- Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152094315
感想・レビュー・書評
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チェチェンのテロリストとの戦いを描いた一作。
毎回誰かの不幸な過去を感傷的に感情たっぷりに描くことで物語を進めてきたこのシリーズ。今回は誰かと思ったら、敵であるテロリストの少女と、捜査員の青年だった。
テーマは「母」。
母との確執や悲しい思い出のオンパレードである。
突然の恋愛ネタにはびっくりしたけれども。
ただまあ、今回は現在の軸の動きが中心で描かれたので前回より☆はひとつプラス。
メロドラマに傾きがちな登場人物の中で、現実的でシニカルに描かれる姿警部の存在にほっとする。
この後のシリーズ展開はどうなるのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
機龍警察第4弾 警視庁特捜部の主要メンバーすべてが主人公となる。
第一作機龍警察登場、第二作ラードナー警部、第三作オズノフ警部と順を追ってきて、遂に第四作目では姿警部の過去が明かされると思いきや....
特捜部捜査班、理事官、そして与党の副幹事長、おなじみの公安外事警察まで総動員して対決する敵は、チェチェンのテロリスト集団「黒い未亡人」。
ソチ・オリンピック開催の際に、世界中に名を馳せた黒い未亡人が、日本に潜入した。
自らが死ぬことをまったく厭わず、極めて冷静に自爆攻撃を繰り返すテロリストは、国内のソフトターゲットに大規模な攻撃を仕掛ける。
機甲兵装をもって自爆攻撃を仕掛ける相手に対峙するのは、警視庁特捜部「機龍警察」。「黒い未亡人」と国内警察の総力を挙げての戦い。さらに、そこに日本警察の暗部と政治家の思惑が重なり.....
こんなに多くの要素を詰め込みながら、冗長なところはなく、テンポよく物語は進展し、しかも物語は一本の筋の上を辿る。
そして、今回の事案も特捜部員はじめ警察の努力の甲斐あり、なんとか解決する。
しかも、次作への伏線を残したまま。
これは、やはり作者の力量がすごいとしか言いようがない。機龍警察に魅入られた以上、本書を読み逃すことはできない。 -
その決断は間違っていないと思いたい
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チェチェンの女性テロリストグループが新潟で行おうとする自爆テロを、下関出身の刑事とその仲間が防ぎ戦う話。シリーズ第4作。登場人物たちの書き込みにますます磨きがかかっている。
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こんなに日本にテロが起こるとは,だんだん現実味を帯びてきてゾッとしながら読んだ.相変わらずの特捜部の活躍だが,今回は城木理事官にスポットが当たり,次巻に引き続く形で進退が気になるところ.由起谷警部とカティアの信頼関係は本当に良かった.「黒い未亡人」のあり方は読みながら悲しく,背後にいる武器商人たちの暗躍を思うと,このやりきれない不幸の連鎖に呆然とする.
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分厚いなぁ、と思いつつ止まらなかった今回も。
今回は由起谷さんと城木さんがキーパーソンでした。由起谷さんかっこよろす。
この本読むたびに、未来のことながら間近に起こること、のように思える。そして世界のどこかでは実際すでに起きていることでもあること。
子供のテロリストも本当に世界中にたくさんいる事実。そしてそんな子たちと対峙しなければならなくなった日本警察。そんな時にどう向き合うか、という姿を3人の機龍兵の搭乗員3人がそれぞれ見せてくれます。ライザの慟哭がその残酷さを物語っているとおもいます。
次は短編集。楽しみだ。 -
このミス2015 第5位
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機龍警察シリーズ、4作目。
今作のメインは城木理事官と由起谷警部補、かな。テーマはチェチェンのテロ組織「黒の未亡人」。
毎回のことではあるが、近未来SF設定でありながら、時代背景の描写では現実を痛烈に突きつけられる。やっぱり日本人として日本で生まれ育った私には、チェチェンの出来事も、少年兵のことも、遠い国のモノと片付けてしまっていることを否めない。「平和ボケ」って言葉があるけど、、、まさに自分のことではないかと胸が痛くなってくる。そんな中、カティアの取り調べでの由起谷主任の言葉は響いた。次元が違う者同士、絶対同じ痛みを共有できないと分かっているだけに、それでもカティアの心を動かす言葉が存在するのだと感動。
特捜部メンバーたちのそれぞれの葛藤や、リアルな世界情勢の描写、読みどころがたくさんあって、充実する一冊、というかシリーズ。そろそろ「敵」の正体も具体的に出てきてほしい。城木理事官の今後も気になる。続きに大いに期待。 -
8月21日読了。図書館。
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相変わらず前半は辛すぎて…でも後半は畳み掛けるような怒涛の展開が待っているっ。これからの城木理事官が心配だわ〜