人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病

制作 : 塩原 通緒 
  • 早川書房
4.10
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本棚登録 : 399
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095657

作品紹介・あらすじ

「裸足への回帰」という趨勢の生みの親として著名な進化生物学者が、現代人の病という視座を通すことで600万年の人類進化史をエキサイティングな、現在進行形の物語に変えた、骨太な知のサーガ。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻の、そして本書の核心となる疑問は、人間の身体は何に対して適応しているのか?であり、もっと言えば、われわれの身体に適応的なライフスタイルとは何か?ということだ。著者の答えは、人間が何に適応しているかなんて簡単に言えないということだろう。確かにわれわれの体には何千もの適応的な特徴があるが、すべてが適応的なわけでもなく「多くの適応にはトレードオフが関わっていて、人体のさまざまな適応の寄せ集めは、時として互いの衝突を生む」。ゆえに現代生活があまりに進化上逸脱しているわけでも、旧石器時代が健康的なわけでもない。

  • すんごい面白い。

  • 上下巻からなるこの本、上巻では主に現生人類と類人猿やチンパンジーやゴリラなどの他の霊長類との比較がメインになっている。化石などの骨格標本から、頭蓋骨、骨盤の違いを見て、直立歩行の影響を論じている。

    人類は他の生物と同じく環境に合わせて進化をしてきたが、適応が最も強力に進化するのは形勢が不利なときであるため、必ずしも現代の環境に適したものではない。そのことから多くの問題が引き起こされるのだが、それを人類の歴史から紐解くのが本書の目的となる。

    著者は、二足歩行が人類が他の類人猿とは別の進化の道を進ませる最初の決定的な適応だという。そのことで骨格にもいろいろな特徴が見て取れる。

    また、食料加工により食べたものの消化に費やすエネルギーを大幅に節約できるようになったことも大きいという。そのために余ったエネルギーを脳の成長と維持に回すことができたという。脳はエネルギーを消費するため、脳を大きくすることが進化上の利点があることは必ずしも自明ではないのである。一方、旧人類において脳が大きくなり続けたということは、賢くなることの繁殖上の便益が費用を上回っていたということができる。そして、このとき脳の拡大に伴って新たに獲得した能力のひとつが協力する能力であっただろうとも説明する。

    さらに旧人類と現生人類との差として、頭蓋の特徴から明瞭で聞き取りやすい言語音を非常に速いペースで発することにたけていたことを挙げる。そのことからわれわれは新しい発想を生み出したり伝え合ったりする素質に優れていると結論づける。われわれの成功の本質はわれわれが優れて文化的な種であるというのが著者の説明だ。

    しかし、この本は上下二巻にする必要があったのか。この長さにするためには、その必然性がなければならないと思う。長い参考文献と索引が付いていて真面目な内容の本だが、単巻にすることもできたはずだ。特にページ数に本来制約のない電子書籍まで二巻組にするのは怠慢であるように思うのだが。

    かつ、内容に大きな「驚き」がないのが残念。この点は読者次第でもあるかと思うが、同じく上下二巻の『病の皇帝がん』や『銃・病原菌・鉄』には驚きと発見があったのだが。

    やはり一巻にまとめるべき内容であるように思うのだが、どうだろうか。

    ということで下巻に続く。

    『人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病』のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152095660

  • 人間の祖先がどのような進化をして、ホモ・サピエンスになったかまでの話。
    進化といっても、生き残り戦略の色合い強し。

  • 2型糖尿病、骨粗鬆症、がん(特に乳がん)、など現代病と呼ばれる病気が生物学的進化と文化的進化のミスマッチから生じていることを説明している。
    まず、生物学進化によって人間がいかに効率的に糖を接種できる能力を獲得できたを示し、次に農業革命、産業革命を経て、人間がいかに過剰に糖を接種しやすくなったを示すことで、現代病の原因となる肥満になることが必然であることをわかりやすく説明している。

  • ☆農業により大量の糖類を摂取するため、インシュリンが多く生産されるになった。

  • 下巻でまとめる。

  • 健康は手段。なんのためにその手段を最大限活用したいのか?

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