火曜日の手紙

  • 早川書房 (2014年6月20日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784152094636

作品紹介・あらすじ

一九七五年、パリ。母の葬儀を終えたカミーユに差出人のない手紙が届く。そこに書かれていたのは、自分の出生の秘密、そして数十年前の愛と憎悪の謎めいた物語だった。フランス発のベストセラー

感想・レビュー・書評

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  • この終わり方は賛否両論あるだろうが、私はこの終わり方にガツンときた 
    生まれてくる子は、男の子ならルイ、女の子ならルイーズがいいなw
    それにしても、マダム・メルローは、いつの間にピアノの先生になれるほどの技量を身に付けたんだろう
    女流作家による女性読者にしかわかり得ない本だと思った
    こんな読み応えのある本に出会えて幸せだ

    1975年、パリ。母の葬儀を終えたカミーユに差出人のない手紙が届く。そこに書かれていたのは、数十年前の愛と憎悪の謎めいた物語だった。
    フランスで五つの文学賞を受賞し、40万部を突破したベストセラー 25か国語に翻訳 今作がデビュー作

    P137 ❝人生においては、常に視点を変えてみるといい。意見ではなくて、物の見方を変えるということだ。❞<カミーユ>

    P256 ❝そう、夫に裏切られた女は母親になるしかないの。❞<エリザベート>

    P307 ❝心理操作はひとつの武器なの。他の武器より誤る確率が低いわけでも高いわけでもない。ただ唯一、完全犯罪を実行できる武器であることは間違いない。❞<エリザベート>

  • つらい。なんと残酷で、なんとも切ない。
    3人の視点で徐々に浮かび上がってくる、その時の真実。登場してくる人、皆つらい。気の毒でたまらない。
    しかし、それを重層的に組み立てあげる筆力には感心する。

  • 父を戦争で亡くし、母も亡くなったカミーユのもとに沢山のお悔やみの手紙とともにルイという差出人から一通の分厚い手紙が届く。第二次大戦中にアニーという少女が体験した数奇な運命をつづっている。毎週火曜日に、アニーから、村の豪邸に住む婦人から、アニーの幼馴染で初恋の男性から、それぞれの立場から書かれた手紙。カミーユは、初めは宛先を間違えたのではないかと思う。しかし、読み進むうちに様々な疑問がわいてくる。アニーとはいったい誰なのか、アニーがひそかに生んだ子どもはいったい誰の事なのか。

    読み出したら止まらない。アニーをめぐる人々の、それぞれの思いと秘密。真実を知ったカミーユとともに、涙してしまう。

    それにしても、今も昔も不妊という悩みは夫婦のきずなをも脅かす問題なのだなあ。現在のような医学の進歩は幸いなのか、不幸なのか、分からないけれど、こんな風に暴走してしまう婦人がいたとしたら、医学の進歩は大きかったのかもしれない。ぞれよりも、子どもがいなければ夫婦として正常でないと思わせる社会のほうが明らかにおかしいのだけれど…。

  • 1時間

  • 少女地獄を思い出した。夫人の告白からアニーの話との食い違いが見えてくるにつれ、言わないであげてって気分になった。少女地獄のときのように、ウソを暴かず守っても良いじゃないかと思ってしまった。
    なんだかんだでルイとアニーが結ばれハッピーエンド、なんて甘い物語を想像していたので、甘くないストーリー展開に驚いた。
    結末は奇妙な余韻があり、なんとも言えない気持ちになった。幸せなのかなと思えたり、不気味でもあったり。こんな終わり方も嫌いじゃない。

  • もどかしい始まりでしたが
    なんとも重みのある
    いいお話でした

  • オチが気になって途中飛ばしながら読んだ。まさかのオチだけど、どこに伏線があったのかわからなかった。
    不妊の女性の辛さが描かれているけど、子持ちの作家がかくと、なんか違うよなぁと思ってしまう。

  • 「弱き者よ、汝の名は女なり」というハムレットの台詞は嘘だ。少なくともこの小説で弱いのは男だ。ルイ然り、ポール然り。手に入らない、或いは失った愛を夢見るばかり。引き換え女は、アニーにしろ、M夫人にしろ、カミーユにしろ、欲しいもの、愛するものを手に入れ、守るためにはどんなことでもする。
    ミステリではないけれど、伏線はしっかりと引かれ、その回収も見事。

  • 某新聞の書籍紹介コーナーで興味を持った本の一冊。
    すごく期待していたわりに…という感じがしないでもない。
    第二次世界対戦下のフランスの状況や、謎解きなど、面白いところも多いけど、手紙にかかれた登場人物の独白という形式で進められる文章は途中ちょっと疲れる部分も。
    物語の発想や着眼点は面白いし、物語の構成も工夫されていることながら…特別誰かにオススメしたい一冊ではないかなという感じ。

  • 続きが気になって気になって。こういう本を読む幸せを噛みしめる。
    でも読む人を選ぶ大人の小説かも。

    母の葬儀後から毎週火曜日にくる手紙。

    秘密と嘘が織り交ぜられて語られる物語形式の手紙に、主人公はあるとき気付く。自分自身がこの物語の一部なのではないかと。

    静謐にその疑問の答えがあぶりだされていく。

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