9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

制作 : 山形 浩生 
  • 早川書房
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本棚登録 : 442
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152096975

感想・レビュー・書評

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  • これまでのビジネスで活躍した人を例に、うねるような世の中の多様性を垣間見ながら、これからの未来を生き残るための思考のヒントになるような考え方を興味深く読むことができました。

  • 9個の原則自体はとても参考になるが、冗長で読みにくい点と、具体例が難しかったり長かったりで集中し続けて読みにくかった。


  • 日本語訳が非常に読みずらい点においてマイナス1をつけざるを得ない。

    冒頭にインターネットが登場するまで、株式市場は史上最高の情報システムだったとある。現在起きている市場経済と民主主義が「価値主義」に転換している状況は、この考察からしても必然だと感じた。
    オープンソース・ソフトウェアが発展したように、研究の分野でも、閉じた活動から開かれた共同作業により機能を成すようになった。これも創発だという。
    グローバリゼーションで、あらゆる物事や情報の取引コストが下がってくることに対して、これまでの偏った社会に対する既得権を持った人たちは脅威を感じるかもしれない。
    文字や暗号などの情報伝達の手段が無かった時代にも同様に既得権を持った人間がいたはずだが、今となっては、そんなものにしがみつくのは誰の目から見てもバカらしい

    キーワードである「反分野的なアプローチ」は、まさに技術分野だけではなく、これからは、何を切り拓くのにも必要になってくるだろう。
    原題はWhiplash「むち打ち症」で、乗っているぼくたちがむち打ち症になってしまうほどの急速度で変化する社会、というスピード感の表現だ。
    それに従って、これまでの社会、経済、ビジネス、技術開発の常識は全く通用しなくなっている。こうした新しい時代に通用する理念、哲学、行動原理とはどんなものか?それを9つのプリンシプルとしてまとめたのが本書だ。

    ・自然発生的な動きを大事にしよう
    ・自主性と柔軟性に任せてみよう
    ・先のことはわからないから、おおざっぱな方向性で動こう
    ・ルールは変わるものだから、過度にしばられないようにしよう
    ・むしろ敢えてルールから外れてみることも重要
    ・あれこれ考えるより、まずやってみよう
    ・ピンポイントで総力戦やっても外れるから、取り組みもメンバーも多様性を持たせよう
    ・ガチガチに防御をかためるより回復力を重視しよう
    ・単純な製品よりはもっと広い社会的な影響を考えよう

    挙げられている各種の事例について、著者たちはなぜおもしろいと考えたのか、そのどこに注目したのか、もちろんそれは、収益性や経済効率だけではない。もっと原理的なものがほとんどだ。これまで使われているのとは全然ちがう原理がそこに作用しているとか、これまでの常識を覆しかねないとか。何かを見ておもしろいと思わない人に、そのおもしろさを説明するのかなりつらいことだ。でも本書はがんばってそれを実践して見せてくれる。

  • 科学の進化に比べてプリンシプルは変わってはいけない気がします。だけれど時代に適合しなければいけないのも事実。

  • 思ってたより具体例とかがあってわかりやすかった
    ただ、学生である自分としてこれらを実行する場がまだないな
    いや、多様性を身につけて、リスクを犯して、実践すればいいんだろうけど、

  • 「インターネットが世界をどんどん変えていくからそれに備えよ本」飽きたなあ・・・というのが正直な感想。テンション上げて真に受ける人にはすごく良いこと書いてある。「○◯でサクッと稼ぐ」みたいな、15匹目のドジョウ的ビジネス書を読むよりは数倍有益ですが、個人的にはもうお腹いっぱいでした。


  • なんか、勝ってなイメージなんだけど、アメリカ人って、原則好き。多人種でコミュニケーションをはかる上で、色々ごちゃごちゃ言うより、原則を共有した方が良いのだろう。
    インターネットが起こした様々な革命が、多様かつ高速化していて、未来がどうなるかなんて更に予想がつかなくなって来ている今、これまでの流れを俯瞰して見て、エッセンスとして抽出したのが、この9つの原則といったところか。
    ちょっと読みにくいんだけど、あえてそういう書き方をして、数回読んだり、時が経つと分かりやすく感じる類の本だからかも知れない。

    <9つの原則>

    権威より創発
    プッシュよりプル
    地図よりコンパス
    安全よりリスク
    従うより不服従
    理論より実践
    能力より多様性
    強さより回復力
    モノよりシステム

