人の心は読めるか?

  • 早川書房
3.87
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本棚登録 : 331
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095176

作品紹介・あらすじ

「自分はあの人に好かれている」「彼はいま嘘をついている」「夫の考えることなら大体わかる」──じつは、たいていあなたの勘違い。相手の心を正確に読みとって、対人関係を改善する方法とは?

感想・レビュー・書評

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  • 顔の小さな0.5秒の動き
    人間は左右対称の顔を魅力的だと認識する

    人の心は読めない謙虚になって、
    顔を見合わせて、声と共に聞くことが

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-12009183655.html

  • 他人のことを理解しようとするとき、私たちは自己中心性とステレオタイプによるバイアスでしばしば誤解している。言葉、表情、あるいは微表情といった、隠しきれない本心がほんのわずかな挙動から言動の真偽を読み取ることはある程度可能だが、”どう”感じているかを理解するのはごく近しい相手であっても不可能に近い。他者の視点を獲得することができると問題解決の糸口が見つかる。これはどんな仕事にも生きそうだ。傍観者の理論は有名だけど、知識があると正しく動けることもある。もっと知識が欲しいなぁ。。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001061149

  • ノンフィクション
    心理

  • ・人の心は読めない
    ・むしろ、ある程度読めてると思ってるのはことごとく間違ってる
    ・なんなら、自分自身の認識についても、わりと間違ってる
    ・相手のことも、自分のことも、人に聞くしか理解への道はない

    ----------------------------------
    ・人がある選択をした理由を、それは"電気パルスと神経伝達物質と樹状細胞の複雑な連鎖反応"・・・ではあるものの、いちいちそうとは考えず、相手の心や考えを推し量る能力によって理解、判断する。人の脳が持つ能力である。
    →ただ、完璧に使いこなせてるのか?
    ・相手の心を読み取ったり、相手に好かれてるのか嫌われてるのかを予測したりすることは、ほとんど間違ってる(自分の想像と、相手の考えは大抵ズレている)ことが統計的に証明されている。
    →洞察力があるなんて、ただの幻想。
    ・自分についても、人は無理解である。自分の考えや思想に対して、実際の行動はえてして矛盾する。やろうと思っててもできないし。自分は人に見られてると思い込むし。
    ・人は自分の存在に肯定的なイメージを持っているため、自分は実際よりもイケてると思い込むし(自分の画像に対して、よりイケメンな5段階の画像とよりブサイクな5段階の画像を並べて"本当の自分を選べ"とすると、よりイケメンな画像を選ぶ)。
    →人は自分の頭の中で起きていることの一部しか認識できない(大半は無意識下で処理される)ので、自分のことを完璧には理解できない。「自分自身が赤の他人」
    ・内省でも足りない。物語を作り出しているだけ。無意識下の思考や反応で見落としていることはたくさんある。
    →自分の思考を説明する時も他人の考えを察する時の能力を使っている。
    ・自分のことはよくわかっているという幻想により、「他人より自分の考えのほうが優れてる、正しい」という思い込みを生む。
    →「自分は思ってるほど賢くないし正しくない。逆に、他人も自分が思ってるほど間違ってない」、と知ることで、謙虚になり、他人を許せるようになるべし。

    ・自分と心理的・身体的・思考的に離れた存在、異なる存在、劣った存在と思ってる程、または相手の心に無関心な程、その相手に第六感(想像力)が働かず、「心がない存在」、「知性のない存在」と誤認してしまう。
    →相手にも自分と同じ「心」があり、自分と同じように能力や経験を持っていると心に留めるべし。
    そのためには、同じことを見たり聞いたり考えたりして関心を共有し、相手の関心の矛先を知ること。それにより、視線や表情や動きがシンクロし、心・感情も一体化することが大事(それでも相手のことを理解するのは難しいのだが)。
    └仕事上で、従業員は金のために働いているのではなく(そういう面もあるだろうが)、自分と同じくいろんな理由が混在しており、よい仕事をしたいという思いもあるとみなせるかとうか、など。
    ・人間は、他者を通して存在する(アフリカのウブントゥという言い伝え)

    ・人以外(ハリケーンや車や為替の値動きやペットやぬいぐるみなど)が予測不能な動きをしたり人に似てたりすると、意志がある人のように思えてしまう。
    →それらに「心がある」と感じるプロセスは、他人に心があると認めるプロセスと同じ。

    ・人は自己中心性バイアスを持っている(簡単には克服できない)
    └起こりやすい出来事に対しては、他人より自分に起こる可能性が高いと思ってるし、起こりにくい出来事は自分のほうが経験可能性が低いと、心の中では思ってる(口に出すことと心の中は往々にして異なってたりする)
    └幸福度や喜怒哀楽や恐怖・ショックなどの感情面についても、人より自分のほうがより享受してると考える
    →人は自分の経験や感情についてはよくわかるが、他人のについてはよくわからない。だからといって自分が他の人より良い状態なわけないのに。
    └仕事や家庭内の貢献度に対しても、自分が思う自身の貢献度よりも他人が感じてるその人の貢献度の方が低くなる。
    └人は思ってるほど自分に注目してないし、気にしてないし、見てたとしても記憶に残りづらい。だから、失敗しても想像以上に大目に見てくれる(気にしてないから深刻に捉えてない)し、覚えてない。逆に、見てくれてる人は関係性がある人なので、それはそれで大目に見てくれる。

