道程:オリヴァー・サックス自伝

制作 : 大田 直子 
  • 早川書房
4.00
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本棚登録 : 113
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095893

作品紹介・あらすじ

今夏ガンで亡くなった、脳と患者の不思議に魅せられた著者が、オートバイに夢中の奔放な青年時代から医師として自立する際の懊悩、世界中で読まれた著作の知られざるエピソードを綴った衝撃の自伝

感想・レビュー・書評

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  •  12歳のときの通知表に <やりすぎなければ成功する> と書かれた少年がバイクに、化学に、ウェイト・リフティングに、同性愛に、サーフィンに、ドラッグに‥‥とありとあらゆることに首を突っ込んで、ひたすらやりすぎながら神経生理学の世界を突っ走った脳神経科医の自伝。「レナードの朝」や「音楽嗜好症」等々の世界をうならせた著作は、このようなエネルギーの持ち主でなければ生まれなかったのかもしれない。
     それにしても60年代のヒッピーの先頭を走っていたのも若きオリヴァー・サックス先生であったという話は、ヒッピー文化の多様性と深さを知るうえで大いに参考となるエピソードといえるだろう。

  • <blockquote>書くという行為は―筆が進んでいるときにはだが―ほかでは得られない満足と喜びを与えてくれる。テーマにかかわらず、書いていると別世界に引き込まれる。文字どおり無我夢中になり、気が散る考え、心配、関心事、さらには時間の経過さえも忘れる。そんなめったにないすばらしい心理状態にあるとき、私は紙がみえなくなるまで、とめどなく書くこともある。紙が見えなくなってようやく、もう暗くなっていて、自分が一日中書いていたのだと気づく。私は生涯にわたって無数の言葉を紡いできたが、書くという行為は、七十年近く前に始めたときと同じくらい新鮮で、楽しい。</blockquote>

  • 道程:オリヴァー・サックス自伝

  • 7月新着

  • 穏やかで人間好きな優しいお医者さん、という典型的なイメージを勝手にずっと抱いていたのが間違いと気づきました。珍しい症例を見世物的に並べるだけ、という批判に接したこともあり、しばらく著作を手にしていませんでしたが、未読の著作はもちろん、既読の著作もまた違ったところに重点を置いて、読み直したくなりました。
    想像以上に遥かに魅力的な人でした。
    ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

  • カオスの窓
    不思議な人々を記述した本人もとても不思議。
    動き続けた心と体をこれだけ記録してるのがさすが。
    改めてサックスコレクション読むべ。

  • ・錯視も私の心を引きつけた。知性による理解、洞察力、そして常識さえもが、知覚変容の力に対していかに無力であるかが浮き彫りになる。ギブソンの逆さメガネは光学的ひずみを頭脳が修正する力を示し、錯視は頭脳が知覚のゆがみを修正できないことを示していた。

  • 『レナードの朝』『妻を帽子とまちがえた男』『音楽嗜好症』などの作品で挙げられる症例は「人間とは何か」という根源的な問いを感じさせる。作者自身の全てをさらけ出す自伝。

  • 医事新報のコラムで紹介。ユダヤ人でホモセクシャルで異常なほど患者を客観視していたオリバーサックスの自伝。

  • 「レナードの朝」等の医学エッセイで有名なオリヴァー・サックスの自伝。両親が医者の家庭に育ち、紆余曲折の後、脳神経科の医者として診療を行いながら数々の症例をエッセイで紹介し、作家として才能を発揮する。
    彼は仕事の傍ら、オートバイツーリングに熱中したりウェイトリフティングに熱中したり、世界中を旅して廻る等、とにかく一つの事に熱中しやすく、精力的に行動するタイプの人だったようだ。いろいろな経験を紹介しているが、彼自身が人生を通じて最も熱中したことは、「書くこと」であり、日記・論文・手紙・本等で自分の考えや経験を「記録すること」がライフワークだったようだ。付録では、旅行中のベンチやドライブ中の車の屋根で書いている様子が紹介されている。写真も趣味だったというから相当な「記録魔」だったのだろう。人の顔が覚えられない等の持病もあったようだが、それでも交友関係を広く長く続けられたのは、彼の記録癖のお陰かもしれない。病気に冒された人達でも、人間としての可能性を信じて前向きに治療に取り組み、それを紹介してベストセラーとなった本の成立から発売までの裏話、後日談など、いろいろ興味深い話が出ていて大変面白かった。
    晩年の記述が少ないのと、性的な遍歴(本人にとっては重要なのかもしれないが)は不要と思うけれど、精神科医師らしくかなり自己分析的な内容で事後の考察も細かく(論文や本の言葉の数まで記録している)、自伝として秀逸な本だと思う。(翻訳も大変判りやすくて素晴らしい)昨年、惜しくも癌で死去してしまい、彼のエッセイが読めないのがとても残念だ。

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