ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
3.47
  • (28)
  • (94)
  • (95)
  • (21)
  • (7)
本棚登録 : 687
レビュー : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093783

作品紹介・あらすじ

9・11の現場からアフガンまで暴力と絶望渦巻く世界五都市にて、日本製の機械人形の存在を通して人の行為の本質を抉り出す連作短篇集。ポスト伊藤計劃と目される気鋭の新人によるデビュー第2作

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 戦争、民族、意識、多様性。ヨハネスブルグから日本の団地まで。歌姫と呼ばれたロボットが見つめた人間の深淵の物語。特に「北東京の子供たち」が面白かった。

  • SF仕立ではあるが社会派

  • 「スペース金融道」の作者で割と最近ちょこちょこ聞くので、借りてみた。
     DX9というアンドロイドを軸にすすめられる短篇。
     
     2篇目の「ジャララバードの兵士たち」がよかった。
     流浪の日本人、ルイ(本名・隆一)とアメリカの軍人ザガリーの道中。
     殺されたかつてのルイの同級生、ナオミをめぐって展開する軍の暗部。
     
     DX9は単なるアンドロイド、ではなく本来は金持ち用の歌う楽器として流通したが、武器として改造されたり、人格の転写をしたりと多機能。

     余談だが、初音ミクが三次元化するとこうなるんかなーと思ったりした。

  • <あらすじ>
    ヨハネスブルグに住む戦災孤児のスティーブとシェリルは、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製のホビーロボット・DX9の一体を捕獲しようとするが―泥沼の内戦が続くアフリカの果てで、生き延びる道を模索する少年少女の行く末を描いた表題作、9・11テロの悪夢が甦る「ロワーサイドの幽霊たち」、アフガニスタンを放浪する日本人が“密室殺人”の謎を追う「ジャララバードの兵士たち」など、国境を超えて普及した日本製の玩具人形を媒介に人間の業と本質に迫り、国家・民族・宗教・戦争・言語の意味を問い直す連作5篇。
    う〜ん。ちょっと苦手なヤツだった。
    日本のSFって、伊藤計劃もそうだけど、やっぱり合わない……。
    とくに、アメリカ編は???だった。

  • 小説

  • 2013-6-2

  •  日本SF大賞を受賞した『盤上の夜』につづく、新鋭SF作家の第2連作短篇集。

     本書も『盤上の夜』に勝るとも劣らない面白さであった。どの短編も、じつに知的でスペキュレイティブ(思弁的)。『盤上の夜』と本書は2作連続で直木賞候補にのぼって落選したが、本書で直木賞を得ていてもおかしくなかったと思う(まあ、SFでは直木賞が取りにくいわけだが)。

     連作の舞台となるのは、近未来の南アフリカ、ニューヨーク、アフガニスタン、イエメン、そして東京――。
     異なる舞台をつなぐバトンとなるのは、日本製のホビーロボット「DX9」、通称「歌姫」。富裕層の道楽品として作られた、人間型の「歌うロボット」。いわば「未来の初音ミク」である。

     無数の「DX9」が、さまざまな形で物語の鍵を握る存在として登場する。
     たとえば、「9・11」テロの犠牲となった1人の青年の意識が転写されて。また、内戦の地ではその堅牢さから自爆テロ用の兵器に改造されて。

     単行本カバーの惹句には、「国境を超えて普及した日本製の玩具人形を媒介に人間の業と本質に迫り、国家・民族・宗教・戦争・言語の意味を問い直す連作5篇」との一節がある。

     まさしく、「国家・民族・宗教・戦争・言語の意味」などという大テーマに正面から挑む志の高さ、スケールの壮大さが、この作者の魅力なのである。それでいて、どの作品も先鋭的で刺激的なエンタテインメントとしても成立しているところがすごい。

     SFという狭い枠にとらわれず、いろんな作品を書いていってほしい。たとえば、青春小説や歴史小説の長編を書かせても、きっといいものを書くに違いない。

  • 北東京の子供たち、がなぜか印象に残った しんどい

  • 時間軸が現代のSFとでもいえるのだろう。
    歌姫こと日本製玩具のDX9が全編に登場する連作となっています。
    毎日大量のDX9が空から降ってくるという設定、これが現実だとしたらシュールすぎる世界ということになるのかな。
    民族問題など関係ないやと思っている自分に対して「そうではない。目を背けるな」と言われている気がしました。
    かなり異色の作品ですが、一読をお勧めします。

  • 戦争やテロを題材にした連作集。1作目、2作目あたりは興味深く読んだがそれ以降は登場人物や舞台がごっちゃになってうまく話が入ってこなかった。やっぱり通勤で細切れに読んでるとだめですね。

全108件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)
1979年東京都生まれ。2010年「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞してデビュー。12年同名の作品集で第33回日本SF大賞、13年第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞をそれぞれ受賞。14年『ヨハネスブルグの天使たち
』で第34回日本SF大賞特別賞。17年『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で第30回三島由紀夫賞、18年『あとは野となれ大和撫子』で第49回星雲賞〈日本長編部門〉を受賞。近著に『超動く家にて』『偶然の聖地』『遠い他国でひょんと死ぬるや』など。


「2019年 『宮辻薬東宮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮内悠介の作品

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)を本棚に登録しているひと

ツイートする