「偶然」の統計学

  • 早川書房 (2015年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784152095602

作品紹介・あらすじ

奇跡的な出来事や、信じられない偶然の一致の話に人は容易に引き込まれる。しかしありえないことはじつはちょくちょく起こるから騙されないほうがいい。統計リテラシーが楽しく身につく数学解説

感想・レビュー・書評

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  • ●「到底起こりそうもない出来事がなぜ起こるのか」を主題に、格率について述べた本。結論を言えば、到底起こりそうもないと断ずる私たちの理解に誤りがあるとのこと。

  • 訳者あとがきによれば、正真正銘の確率・統計のプロが、途方もなく起こりそうもない出来事(宝くじに連続して当たる、雷に連続して当たる)が、なぜ、よりにもよって次々と起きるのかをほぼ数式なしで説き明かすもの。そしてその言葉に偽りはない。
    「不可避の法則」、「超大数の法則」、「選択の法則」、「確率てこの法則」、「近いは同じの法則」を軸に確率の原理からそれに欺かれがちな心理バイアスまで幅広く説明している。楽しく統計リテラシーが身につくのでぜひ。
    ただし、数式を用いないために却って説明が面倒になっている部分もありそう。

  • ありえない程度が数値化されていて、数字に対する感覚が少しついた気がする。

  • 数学
    サイエンス

  • ありえない偶然と思った現象は大数の法則から行って必然なのだということを統計的に説明してくれる本。色々な事例が出てきて面白い。ロトを2回もあたった人とか、ニューヨークとロンドンとインドのテロ発生時にすべてその場にいた夫妻とか、ありえねぇーと思うような事例が出てきて、興味深かった。2700万ドルにまだ上がった、ロトを総当たりで700万ドルかけて当てたという話も実際にあった話として面白かった。

  • まあ面白かったけど難しい

  • 「偶然」だの「奇跡」だの、という言葉で表現される事象が、一体確率的にどんなものなんですかね?ということを説明してくれたお話。

  • 著者によると、人間は確率を直感的に理解するのが苦手だという。
    それ故、本書のテーマでもある「ありえなさ」がいかにあり得るのか、ということを理解するのが難しい。
    それは、ものごとを理由や因果関係で理解しようとするからであり、自分から離れて客観的に見ることができないからであろう。
    人間のバイアスを知っておくことで、日常生活を少し賢く送れる気がする。

  • ものすごく珍しい、そんなのありえない、と思える出来事もよくよく考えてみたらそんなに珍しいことでもなく、説明がつく、ということについて。

    我々が生きていくうえではボレルの法則に基づくべきだが、著者が「ありえなさの原理」と呼ぶ5つの法則のため、実際には確率が過小評価されやすい。

    10^10光年のかなたで電子を一個取り除いたら、1億分の1秒後に地球上ので酸素分子の振る舞いがすっかりかわるとか、明らかな間違いと思われる記載が散見され、その他の説明も強引なところが多く、すんなり頭に入ってこない。

    ・ボレルの法則:確率が十分に低い事象は起こりえないものとして行動すべき。100万分の1の事故を恐れて家に引きこもるのは合理的でない

    ・迷信とは、因果関係がないところに因果関係があると信じこむことで、例えばクラップスをする時にサイコロにキスしてから投げると6のゾロ目が出やすいなど。儀式と望ましい結果に偶然の結びつきがいくつかあると、その結びつきを強化しない出来事が多数発生しても儀式は確立され維持される。因果関係があるならば、そこには必ず時間的な前後関係があるが、時間的な前後関係があるからというだけで因果関係があるとは限らない

    ・コインを100回投げて、表が60回出る確率は2.8%だが、コインが歪んでいて表が出る確率が0.50でなく0.52であった場合、60回表が出る確率は6.6%となる。

    1.不可避の法則:起こりうるすべての結果を一覧にしたら、そのうちどれかが必ず起こる。ただし、どれが起こるかはわからない。宝くじは誰かに必ず当たる。

    2.超大数の法則:十分に大きな数の機会があれば、どれほどとっぴな物事も起こっておかしくはない。(ちなみに大数の法則は、大きなサンプルの平均値は小さなサンプルの平均値よりゆらぎの幅が少ない、ということで全く別物)
    機会が本当はたくさんあるのに少なそうに見えることがあり、確率を低めに見積もりやすい。同じ誕生日の人がいる確率を50%以上にするためには23人で足りるという例など。

