バークレー白熱教室講義録 文系のためのエネルギー入門

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094285

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  • PHYSICS FOR GOVERNMENT DECISION MAKER
    Everything There Is To Know About Energy
    http://www.hayakawa-online.co.jp/

  • 世界が抱えるエネルギー問題について判りやすく書かれている本です。日本でも東日本大震災以降、原子力発電の安全性を疑問視する世論の強い後押しや地球温暖化の対策としての二酸化炭素排出削減の為の太陽光や風力等の自然エネルギー活用に向けた動きが活発化しましたので、当書籍を読む事でこれらの問題についてもっと身近に感じられると思います。

  • 大学図書館より借りる。
    「世界の未来を担うリーダーたちが適切な決断を下すためには、どうしてもエルネギーの基本的な知識が必要だ(p11)」とのこと。文系人間として2つの関心から読み進めた。①世界のエネルギー問題の今について ②バークレーではどのように①を教えているのか?
     ①については「私たちが消費するエネルギーの4分の3は無駄使い(p46)」や「原発を止めた日本はどうすればいい?(p87)」、「地球温暖化の真実(p91)」など学べた。②については「エレベーター・スピーチ」でオバマ大統領を想定してエネルギー政策を提案させるなど、なるほどなぁだった。

  •  『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス』で、エネルギーや原子力をわかりやすく解説した著者が、バークレーの学生に対して行ったエネルギー問題に関する5回の講義を収録した本。前作同様、わかっているようで実はよく理解していないエネルギー問題について、冷静な目でわかりやすく解説してくれている。
     東日本震災後の日本のエネルギー事情や、放射能に関する意識、スーパークールビズなどにも言及されている。

     比較的クリーンと言われる天然ガスの大量採掘はアメリカのエネルギー構造を変え、価格減は脱原発に向かう日本にとっても朗報と説明するが、一方で化学物質注入による環境汚染や、二酸化炭素以上の温室効果というデメリットにも警鐘を鳴らしている。

     本講義で議論されているのは単なるエネルギー源の選択だけでなく、温暖化問題や放射能に対する正しい理解、さらには事実を追究する科学者の姿勢だ。なかでも、科学者や科学的事実が、政治的思惑や個人の信条に左右されることを危惧している。著者のメッセージはリベラルで力強く、科学者を目指す学生だけでなく、我々一般市民にも科学の尊さが伝わってくる。

  • レベルとしては、中高生レベルですが、エネルギー問題を科学的かつ政治的に軸をもって論じており、大変勉強になりました。特に、エネルギーの単位感はとても参考になりました。
    キーポイント
    ・天然ガス革命、日本では??
    ・1%の漏れで天然ガスは温暖化大。
    ・温暖化傾向と二酸化炭素濃度は連動している。
    ・異常気象と温暖化は連動している?
    ・太陽光の普及は中国の生産革命もある。
    ・日本の発電40gアメリカ500g中国のパネル2g。
    ・送電損失7%、アメリカの場合。
    ・cop15は新興国いれないと全くむだ。

  • Physics for government decision makers

    訳すとどうもつまらない

  • 君ならどのエネルギーを選ぶ、クリーンエネルギーを検証する、地球温暖化の真実、原子力を知る、大統領に提言するという5つの章で構成されている。わかりやすい文体(訳がきれい)なのですぐに読める。文系でも数字が苦手だと厳しいが、こうした形のエネルギー解説書が出てくるのはとても好ましい風潮だと思った。

  • それを争って戦争が勃発するくらい、エネルギーは不可欠で有限なものなんだどいうことを認識を新たにした
    太陽光発電はパネル単位あたりどのくらい発電出来る、とか、エネルギーは速さでいうところの「距離」と「速度」の二つの概念で見る必要がある、とか、電気自動車はバッテリー代がネック、などなど、なるほどという感じだった

  • エネルギー問題について議論するための「ものさし」を提示する良本。原子力の膨大なエネルギーの替わりになるエネルギーはあるのか、数値でロジカルに見ていくとかなり難しい。火力はCO2の問題があり、風力、太陽光・熱は不安定で絶対量も小さい。水力は引き替えに谷間に住む人々の暮らしを破壊せざるを得ない。もちろん原子力には事故の危険と放射性廃棄物、あるいは廃炉の問題がある。残念なのはそれぞれのコストを計算して結論を導かせようとしていることだ。経済が絡むと、リスクへの心理的な影響は数値化されにくい。たとえば今の福島第一原発事故によっておきている住民の自主避難、健康への不安、農作物や漁業への影響などのコストが正しく計上されるとは思えない。それらを無視することで原子力がコストパフォーマンスを高めていることを無視してはならない。

  • エネルギーに関するトピックが講義形式でわかりやすく述べている。
    自分が読んで驚いたのは、ソーラーパネルのくだり。
    ソーラーパネルは、価格が低下しすぎてもはや助成金が無ければビジネスにならない領域になっているということ。
    アメリカでは複数のソーラーパネルメーカーが倒産している。
    パネルだけではダメで、バッテリーの問題もある。高額で長期間使えない。
    このあたりを理解した上でエネルギーを考えることが必要だと学んだ。

著者プロフィール

カリフォルニア大学バークレー校の物理学教授。マッカーサー・フェロー賞(別名「天才賞」)の受賞者。政府の執筆顧問を長年務める。米国国会が全米科学アカデミーに要請して行われた地球温暖化の証拠の見直し作業においては、見直しを第三者として審査する審査官を務めた。米国PBS(公共放送サービス)や英国BBC放送の多くの特別番組やドキュメンタリーに専門家として出演している。
本書は、著者が文化系学生を対象に行なっている有名な抗議(学生の投票によって決まる「バークレー校のベスト抗議」に選ばれた)をベースにしたもの。この講義を基にした書籍は英語圏で2冊出版されており、そのうちの1冊は『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス入門 I・II』として既に邦訳が刊行されている(既刊『今この世界?』は時事問題を軸として構成された簡略版であり、本書『サイエンス入門 I・II』はよりオーソドックスな教科書的スタイルで書かれた詳細版という違いがある)。なお、著者の講義の様子は大学によってWEBで無料公開され、YouTubeなどで誰でも視聴できる。世界中の人々がこれを見て、著者のもとにはこれまでに87ヵ国にも及ぶ国の人々からの反響が寄せられているという。

「2012年 『サイエンス入門 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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