いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」 (ハヤカワ・ノンフィクション)

  • 早川書房
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本棚登録 : 87
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152096470

作品紹介・あらすじ

36歳、医師、末期がんと診断される。手が届きかけた未来が消えた。それでも、希望とともに生きたい。医療現場への復帰をめざし、子供を望み、死の直前まで書いた。限りなく前向きな生の記録を。

感想・レビュー・書評

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  • がんと宣告されてからも、生き抜く。
    癌患者はそんな突然に訪れる宣告に対しても、思考錯誤しながらも、人生を全うしていく。
    そう考えさせられたが、同書では、自分自身が医者で、医学知識がありながらも自分の感情の葛藤も書き記した。
    著者、そして著者の妻、両者の美しく、心を動かす文章に涙ぐみました。

  • 936
    2017年度 チャンプ本
    2018年度 準チャンプ本(7階会場)

  • 本当の生とはアイデンティティを確立していく過程(意味の獲得)。決して、生物学的な生ではない。生きながら生きていない人はたくさんいる
     
     -私たちのアイデンティティとは、この先も長く生きられるという見通しと密接に結びついている(短いなら家族、中くらいなら本、長いなら外科医)

     -エマはかつてのアイデンティティを取り戻してくれたわけではなかった。新しいアイデンティティを作り出す能力を守ってくれたのだ。そして、私は悟った。新しいアイデンティティを自分で作らなければならないのだと

     -人間関係  :家族、子供
     -目的(他人):外科医、人を助ける
     -目的(自分):相対論の完成

     -優秀な脳外科医でも、自らが死を前にするとアイデンティティが揺らぐ。私の人生には意味があったのだろうかと

     -データを分析することはできるが、それがルーシーと私に子供を持つべきか教えてはくれなかったし、自分の命が消えつつあるなかで新しい命をはぐくむことにどんな意味があるのかも教えてはくれなかった。統計を超えて、死を個別に向き合わなければならなかった

     -自分にとって一番大切なものは何か、考え「続け」なければなりません。脳神経外科がだめなら、父親になること?脳神経外科でいること?教師になること?

  • 脳神経外科医として死と向き合ってきたポール・カラニシが肺がんになる。
    症状から自分ががんであるとわかったときの気持ちはいかばかりであろうか。医師としては患者をひとつのプロジェクトと捉えることで仕事の効率化を図ることができる。しかしそれは一部分でも人間を人間として扱わないことに他ならない。
    ポールはそれを決して否定はしない。しかし医師から患者へと立場を変化させることでその残酷さを体感することになる。
    人として生きることとはどういうことか。生きる意味とはなにか。「がん患者」ポールにとって脳神経外科医の仕事はあまりに過酷だ。睡眠時間も体力も私生活も削って向き合わなければならない。
    がんから一旦復活したのになぜ激務に戻るのかはポールにしか理解できないし、ポール以外の人間は理解する必要もない。ただ受け止めるだけだ。
    もしかしたら医師としての仕事ががんの再発を促したのかもしれない。しかしポールは後悔しない。
    ポールは病を理解し、受け入れた。
    それだけの能力があった。
    ある人は民間療法に頼り、ある人は宗教に頼る。それも選択だ。その人たちにとっては生の時間を延ばすことだけが生きる意味になる。
    それ以外の選択を排除すべきではないのだ。
    生きるために生きるという選択肢は、ある人にとってはもはや死んだのと同じなのだ。

  • 読みたかった本が、ようやく日本

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