おばあちゃんのごめんねリスト

  • 早川書房 (2018年3月20日発売)
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本棚登録 : 245
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  • 本 ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152097507

作品紹介・あらすじ

唯一の味方だった破天荒な祖母を亡くした、七歳の少女エルサ。遺言にしたがって祖母の謝罪の手紙を持ちさまざまな人々を訪ねるうちに、エルサは知らなかった祖母の姿と、自分を取り巻く強い絆を知る。『幸せなひとりぼっち』著者がおくる、少女の心温まる物語

感想・レビュー・書評

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  • 慣れるまで読みにくい本だった。
    もうすぐ8歳のエルサの理屈っぽく夢見勝ちな性格そのままのような文体。
    「◯◯のような~」がやたらに長く頻繁に出てくるのだ。その引用がハリー・ポッターや知らない本の引用だったりするとお手上げ。
    登場人物も多く、それぞれが強烈な個性を持っているので気になりストーリーを追うのが止まる。
    複雑な架空の世界と現実が混じりあってわからなくなり、戻って読み直す。
    エルサをはじめ登場人物それぞれが抱えているものがひとつでもテーマになるほどの社会問題が盛りだくさん。
    けれど!読み続けると後半のおもしろさに驚く。諦めずに最後まで読んで良かった~。
    バラバラだった登場人物たちと架空の世界とがおばあちゃんを軸にひとつに集束していく。その過程をエルサが知るための「おばあちゃんのごめんリスト」だったんだ。
    おばあちゃんの願いを叶える過程でエルサは変わっていく成長の物語でもある。

  • 大好きなおばあちゃんが亡くなる直前に手紙を渡すミッションを受けとった主人公。
    そのミッションをこなすうちに見えてくる、同じアパートに暮らす一見変わった人たちの悲しい過去。
    子供向けの物語のように見えて、現実の問題を扱っている深いお話です。

  • 先日読んで気に入った『ブリット=マリーはここにいた』のフレドリック バックマンの作品です。

    訳者曰く“生意気なクソガキ”のエルサ。ハリー・ポッター好きで、理屈っぽくて、どこか夢見がちな変わり者。そのため友達がおらず、学校ではいじめを受けている。そしてエルサのスーパーヒーローがおばあちゃん。若い頃は娘を置いて世界中の紛争や災害の中で患者を救う当時としては珍しい女性外科医。エルサが生まれてからは医者を止め孫娘の養育に専念するが、半裸でベランダに立ち下を行く人にペイントボールを投げつけるような破天荒。無免許運転の常習者でハチャメチャで傍迷惑な女性。二人が共有しているのがおばあちゃんが語る6つの王国の物語。
    序盤でおばあちゃんが癌で亡くなります。そしてエルサはおばあちゃんから託された謝罪の手紙を配り始めます。

    正直かなり読みづらい。おばあちゃんが語る物語と現実が錯綜する上に、結論までに様々な紆余曲折を経る倒置的な文体。そして婉曲表現。途中でアレッと思い、前に戻って読み直すこともしばしば。でも面白いのです。
    どこか軽いミステリーっぽい話の流れの中に、いじめや家庭内暴力、戦争、強制される良識などの重苦しい話を織り交ぜてきます。そして登場人物は皆、心に傷を持ち、どこか頑なで暗い。でも、著者はそれらをすべて温かくまとめ上げて行きます。
    もっとも現実にこんなおばあちゃん、孫娘が居たら手に負えないでしょうが(笑)

    ちなみに『ブリット=マリーはここにいた』は本作のスピンオフ物語。本作の主要登場人物としてブリット=マリーが登場しています。

  • もうすぐ8歳の孤独で変わった女の子が、亡くなった祖母からの手紙に導かれて周囲の人や動物と交流し、絆を結び、自分も周りも再生させていく、「許し」の物語。とても優しい話だと思った。
    このおばあちゃんというのがすさまじく破天荒でハードボイルドなのだけれど、でも実は昔は紛争地域に赴いて傷つき見捨てられた人々を助ける医師だったというすごい人。
    おばあちゃんが女の子に聞かせていたおとぎ話の世界と現実が入り乱れていて、かつ、おとぎ話の世界の出来事や国名などがややこしいのでとっても読みにくかったけれど、後半に謎が解きほぐされていくと、止まらなくなった。
    複雑で難しい問題が諸々ある現代社会だけれど、人を信じる(または人を信じたいという)作者の揺るぎない想いを感じて、ジーンとした。

  • タイトルに惹かれて。序盤の展開は好きだったけど、だんだん読み進めるのがしんどくなってしまった。

  • 令和6年12月の特集「温まる」

  • この著者の本は初めて読んだ。なんだか、楽しい気分で読めた。ハリー・ポッター、スパイダーマン、X-メン、、、が好きなら尚更。

  • まったく前知識なしにごく気軽に読み始めたのだが、とても深くて難しい話だった。冒険譚でもあり、推理小説のようでもあり、童話のようでもあり、なんか不思議な本。でもこれ一冊あったら人生に迷ったときに何かの助けになってくれる気がする。

    文章は比喩がとても多くて、二頁に一回ぐらいは出てきてるんじゃないかと思うぐらい。これほど比喩が多いと途中で読みにくくなってくる気がするのだが、そうならないのは翻訳がいいのか元の文章がいいのか、どっちだろう。

    そしてこんなイカれてイカしたおばあちゃんがいたら、楽しいだろうなあ。苦労も多そうだけど。

  • (2023-05-10)

  •  途中で道に迷うけど、それが道標だったりする

     一文目、いきなりほっこりした可愛いスタートやって心掴まれた

     でも318ページあたりまで読みにくくって仕方なかったのも事実
    諦めて最後の章読み始めたり、次に読む小説買ってそれ読むために早く読了しようとしてみたり…結局ちゃんと読んだ笑

     話と話が繋がる瞬間は面白いね、でもそれまで独立してた話が多すぎるし言葉もこんがらがる
    海外独特の言葉は好きだから好きなフレーズいっぱいあった!
    和訳された本読むの2回目ぐらいやけど私が好きなのは洋書より洋画だな〜

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