忘れられた巨人

制作 : Kazuo Ishiguro  土屋 政雄 
  • 早川書房
3.60
  • (76)
  • (137)
  • (135)
  • (25)
  • (15)
本棚登録 : 1447
レビュー : 188
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095367

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • なかなか解釈が難しい作品でした。
    人間、忘れていた方が幸せなのかそれとも全てを記憶していた方が幸せなのか・・・
    もし、嫌なことも苦しいことも、全てを覚えていなくてはいけないとしたら、それはとても辛いのではないかと思います。
    例えば、人間関係を通して嫌な目にあったとして、その記憶を薄めることができないとしたら相手をいつまでも許すことが出来ない気がするので・・・
    誰かを恨み続ける人生ほど辛い人生はないと私は思います。

    物語のクライマックス、この老夫婦は最後これで良かったのだろうかと考えました。
    読後、言い様のない切なさと寂しさが押し寄せて来る感覚が何とも言えない。

  • カズオイシグロ初挑戦。静謐な文章とイングランドの淋しい風景が脳裏に浮かんで良かった。結局人はわかりあえないということか。本のタイトルが英語では「The Buried Giant」なので、実際には『埋葬された巨人』になるのだが、埋葬の方がテーマにはあってるよね。「忘れられた巨人が浮かび上がる」ところには震えた。

  • 中世を舞台に描かれた記憶についての物語

  • とりあえず読了。
    評価が難しい…。
    自分としては「わたしたちが孤児だったころ」を読んだときの、もやもやぁっとした、虚しくて重たい気分を味わった。
    ただの、わけがわからない話しならこんな気持ちは残らないと思う。
    竜が死んだあと引き起こされるであろう憎しみや苦しみや、老夫婦の過去のすれ違い、そういったものに普遍的な、違うもの同士が争いながら生きていかなければならない現実を見るからかもしれない。
    余談だけれど、兎にナイフを突き立てようとする老婆、エドウィンを惑わし続ける母親の声、ガウェインを苛む黒後家集団、決して語り手にならないベアトリス、と女性たちがなかなか怖い(笑)
    完全な融和や和解がテーマではないからだろうか。

  • 著者の作品は「私をはなさないで」を読んだだけなので、あのイメージが強烈であった。
    今回はどんな話なのか、期待しながら読み進めるとなんとファンタジー。
    「指輪物語」的な世界観というか、本作の舞台がどうもイングランド的な感じからすると、「Q」(ルーサー・ブリセット著)に近いか。
    アーサー王のことなどほとんど知らずに読んでいたが、サクソン人とかブリトン人などこの辺りの知識を持っていれば、さらに面白さが増したかも。

    巻末『解説』によるそ、スコット・ルーディンというプロデューサーが本作の映画化権を獲得したとのこと。映画化されたらみてみようか。

  • 記憶を消してしまう霧とか、強い力を持った竜とか、アーサー王に関わる騎士とか要素はすごく良いんだけれど、中身は中途半端というか浅いというか。文体、翻訳、キャラクター、どこに問題があるのかわからないけど、全体的に勿体無い作品だと思う。

  • 最後のシーンが静かに印象的で、心に残っています。

  • おとぎ話的で、時々ミステリー的で。ジブリで映画になったら、きっとステキだと思う。

  • カズオ・イシグロと分かって読んでなかったら最後まで読み通してなかっただろう、というくらい取っつきにくい。なかなかハードルの高い本でした。

全188件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

忘れられた巨人のその他の作品

忘れられた巨人 Kindle版 忘れられた巨人 カズオ・イシグロ
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) 文庫 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) カズオ・イシグロ
忘れられた巨人 Audible版 忘れられた巨人 カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロの作品

ツイートする