9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

制作 : 山形 浩生 
  • 早川書房
3.27
  • (9)
  • (25)
  • (33)
  • (14)
  • (3)
本棚登録 : 466
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152096975

作品紹介・あらすじ

「地図よりコンパスを」「安全よりリスクを」「強さよりレジリエンスを」……追いつくのも困難な超高速の変革がデフォの世界で生き残るには、まったく発想の異なる戦略が必須だ。屈指の起業家とジャーナリストによる必読のイノベーション/ビジネス・マニュアル。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • いかにもアメリカな本。抽象度も高く、日本の書籍とは一線を画す。日本的な手取り足取りのHow toを求める人は、目次を見るだけで十分。MITメディアラボのラディカルな姿勢が窺えて、面白い。

  • Whiplash: How to Survive Our Faster Future

    1.権威より創発: 自然発生的な動きを大事にしよう
    2.プッシュよりプル: 自主性と柔軟性に任せてみよう
    3.地図よりコンパス: 先のことはわからないから、おおざっぱな方向性で動こう
    4.安全よりリスク: ルールは変わるものだから、過度にしばられないようにしよう
    5.従うより不服従: むしろ敢えてルールから外れてみることも重要
    6.理論より実践: あれこれ考えるより、まずやってみよう
    7.能力より多様性: ピンポイントで総力戦をやっても外れるから、取り組みもメンバーも多様性を持たせよう
    8.強さより回復力: ガチガチに防御をかためるより回復力を重視しよう
    9.モノよりシステム: 単純な製品よりはもっと広い社会的な影響を考えよう


    読みにくい。各プリンシプルとそこで取り上げられている事例がどうつながっているか、ついていけなかった。

    変化は前世紀のどこかで人類を追い越した。いまは幾何級数の時代だ。そしてそれが、われわれの時代を定義づける3つの条件をもたらしている。
    ・非対称性 費用と便益が規模に比例するとは想定できない
    ・複雑性 
    ・不確実性


    メディアラボの「メディア」は「情報通信手段」「アーティスト、作家、ミュージシャンの使う材質や形式」であると同時に「何かがその中で存在したり育ったりする物質」とか、単に「ある特定の目的で使われるもの」とか解釈されている。 p35

    …企業がアトムをオフショアに移動できるようにする。残るのは何だろう?「アイデアと、それをマーケットする力だ。それだけ」。 p138


  • 訳がおかしくて理解できず、結局、洋書で読んだ方がわかりやすかった。
    MIT Media Laboのジョイイトウによる、イノベーションを起こすには、スピードが求められる現代における大事なプリンシパルとは。
    マップよりコンパスを。これが最もいい言葉だ。細かく計画していったとしても、結局修正修正。それであれば、コンパス、つまりは方向性をしっかり決めて、あとは全力で進む。途中、色々困難もあろうけど、それをその場で臨機応変に対応する。MBAホルダーが計画して、そこから金を集めて、デザイナー、エンジニアに作らせるのはBIつまりインターネット以前の話。インターネットが登場したあとは、イノベーションコストは限りなくゼロに近い。その環境下では、デザイナーやエンジニアがドリブンとなったイノベーションモデルが登場する。学生であっても、何かを生み出せるし、そのあとで金を集めて、最後にビジネスプランを立てるためにMBAを雇えばいい。ジョイさんは本当に面白い。シリコンバレーではもはやイノベーションが起きない、ファンドが集まっていてお金はあるが、人はグーグルに持って行かれて誰もいない。よって、大学のそばでイノベーションの卵を見つけて、お金はシリコンバレーで集める。そんなモデルもありじゃないか。自分の子供は小学校にはいれたくない。子供は、何かを作ったりするときに成長する。覚えることに時間を費やす意味なく、Wikipediaがあれば十分じゃないか。それより、質問すること、そしてそれをメンターとしてファシリテーターとして見守り進めてやる大人の存在、そして世代の違う人たちが交わることが大事。それは全て、日本の小学校ではできないと感じている。

  • 視点がちゃんとしていて、こうやってものを捉えれば良いのかと新しい気づきを与えてくれる本。
    淡々と書かれているので、ビジネス書を読み慣れているとなかなか入ってこないかも。

  • ・教育よりも学習を

    ・創発民主主義
    アラブの春としての成功
    同時にイスラム国も生んだ
    トランプもサンダースも、率いたのではなく、乗った

    ・中心から周縁へのpushではなく、
    周縁で起こるイノベーションにあわせて
    資源をpullすること。(人材然り)
    ストックではなくフローになる時代
    個人の心の持ちようとして、オープンネス