  • 21世紀に大事な9つのルールについての解説。
    印象にのこったのは以下。
    教育よりも学習を重視する、という概念だ。学習は自分でやること
    遺伝子シーケンシングは、ムーアの法則の六倍の速度で、価格は低下
    人生で、周辺視力モードと集中した実行モードとを切り替える能力は、おそらくひらめきを活性化するための最も本質的な技能の一つだろう。
    すべてのねじは、頭を平らにして、ねじ山角度は六〇度ちょうどにすべき。単純な提案──工業部品の最もつつましいものの標準化──は交換可能な部品の開発を引き起こした
    子供たちは気鋭のプログラマから受け身の利用者になった。(GUIの弊害)
    言われた通りにしているだけでノーベル賞を受賞できた人はいない」(適度に命令違反を)
    アメリカの公民権運動は市民不服従なくしては起こらなかったことも続けて説明した。インドはガンディーやその支持者たちによる、非暴力でもしっかりした不服従がなければ独立できなかった。このニューイングランド地方で祝われているボストン茶会事件も、かなりの不服従だ。  社会の役に立つ不服従と、役に立たない不服従とのあいだの境界線はとてもむずかしいもの

  • 未来の予言書ではないと書いてありますが,そう読めてしまうところもあります.著者の意図するのは,急激に変化する世の中でどう生きていけば良いかという指針みたいな感じなんでしょう.でもこれって,今だから,の考え方ではないような気もしました.

  • MITメディアラボ所長の伊藤穣一が中心になってメディアラボの行動規範をまとめたものである。

    その行動規範と言える9つのプリンシプルは次のようなものである。

    1. 権威より創発
    2. プッシュよりプル
    3. 地図よりコンパス
    4. 安全よりリスク
    5. 従うより不服従
    6. 理論より実践
    7. 能力より多様性
    8. 強さより回復力
    9. モノよりシステム

    伊藤穣一がメディアラボ所長就任のときに「独自性、インパクト、魔法」の3つを重視すると言ったときにラボの方向性は決まったのかもしれない。9つのプリンシプルズは、「独自性、インパクト、魔法」を実現するために必要な指針を示してくれるもののように思う。ここで挙げられたプリンシプルはすべて、「XXより○○」という形で表現されているが、「XX」で表現されるような思考形式はこれまでの社会において深く根を張っているもので、意識的に捨て去ることが重要であるということだ。それは現在から未来において、捨て去ってみれば、なぜ今までそうだったのだろうと思うような類のことなのかもしれない。

    アカデミーでの学位を持たない伊藤穣一がニコラス・ングロポンテの後を継いでメディアラボの所長になったのは意外な選択で驚きを持って受け取られた。それでも、意外ではあったが愚かであるとはとらえらなかったようだ。メディアラボとしても彼のような人材を必要としていて、収まってみるとこれだというところにきちんと収まっているように感じるような類の選択であったようだ。

    「教育ではなく学習」といった表現に出会うたびに、先日読んだ『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』に書かれていることにとても近いような気がした。
    「人々はしばしば何が「正解」か、何を要求されているのか、「合格」するために何を満たすべきかを知る必要がある状態からプログラム解除されねばならない」ー やはりいまだ自分に足りていないところだ。

    「絶対に未来に関するわれわれのビジョンを信じ込ませようとなんかしていない。というのもそんなビジョンは持ち合わせていないからで、単に未来がいまの関跡はとてもとてもちがったものになるという下たい信念しかない」という。なので、ここに書かれたものは、未来を考える上では具体的なアイデアというよりも、あるべき姿勢というものを示したもになっている。その方が大事で有効なのだ。

    「成功への鍵はルールや、果ては戦略ではなく文化」だという。未来はどのような形になっているのだろうか。この本を読んでもその答えは書かれていないが、何かが起こることと、それに備えておくことが大切であることはわかる。

    読む前に身につけておかなければならない内容。読んだからといって身につく内容ではない。でも、読んでおいた方よい。そういう内容。


    ---
    『名門校「武蔵」で教える 東大合格より大事なこと』のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4087208974

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プロフィール

伊藤穰一(いとう・じょういち)
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ所長
1966年、京都府生まれ。少年時代をアメリカで過ごし、シカゴ大学などで物理学を学ぶ。日本でのインターネット技術の普及に尽力。インターネット事業への投資に携わり、これまでに Twitterなどネットベンチャー企業の事業展開、事業育成を支援している。米国Foreign Policy誌にて、「世界の思想家100人」に選出。2011年、日本人として初めてマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボの所長に就任。

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