黒猫の約束あるいは遡行未来

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 490
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094827

作品紹介・あらすじ

仏滞在中の黒猫は、恩師の依頼でイタリアにある〈遡行する塔〉の調査に向かう。一方、付き人は学会参加のため渡英することに。しかしそれを伝えても黒猫から連絡はなく……好評シリーズ第五弾!

感想・レビュー・書評

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  • 美学講義ミステリーの第5弾。
    パリ滞在中の若き美学博士・黒猫は、なにやらいわくあり気な塔の調査のためにイタリアへ。
    一方の助手は学会発表のために訪れたイギリスで、縁あって映画に出演することに…

    巻を追うごとに美学講義のレベルが上がっているような気がします。
    そろそろ黒猫先生のお話についていけなくなってきました…ううう、落第はしたくないです。

    本作では、助手がポオ研究者として目覚ましい成長ぶりを見せています。
    目指すべき目標であり、恋する相手でもある黒猫の存在が、離ればなれになったからこそ助手の力となったのかもしれません。
    恋する女性は強いのだ。

    だけれども、この2人の距離感、見守ることしか出来ない読者にはじれったくて仕方がないのです。
    じれったいがゆえに、見届けたくなるのですが…。
    なんでも華麗にこなしてしまう黒猫が、恋愛面に関してはなかなか前に進めないところが、微笑ましくてにんまりしてしまいます。(それとも、あえて進まないのか?…などと深読みするのも楽しかったり)

    次巻、どんな展開になるのかが、今から待ち遠しいです。

  • 引っ張ってる。前進はしているけど、めちゃめちゃ引っ張りますね、作者さん!ヒロインとマチルドに差をつけるためなのだろうが、マチルドの語りの部分がちょっと馬鹿っぽくて正直だんだんいらついてきたので、第2部に入ったときはほっとした。マチルドが読者に嫌われないよう工夫されているのはわかるし、最後はよしよししたくなったが、付き人はやっぱりヒロインでないと、読んでいるほうも落ち着かない。というか、食べて飲んでだと、口紅ってそんなに長持ちするかな。落ちにくいやつだと、跡も残りにくいのではと思ったり。「彼女」の正体は比較的予想がつきやすいが、ミステリー部分は面白かった。

  • 2017年1冊目。黒猫シリーズ第5弾。2作目のラストでフランスに渡ってしまい、バラバラになった黒猫と付き人。前作では、二人は出会わないまま、終わったけど、今回の舞台はイタリア。恩師の依頼で「遡行する塔」の調査に向かった黒猫と、学会でイギリスに来ていた付き人が、こちらも恩師のいたずらか、イタリアに行くことになり、久しぶりに再会する。製作者が亡くなった後も、変化を遂げる「遡行する塔」が物語のキーポイントだが、相変わらず、この講釈はなかなか難しいというか、非現実的だけど、段々人間味を増してきた二人の関係に注目!順番が逆になってしまったけど、次は「卒論指導」!

  • 美学の話は興味深いけどポーの話になるとついていけない。二人の進展が気になる。

  • ぐわぁー!じれった過ぎる!20歳もとうに過ぎてなお関係がハッキリしないこの状況。今時中学生だってこんなグダグダしてないさね。こんな中途半端で曖昧な関係じゃないと萌えないのか?この二人は!生殺し萌え?5巻目でやっとこんだけ?こうなったらとことん最後まで見定めてやろうじゃないか。相変わらず薀蓄は難しゅうございました。チンプンカンプン。でも謎解きの部分は面白かったな。

  • 図書館で初めて借りた。シリーズ5…⁉︎
    3分の2まで読んでもちゃんとした答えは曖昧で、最後の最後になるほど!と。

  • フランスにいる黒猫とイギリスにいる付き人。何の偶然か、イタリアにある「遡行する塔」で出会う。黒猫の隣にいる女の人には嫌いだな。黒猫と付き人の会話がたくさん見たい。イタリアで過ごす夜に、黒猫と付き人がお酒を飲みながら会話をするシーンは目が離せなかった。2人だからこそ出来る、想いの探り合いみたいなものが魅力的だった。

  • マチルド目線がおもしろい。黒猫のほれっぷりにほれぼれ

  • ロイヤルスイートルーム借りて食材とお酒買い込んで準備万端気合い入れてたのに、相手はGパンで現れスイートには無反応、ソファで無防備に寛いで寝て翌朝は約束すっぽかし…

  • 第5弾。相変わらず解釈はよくわからないけどキャラ読みで読破。そして続きがきになる。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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