    ・想像プロセスにおける標準化の重要性
    ねじの形を標準化することで効率化

    ・MIT「デモするか死ね」「液体のようになりたい」

    ・子供は、学習意欲がある。
    それを伸ばすのが大人の仕事

    ・良心的な不服従
    そこから生まれる新しいアイデア

    ・理論体系で考えていると、理論上は正しいが直観的には間違っていることが起こる。
    ex)ペストに関する解釈

    ・共感の輪をいかに拡大させるか

    ・強さより、回復力。
    生物的なシステム多様性。
    「予想できない」ということを予想すること

    ・ものよりも、システムを

  • 伊藤穰一とジェフ・ハウの共著を山形浩生が訳しているというのだから、読みたくなるではないか。全体的に(まあ、Joi にとってはいつもの通り)リベラルに寄り過ぎているので慎重に読まなくてはいけないが、社会全体がそちら方向に倒れてきつつあるというのもまた事実だ。我々の世界は確かにランニングシューズから超音速ジェットに乗り替えつつあり、このペースチェンジは、硬直化しやすく変化への対応が苦手な日本にとって特に深刻なダメージを与えかねない。ここ2、3年が勝負どころだろう。

  • MITのメディア・ラボが肌感覚で捉えている、変化の激しい時代に生き残っていくために必要なものごとへの向き合い方を感じることができた。

    変化が加速度的に進む時代においては、これまでの枠組みの延長上で将来像を予測することはできない。その際に、より抽象度の高いレベルで社会の仕組みや技術構造の変化を読み解く推論の力も必要だが、実際に変化を起こしながらリアルタイムで社会とやりとりをしつつ、新しいパラダイムを作り出していくような力も求められている。

    生物学は技術だと喝破したトム・ナイトや、「実配備せよ」というメディア・ラボのスローガンに、そのような姿勢が表れているように感じた。

    パラダイムの変化は、全体像を先に作ったうえでシステマチックに起こるのではなく、部分の突然変異がその周辺、やがては全体に影響し、結果的にまったく新しいシステムへと変容していくといった形で起こってくると考える方が自然である。そうであれば、その突然変異の最先端にいることが、進むべき道を切り開くために必要である。

    一方で、メディア・ラボは時代の最先端にいることだけを至上の価値としているわけではなく、その変化が社会のあり方をどのように変えていくのかという、どちらかというと意味や価値の領域をも重視しているという点も、非常に大切なポイントであると感じた。

    「責任あるイノベーションは速度と効率性以上のものを必要とする」という発想に、その姿勢が表れていると感じた。しかし、メディア・ラボでは、それはある特定の価値観を前提に新しいシステムを「設計する」という発想につながるものではなく、あくまで社会のシステムのとの「関係性」の中で、イノベーションがどのような影響を与えるかを常に考えるという姿勢につながっていく。

    ネットワークのノードとしてのラボとして、モノづくりだけではなく、慈善財団、篤志家、コミュニティといった様々な主体との関係性を作り上げていく姿勢は、オープンなシステムに変革を起こそうとする組織のあり方として、非常に大切なものであると思う。

    大学のラボという枠組みを超えて、これからイノベーションに関わる全ての組織に必要な要素を教えてくれる本だったと思う。

  • 人生100年時代と呼ばれ、健康な期間も延びている中で、かつ、変化が早いという最悪の組み合わせに思えるような時代で、大げさでなく「生き残る」ためには、一言で言えば適した変化ができるということなのだろう。

    ネットワークや学習、プルや創発、回復力、というワードからも確実に読み取ることができ、変化のための失敗の費用は確実に下がっているから、どんどん実践していこう、というもの。(分野によるが)

    そのためには「面白い」ということを思える必要があるし、複雑性やカオスな状況にも対応できる必要がある。ワード以上にタフな印象を持つ。

    一方で、「必要な時に必要なものプルできる」ということは、逆に言えば自分もそのネットワークの一部として何かをgiveすることができる必要がある。

    これは一過性のものではなく、やっぱり磨き続ける必要がある。何かしら自分の武器となるものを。

  • 原理であって、これを読んですぐに何かが変わるのはむずかしいなと感じた。
    ただこれからの時代を生きる指針(本書の表現を借りるならコンパス)として、行動していけば、未来は変わっているかもしれないと希望を感じられる本だった。

  • 刺激に満ち溢れた1冊だった。要素還元主義に基づく科学的な手法では環境問題や複雑な生物の機構などの解決・解明に至らないと日頃感じていたが、本著の9つの考えに従えばそれらの解決に繋がるかもしれない。

全33件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

伊藤穰一(いとう・じょういち)
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ所長
1966年、京都府生まれ。少年時代をアメリカで過ごし、シカゴ大学などで物理学を学ぶ。日本でのインターネット技術の普及に尽力。インターネット事業への投資に携わり、これまでに Twitterなどネットベンチャー企業の事業展開、事業育成を支援している。米国Foreign Policy誌にて、「世界の思想家100人」に選出。2011年、日本人として初めてマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボの所長に就任。

「2016年 『「プレゼン」力 ~未来を変える「伝える」技術~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るためにのその他の作品

伊藤穰一の作品

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るためにを本棚に登録しているひと

ツイートする