進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義

制作 : 吉成 真由美  吉成 真由美 
  • 早川書房
3.65
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本棚登録 : 365
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095138

作品紹介・あらすじ

生物が地球にあふれているのはなぜか。一見のんびりした進化というプロセスの真の威力と意味を説くドーキンスの講義を、『知の逆転』の吉成氏の翻訳・インタビューと、満載の図版でお楽しみあれ

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、『利己的な遺伝子』で知られる生物学者リチャード・ドーキンスが、1991年に英国王立研究所で行った、進化についてのレクチャーを編集したもの。子供たちを対象としているため、平易な言葉で進化を説明している。

      ”「傾斜進化(ramp evolution)」と呼ばれるこのゆっくり登るルートを知らずに、とてもよくデザインされた生き物が頂上にいる崖だけを見たら、それは奇跡の結果に違いないと、おそらく誤解してしまうでしょう。しかし実際には「不可能な山」を登る方法はただ一つ、傾斜進化のゆっくりとした道のりを一歩一歩踏みしめていくよりほかにはないのです。長い時間小さな一つ一つの歩みを重ねていくことで、実に高いところまで登ることが可能になります。”(p100)

     生物は神が創造したとする「創造説」は、キリスト教圏では根強い人気があるらしい。それに対して、ドーキンスは進化論を擁護する。素晴らしく適応した現在だけを見れば、誰かが創造したように見える。だが、漸進的な進化で説明可能なのだ、と。特に鮮やかなのは、眼の進化についての解説だ。眼が徐々に進化してきたということが、肚で理解できた。
     「超自然的な解説」はわかりやすい。そして人は、わかりやすい説明に飛びつく。だが、科学とは「実際宇宙がどのようになっているかを知ろうと地道に努力を重ねていく」もの。時間はかかるし、複雑でわかりにくいので、敬遠されがちだ。本書は平明な言葉で解説しているので、高校時代、生物が苦手科目だった私でも楽しく読めた。現役中学生・高校生が読むと、生物への、そして科学への興味がかき立てられるかもしれない。

  • 元は講義なので非常に平易。
    この講義を実際に聞きたかった。

    出張の1日目の午後で読み終わってしまった。
    後2日、何か買わないと・・・

  • サイエンス

  • 1991年にThe Royal Institution of Great Britain(英国王立研究所)で行われたクリスマス・レクチャーを編集、翻訳したもの。新たに追加されたインタビュー以外に目新しい内容はなかったが、ロンドンまで行くのはともかく、翌年夏に東京と仙台でこの実演付きの講演を再現した「英国科学実験講座」は、実際に聞いてみたかった。2015年3月8日付け読売新聞書評欄。

  • ちょっと物足りなかったかな(^_^*)

  • 『利己的な遺伝子』が読むのがしんどかったため、
    こちらを購読。理解しやすい

  • 「利己的な遺伝子」のドーキンスが1991年に行った講義を再現したもの。
    例えや写真が豊富で分かり易く、確かに子供向けの講義なのだろうが、進化を説明する内容は圧倒的。大人でも唸ってしまう。
    本書で新たな知識を得るということはないかもしれないが、自然の素晴らしさ、今ここに人類が、そして自分自身が存在していることを、謙虚にまた誇らしく思える。

  • ドーキンスのレクチャーを書籍化したもの。
    豊富な実験で、レクチャーが分かりやすく説得力のあるものになっています。
    動画で見たいですね。

  • 英国王立研究所で、電磁気学・電気化学の研究で有名なマイケル・ファラデーが1825年に始めた“クリスマス・レクチャー”において、現在最も注目される進化生物学者のひとりリチャード・ドーキンスが『宇宙で成長する』と題して、1991年から5回に亘って行ったレクチャーの内容を編集・邦訳したもの。
    ドーキンスは、ダーウィンの思想的後継者とも言われる学者であるが、本レクチャーの中で、様々な実験・実例を使って、進化の問題を考える上で最も重要な以下のようなポイントについて、易しく見事に説明している。
    ◆現存する生物の進化のためには長い時間が必要であったが、人間にその長さがイメージできないだけで、実際にはそれに十分な時間が存在していたこと。
    ◆(神が世界を創造したと考える)「創造説」論者が、「神こそがデザインした」と言うようなデザインの生物(瓶のような食虫植物や小枝と見間違うようなナナフシ等)こそ、ダーウィンの「自然選択」という考え方で説明可能であること。
    ◆「創造説」論者が、「進化途中の中途半端な状態では役に立たない」と言う眼や翼のような機能でも、無いよりはあったほうが生存競争には有利であり、進化とは長い時間の中で幸運を僅かずつ積み重ねて、不可能と思われた山に登るのと同じであること。
    また、本レクチャーのテーマである「宇宙で成長する」とは「権威や伝統や個人的な啓示ではなく、証拠とオープンな議論とに基づいた、しっかりした科学的な宇宙観というものに移行していくということを意味する。・・・「超自然的な解説」というものに逃げてしまわずに、実際宇宙がどのようになっているかを知ろうと地道に努力を積み重ねていくことを意味する」と言い、今我々が存在するこの世界が如何に驚くべき素晴らしい事実に満ち溢れているか、そしてその美しさを詳らかにするのが科学の力であることを繰り返し語っている。
    訳者はあとがきで「ドーキンスの著作のエッセンスが網羅されているので、彼の世界への入門としても格好の書」とも述べている。
    進化論の世界を実感として捉えられる良書。
    (2015年1月了)

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著者プロフィール

【著者】 リチャード・ドーキンス (Richard Dawkins)
1941年ナイロビ生まれ。オックスフォード大学時代は、ノーベル賞を受賞した動物行動学者ニコ・ティンバーゲンに師事。その後、カリフォルニア大学バークレー校を経て、オックスフォード大学で講師を務めた。

1976年刊行の処女作『利己的な遺伝子』は世界的ベストセラーとなり、世界にその名を轟かせた。この本は、それ以前の30年間に進行していた、いわば「集団遺伝学と動物行動学の結婚」による学問成果を、数式を使わずにドーキンス流に提示したもので、それまでの生命観を180度転換した。

その後の社会生物学論争や進化論争においては、常に中心的な位置から刺激的かつ先導的な発言をしており、欧米で最も人気の高い生物学者の一人となる。

積極的な無神論者としても知られており、2006年に刊行した『神は妄想である』も全世界に衝撃を与え、大ベストセラーとなった。

王立協会は2017年に、一般投票による「英国史上最も影響力のある科学書」の第1位として『利己的な遺伝子』が選ばれたことを発表した。

「2018年 『利己的な遺伝子 40周年記念版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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