マリッジ・プロット

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  • 早川書房 (2013年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784152093615

作品紹介・あらすじ

名門大学の英文科に通うマデリンと、同級生の男子ふたりとのこじれた三角関係を描く、王道の恋愛小説。『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』『ミドルセックス』の著者、十年ぶりの最新長篇!

感想・レビュー・書評

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  • 1982年に米国ブラウン大学を卒業した3人の男女(どこかサリンジャーのフラニーを思わせる英文科の美人マデリン、エキセントリックなイケメンで躁鬱病に苦しむ生物学科のレナード、マデリンLOVEのもっさり宗教学科生ミッチェル)の卒業前後の物語。最初、文章はなんだか硬いし、読んだ本とかゼミの課題とか固有名詞の羅列が多く、「知らんがな!」とか「短くまとめて映画にして見せてくれ」とか思いながら読んだけど、中盤から切実に共感できるエピソードがいっぱい出てきて、ぐいぐい話にひきこまれた。思えば誰の人生も他人にはどうでもいい瑣末な固有名詞の退屈な積み重ねから成っていて、だけどときおりそのなかに一瞬のきらめきとか悟りとか落胆とか、生きるうえでの共通項みたいなものがあって、その部分は他人のものであれ実感できるし心でなぞれるものである。もしかしたらこの小説はそれを身をもって表しているのかなあ。

  • んー。なかなか長くてしんどかった。3人の男女のそれぞれの立場からお互いの印象を綴っている。よくある構成だが、語る本人としては無個性な自分であり、他者の目を通じて本人の個性が生まれてくるという。自分では自分のことは見えてないしわかっていないし、改めて発見する必要ないんだもの。非常に知的な人が書いたと思われる内容で、私には鼻につく。出版関係者には受けそう。好きな作家、本をブルータス辺りに載せて悦に浸る、もうそういう時代じゃないっつーの。小説は長けりゃいいってもんじゃないのを具現化した一冊。

  • ☆「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」の作者。表題はは、18,19世紀の小説に多い、求愛から生涯を乗りこえて結婚に至る筋書きらしい。
    でも、あまり興味がない。

  • ヤスにーちゃんです。めぐみさんからいただきました。これから読みます。楽しみです‼︎

  • マリッジ・プロットとは、オースティン流に「あれこれありました、最後に二人は結婚して幸せになりました」というストーリーのこと。それを現代でやると当然、ビターである。マデリンの結婚相手のレナードは躁うつ病で離婚に至り、さりとてマデリンに片思いを続けていたミッチェルとも結ばれない。オースティンで大事なのは収入だが、高学歴の3人とも社会の成功者になれない。しかしラストには現代的なすがすがしさがあり、「結婚=安定・幸せ、なんてばかばかしい、自分の足で歩いて行こう」という未来志向が漂う。
    600ページの長編で、エリート大学の大学生という設定の元に彼らが学ぶ文学や哲学や宗教への言及が盛り込まれ、米国の大学生の勤勉さ賢さには感心するが、小説としての足取りはいささか重い。マデリンを主人公にした三角関係という内容なので読み進めるのに支障があるほどではないのだが。

  • 寝る前にちょこちょこ読んでいたのをやっと読了。1986年生まれなので、80年代前半の空気感は体感していないし、読んでいない本も多すぎて分からないところもあったけれど、「そして、ときどき、悲しくなりました」の章あたりから、実感を伴って楽しめました。マデリン専攻のヴィクトリア朝文学も読みたい。

  • マリッジ・プロットとは19世紀(主にイギリスの、しかも良家の)男女が困難を乗り越えて結婚にたどり着くまでを描いた小説。80年代のマリッジ・プロットはもっと複雑でほろ苦い。80年代の雰囲気や音楽の描写も興味深い。

  • フィガロにおすすめであったから。

    逗子図書館。一旦返却。
    次は38ページから

  • 面白すぎて、優先順位高い諸々をほったらかして読了。笑いつつも、わが身を振り返って、ちょっと心痛む。(恋愛のディスクール、なにかのゼミで発表したことありました。)アメリカの本屋で山積みだったのだけど、結局日和って邦訳で読みました。英語もこのくらいのスピードで読めたら面白いのだろうなー。

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