ザ・サークル

  • 早川書房
3.86
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本棚登録 : 227
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095114

作品紹介・あらすじ

世界最高のIT企業、サークル。故郷での退屈な仕事を辞めて同社に転職したメイは、めくるめく会社生活を送りはじめるが……米文学界の注目若手作家が未来を予見する笑いと皮肉に満ちた傑作小説

感想・レビュー・書評

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  • 誰もが知っている検索大手のあの会社っぽい架空の会社「サークル」が舞台。そこに中途入社した若い女性が主人公の話。普段何も考えずに利用しているIT技術の数々、ソーシャル系のツール類が「社会を良くしたい」という私企業によって統合され、個人情報が丸裸になってしまった場合、行き着く先はどんな社会かを垣間見れる。企業に情報が集中してしまうこと対する警告とも読み取れるが、政府がやっている個人情報の透明化施策にも同様の恐怖を感じた。

  • 繋がること、シェアすることが加速していくと、こんな絶望的な世界になってしまうのかと思うととても怖い。こんなこと起こらないだろう、と笑えない今があるからこそ。
    ブラックユーモアの極地、デストピア小説という言葉にも納得がいった。

  • 2017年映画が来るということで先読み。まぁおもしろかったのだが、スピーディーなテンポがまるで映画向き。読書としては少々疲れます。原文がそうなのかどうか未確認とした上で、日本語版はけっこう読みづらかった。古式ゆかしい文学ではなく、そのスタイルでさえ情報の海の中心である“サークル”的な表現なのだとすれば、ふさわしい訳文と言うべきか。
    Facebookなどソーシャルメディアとのつきあい方を見直したい人や違和感を明文化しておきたい人(大なり小なりきっと誰もがそうだと思うのだけれど?)は読んでみるといいかも。確かに「嘘やヒミツがなければその場面で争いや憎み合いにならないのに」と思うことはある。でもヒミツ――まだ語られていないということは、人生で必要だとも信じているので、同書で描かれている世界はわたしにとって完全にデストピアでした。
    予告編で観ただけで判断するなら、メイ役のエマ・ワトソンがおそらくはまり役。完全にイメージ付けられてしまい、読書中も脳内再生はエマ・ワトソンだらけでした(笑)
    これは映画が楽しみ。救われる方向の描写があると嬉しいのだけど、どうなるのでしょうか。

  • メールやSNSでの活動、支払い履歴などの全データを蓄積する巨大インターネット企業「サークル」により、個人のプライバシーが可視化し1つの巨大な世界になっていく様を描く。

    映画化されるみたいですね
    メイはエマ・ワトソン、トム・ハンクスはカルデン?

    現在のテクノロジー進歩スピードを考えると
    SFでもない気がする、怖いですね。

    つかみはOKだったが、途中でだれた、長かった。

  • 現代の1984。舞台はサークルという「C」のロゴを持つIT企業。疑いようもなくモデルはGoogleであり、世界は知らず知らずのうちに情報を管理され、プライバシーはなくなり、監視のもとに晒される。「C」の穴が閉じるとき、サークルは完全な円になる。

    ここでは、SNSのニコマークを得るのに中毒になっている人間や、知る権利の正義を信じてハードワークをこなす人間がたくさん出てくるが、それらは全て私たちの生き写しだ。私たち一人ひとりは罪のない一般人だし、影響力もないし、そんなに悪い人でもない。ただその無意識の盲信が集団で持つ力はあまりに大きすぎる。

    知る権利は確かにあるところまで正義だろう。性犯罪をなくすこともできるだろうし、介護が必要な親の生活を見届けることもできるだろうし、税金の無駄遣いをなくす効率的な政治をすることもできるだろう。しかし、アカウントを義務化して、人間にマイクロチップを埋め込むのはやりすぎだ。ただ、その境目はどこだろう。その境目ははっきり分かったり急にやってくるものではなく、あまりにグレーで緩やかにやってくるために、我々は変化に気付かず、気付いた時には世界は終わっている。

