喝采 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.23
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本棚登録 : 108
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094612

作品紹介・あらすじ

一九七二年秋。父親の探偵事務所を継いだ浜崎順一郎は、バンプ女優と言われた神納絵里香を探してほしいと依頼される。だが女優は見つかった直後に殺された……著者渾身の正統派ハードボイルド!

感想・レビュー・書評

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  • 父の死の後に、探偵事務所を継いだ浜崎順一郎。ある日、娘と名乗る女性から、かつて女優であった母親を探して欲しいとの依頼を受ける。無事発見し、娘と引き合わせると約束した日に彼女の家に向かうと、何者かに毒殺されていた。調べを続けると、亡き父が調べていた事件に繋がり。。。
    古きよき時代のハードボイルド。舞台が70年代ということで、40、もしくは50代以上でないと、なかなか世界観がわからないかも。ラストは予想できてしまう。

  • 3.4

  • 読みでがある。たまにはハードボイルドも良い

  • 昭和が濃い話。スマホどころか留守電もない。

  • 綺麗なのかなぁ

  • 新宿で私立探偵でハードボイルドです。わたくしが愛してやまない「探偵沢崎シリーズ」が寡作すぎて作者に死亡説が流れるレベルなのでしょんぼりしていたら「よかったらこれ」と紹介してもらいました。
    なるほど、たしかにハードボイルド。個人的には自身の女性関係に思いをはせないで探偵はもっと超然としていて欲しいんですが、これはまあ好みの問題ですかね。
    舞台が70年代ということで・・・微妙に読んでて違和感。そうか、携帯がないからか。たしかに私立探偵ものというかハードボイルドと携帯は相容れないかもな。その不在がハードボイルドを成立させてるのかもしれない。なるほどなあ。そのうち携帯もってるハードボイルド探偵の名作も生まれるのかもしれませんが、なんとなくイメージ的にしっくりこないのはわかる。

    古き良き王道ハードボイルドなストーリーで読みごたえもあってなかなかに楽しめました。

  • そうゆうわけでちあきなおみ『喝采』を繰り返し聞いていたのです。藤田さんの小説初めて読んだし、なんならミステリー久々だったけど、すごく面白かった。分厚い!主人公は探偵なんだけど、口がうまくて、怖いもの知らず。一人称で語られるから、わたしは高飛車にとか、わたしは〜してやったとかそんな調子。失礼な発言たくさんするんだけど、なんだかんだみんな協力してくれるし、読んでて強気な気分になってくる。音楽とお酒がわりとたくさん出てくるので、詳しい方はそのへんのニュアンスまで読めるのではなかろうか。

  • 1971年、主人公浜崎順一郎は31歳の時、父親が遺した
    探偵事務所を引き継ぐ。
    留守電もファックスも普及していない、パソコン、携帯も
    なかった時代の話。


    公衆電話を多用し、連絡がつかなければ会いに行ってみる
    考えてみると大変な労力だなぁ〜
    その労力分、ページ数も多くなったのか、と意地悪な
    見方をしてしまう。


    物語は浜崎がとあるデパートで女性達がバーゲンのワゴンに
    群がっている中、スリの現場を目撃
    この小さな出来事が事件の幕開けとなっていきます。


    ある日、若い女性が尋ねてきて浜崎に「母を探して欲しい」と
    調査依頼をします。栄子の母親は元女優の神納絵里香
    絵里香は所属していた、日新映画の社長の愛人であり
    社長と揉めてからは映画界から姿を消していた


    浜崎は当時の親しかった知人から絵里香を見つけ出し
    栄子と一緒に会う約束を取り付けたが
    当日、依頼主の栄子が来ない、そして部屋で待っているはずの
    絵里香も電話に出ない。


    娘が来なかった事を伝えるため、絵里香の部屋へ行くと
    神納絵里香が殺害されていて第一発見者となってしまう


    警察の事情聴取で浜崎は栄子という女性が母親探しを
    依頼していないと聞き混乱する。浜崎は警察に疑われ
    栄子に会うために再び、家に行ってみると
    彼女は事務所に調査依頼をしにきた女性とは別人で
    浜崎がデパートでスリ事件を目撃した時の被害者女性だった。


    栄子に成りすました女性は何者だったのか
    父親の一周忌に目撃したちょっとした事件から
    始まり、父親が亡くなる直前に調査していた
    現金輸送車襲撃事件が浮上してくる、絵里香殺しと
    微妙な線でどう繋がっていくのか。


    王道なハードボイルドで70年代の風景が甦ります
    映画界のドロドロにヤクザやスリ女
    浜崎のお気に入りがバヤリースのオレンジジュース
    女性の服装はパンタロン、
    若い人には分からないであろう用語も多々
    う〜ん私は違和感なく読めてしまいました。

  • 藤田宜永の探偵物って久々ではないだろうか。かつてのばりばりの探偵物や冒険物の時代を思わせるような内容で、往年のファンとしては嬉しい限りなのだが、文体がちょっと原寮に似すぎている、というか、チャンドラーの翻訳というか。時代背景も含めてあえて意識して書いているのだろうか。
    ミステリーっぽい謎解きもちりばめられているのだけれど、ちょっと強引な感じ。ラストは何となく読めてしまうけれど、賛否両論分かれるのではないだろうか。個人的には余り好きではない流れだった。

  • 1972年を舞台にした私立探偵小説

    やっぱ結末はこうなるしかないのだなあ。

    とまあラストはなかなかに切ないとはいえ、読んでる間は古きよきハードボイルドって感じで楽しく読めたことであるよ。

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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