機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
4.23
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本棚登録 : 402
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094315

感想・レビュー・書評

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  • チェチェン紛争で家族を失った女たちだけのテロ組織『黒い未亡人』がゴールデンウィークを控える日本に潜入した。特捜部は公安部と合同で捜査に当たるものの、未成年の少女兵さえ自爆テロを躊躇うことなく、人々を容赦なく巻き込み殺してゆく彼女達の戦法に圧倒されて被害は広がる。
    彼女たちの最終目的は、日本のどこにある――?

    事件のさなか、特捜部の城木理事官は政治家となった実兄・宗方亮太郎にある疑念を抱き、その過去を探る。また、捜査班の由起谷主任は六本木でひとりの外国人少女を半グレ集団から助けた。
    それらの関係が、政府と警察、ふたつの組織を大きく揺るがす奇縁となることとも知らずに。

    燃えるように胸が痛む。胸の中の赤い釘が――。

    終わらない内戦にすべてを奪われてゆく女たちは、なにを憎み、なにを赦すのか。強制された自爆はみずから選んで死にゆく自爆に変わり、けれどその先に天国などありはしない。誰も死なせたくないのに、みんな殺されてゆく。みんな死んでゆく。間違っている。わかっているけれど、後戻りなど、もはやできるはずもない。
    実在のテロ組織『黒い未亡人』を通してストーリーは膨らむ。決して日本人は理解できないであろう複雑な内戦の悲劇と、翻弄された女たちの母性と愛憎を描くシリーズ第4弾。

    これだけ一般人と警察官がガンガン死ぬ小説も他にない感じで、そこが容赦なくって好きなところなんだけど。時々くじけます。

    今作は城木理事官と由起谷主任の過去に焦点が当たる。そうして徐々に敵の正体が垣間見えてくる章でもある。沖津警視長にちょっと引っかかることろがあったんだけどどうだろう?

  • シリーズ第四弾。実はシリーズ第3弾が、手元になくて、飛ばして読んだ。今回はチェチェンの自爆テロ集団の話だ。余りに日本人にとっては遠いと思われる話ではあるが、チェチェンの実態が、この作品の中で描かれている通りであれば、余りにも悲しい。そしてロシアの実態も。機龍警察の3人が主ではありながら、今回は、このチェチェンのテロ集団『黒い未亡人』のリーダーのシーラ・ヴァヴィロワとカティア・イヴァレワが大きな意味を持つというか主人公的扱いだ。スケールが大きく、そしてまた近未来的作品ではありながら、日本でチェチェンの自爆テロが発生すると言う余りあり得ない的な物語だ。

  • テロと警察と戦闘マシーンと権力闘争を書きながらラスト1ページの手紙に人間を書いている。これだけ救われない話だからこそ、最後に泣けた。機龍警察シリーズ止まらない。

  • 2019.4.30

  • 文句なし、鉄板の星×5
    今更俺が書くまでもなく、このシリーズは大傑作である。

    龍騎兵パイロット3人が主人公の3作が終わって、さてどうなるんやろ?と思っていたが、まさかの由紀谷・城木!で、駆け引きモノ現場モノになるんかと思ったら…そういう部分もあってなおかつ、そこも面白いのだが…機甲装兵格闘含むアクションシーンも十分に、どころか壮絶に描かれている。敵方のボスキャラ3人VS龍騎兵3機、手に汗握るシリーズでも屈指のシーンである。

    今作も敵方の設定が凄い。イスラム系チェチェン独立派ゲリラ、しかも女性テロリストのみで構成された集団で、自爆も辞さないどころか自爆が常套化している危険集団である。確保すれば自爆、弾が当たれば自爆、人ごみに入れば自爆で、日本警察機動隊が悲惨なまでにヤラれていく。

    単なる勧善懲悪モノではなく、こちらもあちらも不幸を抱えていて、人間味も溢れている。今のところ悪役を一身?に背負う、陰に隠れた「敵」とやらの目的はなんなのか?

    由紀谷良かったな。そして城木はこのままダークサイドに引き込まれていくのか?あえて影側に振られてから善玉に戻ってくる展開はワクワクできるのだが、戻ってこれるか城木?カティアは今後絡むことはあるのか?そして今回鳴りを潜めた中国系蛇頭のあいつら…

    あぁ、今後が気になって仕方がないぞ!

  • シリーズ第4弾

  •  一気に読み切った。
     
     女性の描かれ方「聖母」か「鬼女」か、の極端な描かれ方は気になるが、登場人物の書き分けがうまいので、相変わらずテンポよく読めました。

  • <あらすじ>
    チェチェン紛争で家族を失った女だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬ彼女達の戦法に翻弄される。一方、特捜部の城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察全体を揺るがす悪夢につながっていた―世界のエンタテインメントに新たな地平を拓く“至近未来”警察小説、衝撃と愛憎の第4弾。
    このシリーズは劣化することなく、どんどん面白くなっていくなぁ。
    ただ、スケールが大きくなりすぎて自作が心配。

  • これも力作でした。
    はまってます。

  • 機龍警察、自爆条項、暗黒市場、そしてこの未亡旅団とGW期間に一気読み。今回はユーリも息をのむほどのチェチェンでのテロと憎しみの連鎖、未成年テロリスト カティアと由起谷の交流、全編にちりばめられた機龍兵の戦闘シーン、姿やライザと黒い未亡人<剣の妻>、<風の妻>との死闘、等々、読み応え半端なし。そしてラスト、カティアの手紙には誰もが涙するはず。未読の方は是非一気読みを。

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著者プロフィール

1963年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。2010年、『機龍警察』で小説家デビュー。2012年に『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、2013年に『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、2015年に『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞を受賞。他の著書に『神子上典膳』『機龍警察 狼眼殺手』『コルトM1847羽衣』『東京輪舞』などがある。

「2019年 『悪の五輪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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