・・・

  • 黒猫シリーズ第3弾。そして、2016年200冊目!何を読もうか、迷ったけど、手元にあったこの作品に…前作で黒猫がフランスに渡り、今作では、日本で付き人が、フランスで黒猫が遭遇した不思議な出来事の謎に迫っていく。薔薇と時間がキーワードなのは、分かるし、非現実的なことを現実として解決していく訳だけど、何となく強引な感じがして、今作はあまり好きになれなかった。黒猫と付き人がアバターでやり取りするのも、好きじゃない。やっぱり2人揃っていた方が面白いけど、しばらくこんな感じなのかなぁ。

  • 実に洗練されたセンスで、文学はもとより古今の音楽から美学までの芸術論をたっぷりと盛り込んだぺダンチックなミステリで、これがシリーズ三作目にあたるという。

    出版リストの題名に惹かれて、初めて手に取ったのだけれど予想外の面白さ。語り手の「付き人」の立場から見ると、これはミステリというよりは、なかなか前へ進まぬラブ・ストーリーに思えてくるほど。

    iいささかスノッブで、うんちくたっぷりの芸術用語のオンパレードや小難しい言い回しの連発に閉口する向きもあるかも。

  • 黒猫と付き人が活躍する第三作目。

    今回は、前回離ればなれになった二人がそれぞれに謎を解いていくという流れになっている。

    どちらの謎にも、すれ違った愛が絡んで、主役の二人のすれ違いを、一層切ない気持ちにさせる。
    付き人のほうが、ひとつ吹っ切れたようにも思える最後に、今後の二人の関係の変化に期待。

    黒猫の美学講義は、相変わらず、難しいなあ。

  • 「講義」から「時間飛行」に変わったのはタイムトラベル物だから?

    早川書房のPR
    「フランスに渡った黒猫は、美学を極めるべく奮闘していた。一方、付き人は日本で「アッシャー家の崩壊」の研究に挑むが……ふたりがそれぞれに出会う“時を超えた恋”の物語。好評シリーズ第3弾」

  • 最後に「あああああ~」と頭をかかえてしまった。あれだけ薔薇の色について語ってきたのに、なんで目の前のそれに気づかないんだ、付き人よ(苦笑)。黒猫はかなりわかりやすくいろいろ示しているのに……。それにしても、今回はほろ苦いというか何と言うか。二人だけの時間は本当にかけがえのないものであるだけに、すれ違いがもたらす切なさが胸にのしかかってくる。

  • 黒猫シリーズの中では、一番すっきりしていて読みやすいように感じた。知っている話題が出たからかもしれないが、納得できる部分が前作、前々作より多い。

    付き人さん鈍すぎ・・・!だがそれがいいのかも・・・?

  • 黒猫と付き人シリーズ第三弾。
    両想いのはずなのになかなかくっつかない二人の関係にやきもきする。
    ミステリー要素はどんどん薄くなってきている気がします。黒猫の美学講座は相変わらず分かったような分からないような…

  • 図書館で不意に見つけた新刊。
    お耽美というか何というか…。
    もどかしいような心地良いような。
    謎の解釈もふふーんと思いましたが、やはり2人の関係が…きゅんとした!

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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