- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152094940
作品紹介・あらすじ
開国、敗戦、そして大震災。相次ぐ困難の中でこの国は常に並外れた回復力を発揮してきた。村上春樹から被災地住民まで多くの生の声を元に日本の多様性と可能性を描く。海外メディア絶賛の話題作
感想・レビュー・書評
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新聞の書評欄で、2紙に同日に掲載されており、興味を持って購読。
知日派の英国人ジャーナリストの日本文明論。
東日本大震災のルポルタージュから始まり、刺激的な内容にたちまち読み進んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
従来の日本人論の偏った固定観念を改めようとする日本人論。
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外国人の目で、分かりやすく日本の近代、戦前、戦後を総ざらい。
第4章、「なぜ日本は戦争に向かったか」は、日本が戦争に至った(至らされた?)状況がよくわかる。
欧米に肩を並べたいが、認めてもらえず、劣等感が不満に変わる。日本ばかりが牽制されると思い込み、暴発し、ついには太平洋戦争に至る。
アジア侵攻も当初は解放戦争かもと思われていたが、実際は露骨な人種差別政策をとり、近隣諸国から失望された。
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1/22 68ページまで読了。一旦返却。
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Financial Timesのアジア編集長にして元日本特派員のDavid Pilling氏、日本を巡る渾身の論考、世界的にもかなり売れているらしい。
第1章、津波の章だけでも読む価値があるが、本書のもっとも魅力的な点は、日本という類まれなる秩序と繁栄を手にした国に対する最大限の敬意を表明しつつも、根拠のない「日本特殊論」には一切くみせず、他の多くの国と同じように、多くの悩みを抱えた不完全な存在として描いていることだ。
「・・・日本人は自国がほかに例のない調和の取れた社会であると考えたがる傾向があるが、他国と同様、この国にも階級、地域、性差、年齢などによる対立があるし、主流派の文化に対抗する非主流派(サブカルチャー)が存在し、社会構造の変化によって流動化することもある。だから『日本人はこう考える』というフレーズで始まる発言はまず疑ってかかった方がいい」(上巻、P.47)。
もちろん、日本人から見ればあまり深さのない事実のサマリーと感じる部分もあるし、例えば避けてとおれない戦争や憲法の問題についてこちらの言い分を主張したくなるあれやこれやはある。が、本書はほとんどのトピックで様々な意見を両論併記的にカバーしている。結論としてはどうも「左寄り」の肩を持っている気がする、と思う人は確かにいるかもしれないが、英国のジャーナリズムにとって権力との緊張関係は大前提、といった点も考慮する必要があろう。
ともあれ、杉田玄白の解体新書から小泉政権の郵政改革まで、これほど網羅的にカバーした本は滅多にないし、それを世界のEducated personが関心を持って迎え入れたということに深く思いを致さずにはいられない。そして日本の抱える課題についてこれでもかとあげつらったこの本は、しかし読めば「それでも再起する」日本への最大級の賛辞でもあることがわかるはずだ。
ここに描かれた日本像は、Financial Timesの信用力もあいまって海外から当面の「スタンダード」として受け止められる可能性が高い。そのことを、私としては(100%都合のいい本なんてあるわけない前提で)十分納得できる、と感じた。 -
ノンフィクション
歴史 -
171007 中央図書館
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著者は、フィナンシャル・タイムズの元東京支局長。東日本大震災の体験をきっかけとして、この本を執筆した。
主なテーマとしては津波と東日本大震災、著者が考える日本の歴史、現在の日本について考察している。震災以降、日本に対する海外の見方は悲観的だが、日本は決して衰退していないと説く。日本はこれまで、何度も厳しい危機的状況に陥っているが、その度に復興する力を示してきた。だから様々な議論はあるが、今後も上手くやっていけると考察している。但し、現代の日本人に対しては手厳しい意見もあり、特に日本の政治家の右傾化には不信感を持っているようだ。
ジャーナリストらしい視点で多くの日本人にインタビューし、現代の日本人とは何かを考察しており、とても面白かった。最近はメディアの日本賛美論が蔓延していて、日本の凄さを世界に誇り喜ぶ風潮がある。良い話を聞くのは確かに気持ち良いが、それを鵜呑みにするのではなく、日本に対する辛口の意見も読んで、自分の考え方が偏っていないかバランスを取ることも必要だろう。この本は、そういう目的で読むといろいろ考えさせられることも多かった。 -
わかりやすくまとまっています。
取材先の人物について著者の好き嫌いが如実に文章に現れていて、個人的には面白かったです。人によっては不快に感じるでしょう。