    ・他人も自分と同じように世界を見ていると思い込んでしまう。自分の見方は自分だけのものなのに。(簡単には克服できない)
    └それは、自分の信念、考えだけでなく、知識も影響する。
    └知識を持ってなかった時のことが想像できなくなるのは典型例。
    └自分が必要だと思うものは他人にも必要と思ってしまう←マーケティングでハマる罠
    └他人から見た自分の印象を知るには、自分が自分を見る視点を完全に捨て去る必要がある。昔の自分や細かい印象などは全く目に留まらず、簡単にわかる一般的な視点での印象部分で判断される
    └メールはニュアンスが伝わらないため、その文章の真意は全く伝わらない(統計的に、当てずっぽうと同じ確率でしか伝わらないとのこと)
    └神や国民などの抽象的概念を話す時は大抵、自分の考えに基づいて話してしまっている。神=自分になってしまう。

    ・ステレオタイプ(自らの見聞き、経験、思考、意見などをもとに判断されたもの、印象。ある集団の自分なりの特徴、イメージ、平均像。)は、ある程度は正しい。ただし、完全に正しかったり間違ってたりすることは、まずない。(凄い野球選手でも、ヒットもあれば凡退もあるように)
    └相手の心を単純化してしまう。本当は相手も自分と同じく、複雑なのに。
    └情報が足りてなかったり、世の中的な常識や定義に引っ張られてしまったり。
    └また、ステレオタイプによって理由まで推測してしまうと、ほとんどの場合間違えてる。
    └また、ステレオタイプによって、自分の思い込みを自ら助長してしまうと、その方向に結果も出る(女性の方が共感力があり、自分は男性だから...と思ってると、実際に共感力が身につかない、など)
    └相手の行動や、自分が見た範囲だけから判断すると、大抵読み間違える。ただ、見えたものからステレオタイプを作ってしまうのが人の脳なので、少なくともそれを知った上で「誤らない」ことを気をつけるべし。

    ・人の考えや感情は顔に出ないわけではないが、正しく読み取るのはほぼ不可能(統計的にも。)
    ・相手の意見、意志、考えは、相手に直接聞くしかない。相手をより理解するには、対話をする必要がある。
    ・相手の本心を言わないのは、恐怖心や不安感を持ってる時。本心を引き出すには、「親しい関係を築き、怒ったり罰や不利益を与えたりしないという信頼感を得ること」以外にない。
    ・相手の言うことを(ステレオタイプや自己中心性バイアスによって)誤解しないためには、自分が正しく理解できてるかどうかを確認する。つまり、自分の言葉にして伝え、確認する。


    ※その他
    ・人は、0.05秒の間に相手を判断する
    ・交渉術→論争・議論を解決する秘訣は、相手の関心は自分と正反対ではなく、自分の想像以上に重なってるかもしれないと認識すること。互いの関心事を包み隠さず述べて共通点を見つけ出し、互いに最大限の利益を得られるような解決法を編み出すこと。
    ・老化→老人を「賢い、思慮深い」など肯定的に捉えていると、自分が老人になった時にもそうなれる確率が高くなるらしい。しかも、精神的にだけでなく、身体的(病気になる確率が小さくなるとか)にも好影響になるらしい。
    ・行動経済学→相手の行動を変える効果的な方法は、その相手の思考ではなく、相手の置かれた状況を変えて、相手が既に望んでいることを実行しやすくすること。
    ・太らないためには→自分の意志を過信せず、家に食べ物を置かないことと。皿を小さくすること。(皿が大きくなくても、盛られたものを全部食べると満腹感は得られるらしい)
    ・意見を言う時→相手が聞きたいこと、相手がしてほしいことを話す必要がある。

  • 読心術の本と言っても、ノウハウ本ではなく、どういうときに読めていてて、どういうときに読めていないかを語ってくれる本。いかに自分が気づかずに人の心を読んでいるか、読んでいないかということがわかって面白い。

  • ・人の心を読むときは、広い視野を持ち、相手の置かれた状況を読み取ろう
    ・相手の視点に立って考えても逆効果の場合があるので、直接聞いてみよう
    ・人間の賢い頭脳がもたらしてくれる最善のものは、相手の心には自分の想像の及ばないものがあると認める、謙虚な気持ちなのかもしれない

  • やはり人の心は読めないな。人の視点に立って、と言われても、環境が違ったり、文化が違ったりすると誤解してしまう。男と女、白人と黒人などのステレオタイプで見る見方も、間違った見方をさせてしまうときがある。結局、相手のことをよく聞いたり話し合ったりすることで理解がすすむということだな。話もしないで、相手のことがよく分かっていると決め付けることがいけない。

  • 題名が気になったのでこの本を読みました。
    色々な研究が例に挙げられていて、興味深い内容がたくさんありました。相手と接するときに、人はどんなことを考えて過ごしているのかなど、発見もあっておもしろかったです。人は人の心を読めるのか読めないのか、納得できる本でした。

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