海を照らす光

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  • 早川書房 (2015年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784152095145

作品紹介・あらすじ

ドリームワークス映画化! 二十世紀初頭のオーストラリア。孤島に暮らす灯台守の夫婦は、ボートで漂着した赤ん坊を実子と偽って育てはじめる。心を揺さぶる愛と苦しみを描く世界的ベストセラー

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

孤島の灯台守の夫婦が、漂着した赤ん坊を実子として育てることで織りなす愛と苦悩の物語が描かれています。主人公のトムとイザベルは、孤立した環境の中で心の葛藤を抱えながら、愛情を注ぎますが、その選択がもたら...

感想・レビュー・書評

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  •  オーストラリア西部の孤島、ヤヌス・ロックの灯台守のトムとその妻イザベルは、ある日漂着した小舟に男と女の赤ちゃんが乗っているのを見つける。
     赤ちゃんは生きていたけれど、男は既に亡くなっていた。トムはこのことを報告しようとするが、イザベルはそれを押しとどめ、自分が赤ちゃんの母となって育てるとトムに告げる。赤ちゃんをルーシーと名付けた。

     母親はその赤ちゃんを探しているかもしれない、誰にもこの事実を告げずに黙ってルーシーを育てていることに、トムは時に良心の呵責を感じる。

     ルーシーが洗礼式を受けるときに、トムとイザベルはルーシーの実母がずっと夫と娘の行方を捜していることを知る。

     そして、トムは2回にわたり、ルーシーの実母、ハナにルーシーが生きていることを伝えた手紙を送る。そして、トムとイザベルがルーシー、本当の名前はグレース、を育てていることを当局が知るところとなり、ルーシーはハナの元へと連れて行かれる。でも、ルーシーはハナには懐かず、イザベルとトムのところに帰りたいと泣き叫ぶ。
     また、トムは全ては自分が決めたことと、イザベルをかばって逮捕される。

     でも、トムもイザベルも許せないハナだったけれど、結局は彼女の口添えのおかげでトムは釈放され、イザベルも罪には問われずにすむ。

     それから20数年が経過した最終章で、大人になった、ルーシー(グレース)がトムの前に現れる。


     そんなストーリー。途中からは読むのを止められず、引き込まれて一気に最後まで読んだ。最後の方は涙。

     イザベルの初めの決断は間違っていた。流産を3回くり返した後だとしても。そのイザベルの思いを結局は受け入れたトム。その時に、もう少し踏み込んで話し合っていたら、イザベルもトムも、そしてハナも、あそこまで苦しまずにすんだと思う。

     また、トムの行動は理解出来ないわけではないし、いい人なのは分かるけれど、やってしまったことが中途半端だったと思う。

     でも、人って、多分そういうものなだと思う。
     その時、その時に、自分にとって「善」と思える行動をとる。
     そこに、他者は不在となる。そして、それが時に悲しみや苦しみを生み出してしまう。
     それでも、真摯に向き合っていくなら、前を向いて歩いていける。
     そんなことを思いました。

     それにしても感じるのは、戦争が引き起こす悲しみ。

  • 孤島の灯台守,3年間に一度の休暇,まるで監獄のような環境だと思った.自分を罰するかのようなトム,彼を愛したイザベルも3度の流産は心を蝕んだことだろう.この二人が救いを求めるように犯した過ちが心に響く.もちろんあの時ああすればという思いもあるが,ルーシー・グレースに関わった人たちの愛する気持ちは紛れもない.波の砕ける音が響くこの物語は愛と許しの壮大な祈りのようだ.

  • 愛する人と正義との狭間で揺れ動く心理描写が巧み。人を愛すること、信頼すること、そして正しいこととは何かについて考えさせられる秀作。映画撮影中ということなので、どのような映画に仕上がるか楽しみ。

