- Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152094971
作品紹介・あらすじ
〈名探偵ポアロ・シリーズ〉「私は近々殺される」ポアロの静かな夕食 は、若い女の突然の告白によって妨げられた。さらに女は懇願する。「正義の為に、決して捜査はしないで」と。シリーズ正統最新作
感想・レビュー・書評
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クリスティ亡き後、ポアロの新作が読めるとは思っていなかったのでとにかく読んでみたのだが、別にポアロでなくても良いような、ポアロでなかった方がすんなりと楽しめたでは?と思ってしまう。以前クリスティーが戯曲として書いたポアロの「ブラックコーヒー」を違う作家が後に小説にしたものを読んだが、そちらの方は、すんなりとポアロの世界に入り込めて、読みながら時折「これ、これ。」と思えたのだが、、、。今回は作者のポアロのイメージと、自分のポアロに対するイメージがあんまり合わなかったのか、相性が悪かったのか、そんな感じだ。
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書き方が回りくどいというか…、忠実に訳さないと謎解きに誤解が生じちゃうから仕方ないのかもだけど、でも読みづらかった。
ポアロの相棒のキャッチプールさんのキャラは……一体何なの、とも思う。
ヘイスティングズくらいが、やっぱちょうどいいな。
あと、時代は1929年のはずなのに、その時代を感じさせてくれない。
悪い意味で時代を感じさせてくれない。
クリスティーの作品は、ドイルやルブランの作品と違って、あんまりパスティーシュとかパロディーがないから、期待して読んだんだけどね。 -
名探偵エルキュール・ポアロは、お気に入りの珈琲館で夕べのひとときを過ごしていた。灰色の脳細胞の束の間の休息。そこへ、一人の半狂乱の女が駆け込んできた。どうやら誰かに追われているようだ。ポアロが事情を尋ねると、女の口からは意外な言葉が。彼女は殺される予定だというのだ。しかも、その女ジェニーは、それは当然の報いであり、殺されたとしても決して捜査はしないでと懇願し、夜の街へと姿を消した。同じ頃、ロンドンの一流ホテルで三人の人間が殺害された。すべての死体は口にモノグラム(イニシャルの図案)付きのカフスボタンが入れられていた。ジェニーは被害者ではなかったが、関連を嗅ぎ取ったポアロは、友人の刑事キャッチプールとともに捜査に乗り出すのだった。
名探偵ポアロ・シリーズ公認続篇ということで、これは読まねばと。表紙デザインが非常にお洒落で良いですね。もう少しお安くしてくれたらなお嬉しい。文庫化するとき、クリスティー文庫みたいになるのかなぁ?ちょっと気になる。
初の公認続編ということで期待も大きかったのですが、非常によく練られたミステリーという印象。ところどころ分かりにくくて何度か読み返したりもしましたが、何だろう、話が複雑なだけじゃなく訳が微妙なのかなぁ。ポアロの口調や推理の道筋に関しては違和感なく読めました。謎とは関係ないけど、キャッチプールが結婚しないのには何か理由があるのかしら?かたくなな理由がよく分からず。 -
なんかもっと、楽しんで読めるはずなのに。言葉のせい?
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名探偵ポアロシリーズをイギリスの作家が書いてみた、というやつ。白状すればポアロシリーズをきちんと読んだことがなく、テレビで見たくらいの浅さなので、実際のポアロと比べてどうか、という話は出来ない。なので単純にポアロという気難しい元警察官が出てくるミステリーとしてはそれなりに楽しく読んだ。まあ全体的に冗長すぎる会話や説明、どんでん返しにつぐどんでん返しの多さ、そして何より語り手である今回の相棒の内面のめんどくささ、そしてそれの活かされてなさ、などなど気になることをあげればキリがないが……まあ往年のファンが気に入らないことはなんとなくわかる。ムラは海外であっても怖い。
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クリスティの作品を読んだことがないので、本家と比べてみることはできないけれど、この作品のポアロには非常にイライラさせられた。一つの真相に辿り着くまで、無駄なやり取りや過程が多い。ポアロとキャッチプールの会話のテンポも悪くてなかなか読み進められなかった。翻訳物だから仕方がないけれど、英語だからこそピンと来るような部分もあって、日本語に翻訳され、その醍醐味が消えてしまったような。トリックもちょっと無理がありそうな部分もあったり。続編があっても、この作家さんのはもう読まないかな。
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クリスティのポワロのパスティーシュ。
クリスティ作品にパスティーシュが少ないのはあとがきで解説されてます。
個人的に思ったのは、パスティーシュだなあと。
まあ、私もポワロ全て読んだわけではないですし、訳者も(多分)違う。クリスティのポワロとは違うだろうなんてことは百も承知なのですが。
ポワロの言葉でフランス語フリガナ付くことってあんまりないきがするんですけど、やたらと多用されていたり。ああ、やっぱり別人なんだなあと思いながら読んでいました。
心の動きが同期という点は本家顔負けだったような感もありますが… -
ポアロといえば、アガサ・クリスティーが作り上げた名探偵。
原作は短編を2~3しか読んだことがありませんが、私の中ではイギリスのテレビドラマの丸い体形に特徴的な髭のイメージが染みついています。
原作はドラマでのお楽しみということで、英国アガサ・クリスティー社公認の別著者による本作を手に取りました。
前半は海外翻訳小説特有の読みづらさを感じましたが、後半は登場人物が出そろったことで、どんどん引き込まれました。
ロンドンの一流ホテルで起こった殺人事件から始まり、イギリスの田舎町の閉鎖的な人間関係と過去に起きた事件、ポアロのセリフにルビで「ボン」「ノン」「ウイ」と入っていたりと、雰囲気を十分楽しむことが出来ました。
図書館スタッフ(学園前):スケルツォ