    非常によくできた小説で、デイヴ・エガーズという新進気鋭の作家の実力にも非常に惹かれた。

  • ”今年、映画も公開されており、日本封切り前に原作を読むと決めて購入。500ページ超の大作小説だけど、文体がかなり早口(?)なので、話が佳境に入ってからは思っている以上にさらさら読み進められた。

    それにしても、ここまで公開されてしまう世界は怖すぎる…
    ただ、主人公メイの行動を笑いとばせない自分がいる。

    マーサー、カルデンの言葉にうなづきつつ、迎えた結末は・・・。

    映画ではどんな風に描かれているのか、楽しみ。

    <キーフレーズ>
    ・トゥルーユー(Ty)
    ・「“コミュニティ第一”知っているだろうけど、これが我が社のスローガンだ。」(p.54)
    ・「当社では、社員のソーシャルネットワークのプロフィールとアクティヴィティを社内活動の不可欠な部分とみなしているの。」(p.104)
    ★「君はつまらない人間になったよ。一日12時間デスクに座り、そのせいかとして見せられるものといえば、一週間もすれば忘れられる実在しない数字以外に何もない。君が生きたという証拠は何も残らない。」(p.278:マーサー)
    ・秘密は嘘
     分かち合いは思いやり
     プライバシーは盗み(p.323)
    ・「今起こっていることを止めなければ。僕は真剣だ。サークルの完全化が迫っている。」(p.340:カルデン)
    ・「みなさんの願いと気持ちだけを送ってください。メールやジングなどは結構です。」(p.385)

    <きっかけ>
    田中伶さんのビジネス書サロンでの紹介を読んで。”

  • 分厚めだったが一気に読んでしまった。
    現代版1984、とか言われているらしく、これまでも私の人生に何度か訪れては無視されている、【今こそ1984を読むのだ】のお告げまた来た…。
    主人公のメイが、「サークル」という会社の社是にだんだん染まって行く様子が恐ろしかった。
    ヒトラーも、パルパティーンも、民衆に歓迎されて独裁者になった。
    「サークル」もおんなじ。
    私も、GoogleなりAmazonなりドコモ(こう並べると小物感あるからむしろ信じてるんだけど)なり…に個人情報を提供しまくる生活への抵抗感がどんどん薄れている。というか抵抗感はあるのだけど、それよりも「便利だからまあ仕方ない(今さら無い生活に戻れない)」という気持ちの方が勝ってしまう。みんなやってるし、それが世の趨勢か、なんてわかったような理屈で納得して、受け入れてしまっている。
    安い方がいいし、早い方がいいし、楽な方がいいし、ちょっとやだなとは思っても、信念……なんて言うほどのものでもないしねえ、、ポチ、てな感じで。
    こういう怠惰な心が独裁者を作るのだなあ。
    頑なにケータイ持たない人、スマホにしない人、LINE使わない人、たちが時代時代にいた(いる)けど、周囲からさんざんからかわれたり文句言われたりしながらも「いえ私はmixiはやりません」と言っていたあの人みたいに高潔であらねば、とか思うその一方で、信念を貫くために死にたくはない。自分一人ならまだしも、家族が「死をも厭わず俺は信念を守る!」と言ったらどうする?生きるべきか死ぬべきか、それが問題よ…。
    そんなこと考えている間に、ただの便利な道具として世界に浸透しきった「サークル」アカウントが、悪魔の全体主義ツールに変貌しちゃうんだから、トロイの木馬。

  • 文学

  • この物語のようなことは既に現実に起こっている。ばかばかしいと思っても世の中の仕組みから逃れられなくなっていく

  • ザ・サークル

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著者プロフィール

作家、編集者。両親を早くになくしたがために幼い弟をひとりで育てることになったいきさつを書いた青春小説のような回想録『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』(文藝春秋)でデビュー。文芸雑誌の編集や社会活動に積極的にかかわりながら小説も手がける。『王様のためにホログラム』『ザ・サークル』(以上、早川書房)は映画化もされた。

「2019年 『あしたは きっと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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