  • 灯台の光は船乗りを導いていく。
    時に迷っても、時に航路を失っても。

    人生という道程が途中、暗闇で閉ざされようとも我々を導く光はいつか現れる。

    愛と赦しの物語。

  • 子どもを持つ親の気持ちって、自分が親になってみないとわからないものなんだろうな…。それに戦争に行った人の気持ちも、実際に行った人にしかわからないもので…。
    兄たちが戦争で死んだのに、トムは生きて帰ったことを「フェアじゃない」とイザベルがトムを責めるところは、胸にガラスを突き刺されたような痛さだった。いくらカッとなっていたとしても、愛する夫にこんな残酷なこと言う?後半もイザベルはルーシールーシーばっかりで、トムのことはどうでもいいようだ。
    世の中には旦那はいらないが、子供は欲しいという独身女性もいるそうで…(あ、既婚女性にもいますね)。最後までどう転ぶかわからずハラハラした。大人に振り回される子供の姿を見ると、大人の定義についていつも考えてしまう。お互いに振り回し振り回されつつ成長していくものなのかな…。
    この灯台の表紙すごく好き。本棚に飾っておきたい。

  • 絆が生み出す幸福と苦しみの物語。
    まさにそういう物語。
    灯台守の孤独と、絶海の孤島での暮らし。
    子供を亡くした妻の絶望と、希望。
    子供と夫をなくした女の哀しみと、失った時間。

    映画向けの本ですね。
    映画もみてみたい。

  • 自分がイザベルならどうするか 夫のとった行動を許せるか 自分がハナならどうするか 子供の幸せを一番に考えるべきか それとも、情にに流されず自分が正しいと信ずることを成すべきなのか  
    オーストラリア人のドイツに対する憎悪が凄まじい それに対して、フランク(オーストリア人)の強さと優しさに感銘を受けた
    愛する両親に引き裂かれたルーシーの気持ちが辛すぎる 
    泣いた、泣いた、泣いた・゜・。

  • それぞれに苛立ちを感じてそれぞれに憐憫の情がわく。正しい正しくないという価値観もわからなくなって、煩悶した。

  • 我が子への、母であることへの執着。
    幸いにも、無事に母になれた私にはわからないし、語れないことだけれど。

  • 前半はオーストラリアの孤島の自然描写と共に、トムとイザベルの恋物語。美しく話が進む。ルーシーを得た後からは、ジワジワ暗い陰がついてまわり、遂にその日が来た後は読んでいても辛かった。最後は救われた終わりかたで良かった。

  • アメリカでは高評価ベストセラーだそうで、確かに面白い、面白いんだが予定調和なメロドラマという印象が拭えない。作家の初小説ということだが、キャラ設定やドラマの進め方に過剰なサービス精神とぎこちなさが感じられる。
    他人の子を育てたことがばれ実の親の元に戻されるが子供がなつかず、という話は珍しいものではなく現在香港映画で同じ設定の「最愛の子」をやっている。「罪をかぶって死んでもいい」と沈黙するトムの背景にある戦争の記憶や自身の生い立ちが、主人公を語る上でキモになるべきはずがうまく機能していない。イザベル、ハナの女性陣に共感を持てないのもツライ。
    孤島の灯台という舞台もメロドラマ的だが、「The Light Between Oceans」という原題、二つの大洋がダイナミックに出会う海原というイメージの投影は美しい。
    ケチをつけながらもぐいぐい読んだし終盤はじーんとしてしまった。ファスベンダーとヴィキャンデル(最近の彼女のシンデレラっぷりはすごい)で映画化には期待している。これは映画化に向いている。

  • 人に薦めたい一冊。
    オーストラリアの自然の描写が美しく、登場人物の心情が細やかに描かれている。それぞれの行いは例え間違っているとしても充分理解できる、ゆえに切ない。町の人々の憎悪に満ちた偏見でさえもだ。
    読み進めるにしたがって辛くなるけど、最後は救いがあって心にしみた。よかった。

  • 子のない母と子を探す母の物語。孤島の灯台守という狭い中で助け合って暮らしてきた家族が崩壊・・・?
    夫の深い愛情で立ち直ったのか???
    途中ちょっと投げ出したくなって少しおいてから読み終わりました。
    最終章は少し涙腺が緩みました。
    あくまでも最後まで彼女は母だったのでしょう。

  • きっと泣くと思ってなかなか手を付けられなかったけど、ようやく読めた。第一次大戦で深く心に傷を負ったトムは孤島で灯台守となる。明るく無邪気なイザベルと結婚し幸せになるはずだった。だが度重なる妻の流産で意気消沈していたところに、死んだ男と赤ん坊がボートで流れ着く。誰にも知らせず自分たちの子供にしたい妻にトムは抵抗できない。妻と赤ん坊を愛しながらも許されない罪を犯していることに苦しむトムと、赤ん坊に夢中になり秘密にするようトムにせまるイザベルの対比がリアルだ。彼ら以外にも赤ん坊の実の母親やイザベルの両親など一人一人の心の描写が温かい視点で描かれている。
    登場人物たち全てが、大切な人との死別の哀しみに満ちているのが印象深い。その喪失感を知っているから余計に目の前の愛しい人に執着してしまう。弱さと強さを合わせ持った普通の人間が、厳しく辛い運命を何とか乗り越えていこうとする姿勢に何度も涙が流れた。良い本が読めて幸せでした。