    3.選択の法則:事後に選べば実際よりも確率は高く見える。矢を射って、当たったところに的を描く。大災害の後や911の後で、ことが起こる前に色々前兆があったと主張したり。自然選択はうまくいった変異を残す(選択の法則)ことと超大数の法則の組み合わせで精緻なメカニズムを作り上げている。
    著者によると、平均への回帰もこのカテゴリに属する。平均点50点の試験で40−60点のグループと20−80点のグループがあれば、最高点をとるのは後者のグループである可能性が高い。しかし、二度目の試験では最高得点でない可能性が高い。

    4.確率てこの法則
    確率の見積もりが間違っていると、極めて珍しいと思っていたことが実はそうでもない。
    正規分布を想定すると、10σの現象は1.3X10^23分の一だが、世の中に正規分布をとる事象はあまりない。これが正規分布でなく実際はコーシー分布であった場合、32分の1となり、比較的ありえる現象となる。マーケットの暴落など。

    5.近いは同じの法則
    十分に似ている事象を同じものとみなすこと。
    同じ時期に同じ町を旅行していたら偶然の一致と思うかもしれないが、同じ県だったりしてもそう思う。聖書の暗号でHLPEという綴を発見してHELPとの一致と認めていたら、こういう暗号がたくさん見つかる。

  • 感想未記入

  • シンクロニシティやロトの当選番号の連続など、ありえないようなことでも実際に考えてみると現実的、といった、確率に関するお話。
    少し固めですが、現実の例を交えているので、読みにくくはなかったです。

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-12143273206.html

  • 不可避の法則
    可能なすべての結果の一覧をまとめられるならそのうちのどれかが必ず起こる。それぞれの起こる確率が極めて小さくても。
    超大数の法則
    機会の数が十分にたくさんあればどんな突飛な物事が起こってもおかしくなくなる。
    選択の法則
    事象が起こった後に選べば確率は好きなだけ高くすることができる。矢が刺さってから的を描くように。テストで良い点を取った学生は次のテストで点が下がる可能性が最も高い。
    確率テコの法則
    状況のわずかな変化が確率に大きな影響に及ぼしうる。わずかな状況の違いが確率を歪め、その度合いは途方もなく大きくなりうる。
    近いは同じの法則
    十分に似ている事象は同一とみなす。この法則も確率を大きく歪める。

  • プロでも騙されることがある確率の数学的なややこしさと、実際に起こった事件・事故の数奇性から、この手の本は何度読んでも飽きない。『人間この信じやすきもの』『たまたま』『リスクにあなたは騙される』に続く「確率本」。

    1億分の1の確率でも、1億回繰り返されれば「起こって当然」の事になるという、誰でもわかる話だが、これが当の私/あなた/もしくは身近の誰かに起きたとき、まるで超自然的な力が働いたかのように感じ、その偶然の背後に何掛かるのではないかと説明を考えてしまう。
    第2章 気まぐれな宇宙「なぜわが身に?なぜここに?」


    0-9の数字を5回適当に抜き出した時に"46984"になる確率と"77777"になる確率は同じである。でも77777が出たら凄いなぁと思ってしまう。また7777と続いたら最後の数は7が出にくいと感じてしまうが、実際は0-9まで確率は等しい。「次こそは」と思ってしまうギャンブラーの錯誤。

    また選択の法則にも要注意。いわゆる「後講釈」。事後的に都合のよい事象が選ばれている典型的な「占い」的な手法。ワールドカップで有名になったタコ。だがその背景には有名に"ならなかった"ヤマアラシのレオンやチンパンジーのピノがいるのだ。
    暗殺される夢をみて暗殺されたカエサルやリンカーン。だが暗殺される夢を見て"暗殺されなかった"日々の事は無視される。

  • 偶然は偶然ではないことを、確率論で読み解く。偶然と思えば、何でも偶然に出来るという指摘に、ひとりごちた。

  • 請求記号 417/H 29

  • 超大数の法則を理解できたから収穫。もっと統計について勉強したい。

  • あり得ない出来事、昨今、気軽に用いられる「奇跡」というやつは、超大数の法則をはじめとする「ありえなさの原則」で説明できる(いずれも著者造語)。
    不可避の法則:可能なすべての結果の一覧を出せれば、そのうちのいずれかは必ず起きる。
    超大数の法則:機会の数が十分にあればどれほどありえなく見える事でも起きうる。
    選択の法則:事業の起きた後に選べば確率は好きなだけ操作できる。
    確率てこの法則:バタフライ・エフェクト。
    近いは同じの法則:十分に似ている事象は同一とみなされる。

  • 数式はほとんど出てこない。

    この分野で、読んでいて、クスッとくる本はなかなかない。

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