青光の街 (ハヤカワ・ミステリワールド)

  • 早川書房 (2016年10月21日発売)
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本 ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784152096463

作品紹介・あらすじ

二度目の夫を亡くした作家の草壁ユナは失意の日々を送っていたが、元担当編集者の頼みで探偵事務所所長を引き受けることに。そんな折、旧友から「ユナ、助けて」とのみ書かれた謎のメッセージが!

感想・レビュー・書評

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  • ブルーライト連続殺人事件。これだけでなんだか面白そうな雰囲気はするのですが。さらに加え、主人公の友人の不可思議な失踪事件も絡んできて、スリリングな読み心地にページをめくる手が止まりませんでした。なかなか事件の全貌が見えなかっただけに、この真相は驚愕。
    ここでの小説の扱われ方、これはやはり小説好きとしては腹が立つこと。犯人許すまじ。体験したことを書いてそれで立派な作品ができれば世話ないわっ! 逆にそうなら、ミステリ作家さんたち、どんだけ殺してるんだ(笑)。
    主人公・草壁ユナのキャラクターも魅力的。「新シリーズ」ってことは、続編もあるのかな。彼女を取り巻く人間関係もいろいろ気になります。だけどこのラスト一文が……なんとも切ないような。

  • 久しぶりに柴田よしきの本格的な長編を読んだ気がする。「ブルーライト連続殺人事件」を追う警察と、「ブルーライト探偵社」の所長・ユナが巻き込まれた親友の誘拐事件。2つが同時進行し、後半まで2つの事件の接点が分からないまま。登場人物が多すぎて、少し話のまとまりがないような気もする。ラストの無理やり感も否めない。でも、話自体は面白いし、登場人物も魅力的。特に水野京は、「聖なる黒夜」の環を彷彿させ、これからもぜひ登場させてもらいたいキャラクター。

  • 都内にて、殺人事件が複数おきる。被害者の接点は見つからないが、遺体にはクリスマスの青い電飾が置かれていた。
    同時期、ブルーライト探偵社の所長であり作家の草壁ユナの友人が消息を絶つ事件が。
    様々な事件が一本の糸で繋がる真実は・・・
    登場人物、事件も多く、少々散らばりすぎていた感があったものの、事件がどのように繋がるのかが楽しみに読めた。
    次に繋がるような感じを受けたが、シリーズ化されるのだろうか?

  • +++
    撲殺されたOL、刺殺された出版社社員、絞殺された中学生……接点のない被害者たちのそばに置かれていたクリスマスの青い電飾。無差別殺人? 愉快犯? それとも秘められた動機が?――青い電飾が遺体のそばに撒かれる連続殺人事件が東京を震撼させていた。そんな折、作家兼ブルーライト探偵社の所長の草壁ユナに旧友・秋子から助けを求めるメールが届く。秋子の家を訪ねると、彼女を拉致した犯人からメッセージが。一方、探偵社で依頼を受けた有名人の婚約者の身辺調査が連続殺人と奇妙な繋がりを見せ……いくつもの事件が描く複雑な陰影すべての推理が重なり合う時、ユナの前に驚愕の真実が現れる! 作家にしてブルーライト探偵社の所長の草壁ユナ、最初の事件。読み出したら止まらない! 予測不能のノンストップ・サスペンス
    +++

    ブルーライト探偵社でいちばん役立たずなのは自分だと常々思っている所長の草壁ユナ(本職は作家であり、探偵ではない)が探偵役である。本職の探偵の助けも多分に借りているが、友人から届いた助けを求めるメールをきっかけに、彼女を救うための調査に乗り出すのである。最近連続して起きている青い電飾がばらまかれた殺人事件とも絡み合って、思わぬ真実が暴かれていく。折々に差し挟まれた「青い町」という素人の短編小説が二重構造の中に迷い込んだようでくらくらさせられる。最初の事件と内容紹介にあるので、シリーズ化されるのだろうか。ブルーライト探偵社から目が離せなくなりそうな一冊である。

  • ミステリとしての面白さは十分ある。が、柴田よしきはこういう真面目なミステリよりも、連作短編ものの気軽に読める感じの方が好み。

  • ひょんなことから探偵社の所長を務めることになった未亡人が主人公。友人の誘拐と連続殺人事件が並行して進行,一つの線に…。すべての謎が主人公の過去と関連しながら収束し解きほぐされていくストーリーはさすが。(ネタバレになるが)友人の狂言動機と暗号のくだりは少々釈然としないがそれを割り引いても面白かった。魅力的な登場人物達の活躍も見てみたい。

  • 一見、無関係に思えた殺人事件の遺体のわきに撒かれた青い豆電球の電飾。「ブルーライト殺人事件」と世間を騒がせる連続殺人事件を追う刑事と、偶然にも「ブルーライト」という社名を掲げた探偵社で作家業のかたわら雇われ所長をしている女流作家。
    まったく異なった視点で物語は進み、やがて距離を狭め、新たな像を生み出していく。
    王道、鉄板のミステリーの進め方、という感じで、さすが柴田よしきは読んでいて手堅いな、安定感があるな、としみじみ思った。

  • 並行して進む「連続」殺人事件と、「誘拐」事件。一方、ユナの探偵事務所に依頼された事件は「連続」殺人事件の一環なのか。
    ユナの造形は著者の他の作品の女性探偵と被るので、友人の事件についてはある程度想像がつく。利己的な関係者たちのなかで、自分なりの矜持をもって働く探偵たちの存在に励まされる。

  • 青い電飾がつなぐ連続殺人と、ある人妻の失踪。
    捜査する探偵社の面々がそれぞれに魅力的。
    犯人から送られたDVDから手掛かりを見付ける展開も面白かった。ああいう推理戦、好きだなぁ。
    犯行の動機が、思いもよらないものでびっくり。
    だって、そんなのって!
    ユナと昔の夫、そして秀之の関係がどうなっていくのか気になる。

  • 展開が早くてとても読みやすかったですし、最後まで結末が分からず読み耽ってしまいました。ドラマ化されそう、お薦めです!

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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