  • 舞台は、第一次世界大戦が終わったころのオーストラリア。戦争で心を疲弊して帰国したトムは、孤島の灯台守として赴任する。3カ月に一度の休暇を過ごす村で出会ったイザベルと結婚し、二人で灯台の島で静かで幸せな日々を送っていた。ある日、島に流れ着いたボートに生まれて間もない赤ん坊とその父親とみられる男が乗っていた。男はすでに亡くなっていたが、赤ん坊は一人泣いていた。さっそく本土に報告しようとするトムをイザベルが止めた。実は、その直前にイザベルは島で流産をし、子どもを亡くしていたのだ。
    ためらうトムを説き伏せ、二人は赤ん坊を生まれた子どもだと偽って育て始める。ルーシーと名付けられた子どもは、島ですくすくと育つ。
    しかし、海で亡くなったと思っていた赤ん坊の産みの母は、本土の村で自分の夫と赤ん坊を探し続けていたのである。

    前半は、トムとイザベルの出会いから幸せな結婚生活が美しい絵のように描かれ、ルーシーの登場で小さな波が起こるが、それも収まり3人家族として穏やかに過ぎていくかのように思われる。それこそが、後半の悲劇への大きな伏線で、大きなうねりのような変化に翻弄される。
    責められるところは本当に山ほどあり、それはトムも十分に承知している。その上で、大きな愛でイザベルを守り、ルーシーの本当の幸せを考え続ける。
    最後が安易なハッピーエンドになっていないところが、悲しくはあるけれど、心に残るストーリーとなっている。

    映画化が決まっているそうですが、きれいな映画になるのだろうなあ。

    いやはや、久しぶりにボロボロ泣いてしまいました。

  • オーストラリアの孤島、ヤヌス島に灯台守として赴くトムとイザベル夫婦。三度の流産・死産や、戦争で多くの命を奪った経験は、想像を絶する辛さだろうと、胸が締め付けられます。そんな孤島に漂着する1艘のボート。そこには男性の死体と、泣き続ける乳飲児。ストーリー展開もさることながら、登場人物の心の描写が実に巧み。その時代を生き抜く人としての在り方にとても感動しました。2016年映画化だとか。いい作品に出逢えました。

  • またしてもすごいものを読んでしまった。

    人は揺れる、人は迷う、人は間違えたり、憎んだりもする。誰がわるいとかわるくないとか、何が正しいとか正しくないとか…起こったこと全て、受け入れていくしかないんだなあ。母性は全女性にここまで無条件にかつ無尽蔵に備わってるわけじゃないよ、とは思うものの、イザベルとハナのひたむきさは理解出来る。

    灯台は照らし続ける。灯台をもってきたことで物語の調性は決まったと言えると

  • 20世紀初頭、オーストラリアの孤島を舞台に描かれた灯台守の夫妻の物語。3ヵ月に1度の定期船があるだけ、本土に戻れるのは3年に1度のみという閉じられた環境で、簡素な生活ながらも、愛し合いいたわりあう、完璧な二人であったのに・・・。
    悲劇的な結末が予想される内容で、ドキドキしながら読みました。でも、凡庸とまでいうと言い過ぎでしょうが・・・予想を裏切らない、ある意味「ありがち」な結末で、個人的に残念でした。

  • 第一次大戦で心に大きな傷を抱えたトムは復員後、南海の孤島ヤヌス・ロックで孤独な灯台守の職を得る。たった独りで生きていくつもりだったトムだったがイザベルという娘と結婚し幸せな生活を営み始めるがそこにボートが漂着する。ボートには既に亡くなった男と生まれたばかりの赤ん坊が。
    前半は明るい日差しの弾ける物語、そして後半は大型船も遭難するかのような大嵐の物語。
    そして訪れる最終章。鏡のように凪いだ海に太陽が沈むかのような感動が押し寄せてくる。

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