炎と怒り――トランプ政権の内幕

制作 : 池上 彰  関根 光宏  藤田 美菜子 
  • 早川書房
3.63
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本棚登録 : 148
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152097569

作品紹介・あらすじ

スティーヴ・バノン前首席戦略官・上級顧問をはじめとする関係者への1年半にわたる取材をもとに、米現政権の内情を赤裸々に描く。大統領の無知と臆病、トランプ一族と側近たちの確執、ロシア疑惑の真相……全米130万部突破の大ベストセラーを緊急出版!

感想・レビュー・書評

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  • これだけの強い内容で未知の事柄が沢山並び、正に驚異の一言しかない書籍なのに、どうしても★5点に出来ないのは、たぶん著者が誠実さに欠けると感じるからだ。

    例えばの話、「その場にいる誰もが*だと確信した。しかしトランプは」というような文章の際、バノン一人がどう思ったのかなら、後でバノンがそう思ったと言ったと内面の裏をとれるが、その場にいる人間が50人でも100人でもこの本では「誰もがそう確信した」と断言してしまう。ドラマとして書いているのか実はそんな細かいところまで裏がとれている物凄い本なのかが読者にはよく分からない。こういうノリが百回以上は出てくる。

    だからトランプがいうように「デタラメな本だ」な部分は確実にあるので(それが1%なのか、トランプの言うように100%なのかは更によくわからない)、折角の面白い内容にどうしても「なるほどそうだったのか!」と気持ちから入ることができずなんとも居心地の悪い本だ。

    内容は面白いが、何%がオルタナティブ・ファクトなのかは私達には分かるように書いてはいない。

  • 邦訳で読んだので、訳文がいいのかもとの文章がいいのかはわかりませんが、カオスな内容をすっきりと読ませる「物を書くチカラ」を感じさせる一冊でした。
    その分、書かれている内容の、気分の悪さが際立ってくるというか。
    昔、映画「アウトレイジ」シリーズの宣伝コピーで「全員悪人」という言葉を思い出しました。あ、でも、一番の悪役は著者のウォルフ氏だったりして。

  • 270頁:プライスを保健福省長官に起用する
    ・270頁:プライスを保健福省長官に起用する
    ・保健福祉(省)長官(United States Secretary of Health and Human Services)

  • 読後、怖くなった一冊。当選するはずのない人が当選してしまったことから引き起こされた恐ろしい話。すべて計算ずくでのトランプ行動かと思っておりましたが、まさかすべて行き当たりばったりの感情任せの行動だったとは思わなんだ。これをトランプ支持者の方がよんだらどう思うのでしょう・・・。そして、アメリカの大統領がこんな人で、中国や中東との外交どないすんねん。こんな人でも大統領になれて、少なくとも日常業務は回っていけるのですから、アメリカの行政システムは固いのですねえ。

  • 政権関係者の辞任と更迭があまりにも目まぐるしく、「主な登場人物」のページを何度も見返した。

  • ◆検閲までして刊行を防ごうとした暴露本は、余りにも赤裸々。かつトランプ政権に頭脳のないことを露呈させる。ここで見えてくるのが稀代の振付師スティーヴ・バノンの毒々しい思惑だが…◆


    2018年刊。著者はガーディアン紙などに寄稿するジャーナリスト。

     言わずと知れた、米国現大統領の人物評伝である。
     刊行時、米国でも物議を醸し、刊行の事前差止を大統領が画策したことでも知られる。検閲(紛いとはいえない)までして止めようとしたのは、大統領主席戦略官スティーブン・バノンによる暴露が記事を構成しているとの観測があったからだとも言われている。

     さて、アメリカ大統領の権力はさほど絶大なものではない。これはクリントン元大統領の自伝で語られていたと思う。
     しかしそれすらTさんには関係なさげである。つまり、そういう大統領職の実像に関する認識も、またどういうように政治を動かすかという手管(専門家を利用する手もあるが)もない。あるいは何か成し遂げたいという理念も何もない。そんな中、予期せぬ結果、つまり大統領に当選することになってしまったわけである。
     言い換えれば、バノンという稀代の振付師・狂言回しがいて初めて成立した大統領とも。

     つまり、本書を読むと、トランプ氏自身に関して言えば、中身は空っぽ、延髄で反応しているだけのような印象しか受けない(著者は、トランプには読解力はないし、そもそも文字を読む集中力すら欠如しているとも辛辣に指摘)。

     が、そうだとしても、それなりに運営されているのを見ると、大統領なんてどんな奴でもいいんじゃないかと周囲・後任者に思わせてしまうマイナス効果を懸念してしまう。それこそAIでもできそうな…。

     さてこの著作については、物議を醸して出した故、「Newsweek」など彼方此方の週刊誌でも、叙述のかなりの部分が語られ、かつ、トランプ自身に関し、メディア他から受ける印象と本書の内容とにさほどの乖離がないことを考えると、細かい事実の羅列に興味がある場合、あるいはトランプを取り巻く人的相関関係に興味・関心(職業的でも)のない限り、面白い本・読んだらと勧められる本ではない。

     ただし、本書の終わりの方に、バノンがトランプの基盤を乗っ取り、次の大統領選挙に自身が出馬する可能性を指摘する部分がある。それが正しいかどうかは判然としないものの、ここでバノンが用いようとする戦略の一が、中間選挙を通じ議会内バノン支持層を増やそうというもの。
     昨今、共和党所属の上院議長の引退表明、あるいは、共和党現職議員の出馬見送り・引退報道が聞かれる。彼らは反トランプ、あるいは少なくとも親トランプではない筈だ。そう見ると、なかなか興味深い指摘と分析ではある。

    今後のバノンの動きを推測する上で、バノンが従前、どのような政治手法や選挙運動の手順を用いて行動してきたか。これを知るという観点で本書を読むならば、それなりの意味があるかもしれない。そんな読後感である。

  • トランプ大統領が如何に馬鹿かがよくわかる本。Audibleのオーディオブックでも聞くことができる。そろそろ、関係者が逮捕されると思う。一般の方はわざわざ読まなくても大丈夫。というか、読んでも更迭された人が多すぎて、覚えきれない(笑)

  • 一方的な表現、偏見をもって人物像を特定するのは当然に避けるべきだけれど、それでも米大統領のトラさんは無知て無計画で衝動の人であることに違いはない。就任するや、首席、次席の補佐官や側近たちが次々と辞任し、あるいは解任されていく。残るのは娘のイヴァンカと夫のジャレット、ひとまとめにしてジャーヴァンカってんだそうだ。彼らももちろん政治の素人で、単なるトラさんファミリーなのだ。まあ、ロシアと関係しようと、シリアを攻撃しようと、プーチンやアサドより幼稚で厄介な男を選んだ米国民がいる。フーテンの米トラは残す任期をいかにさまようのか。

  • 読了。
    トランプはやはりその正体もトランプだったのは、予想通りというか残念というか(笑)。
    ただし、本書においてトランプはただの狂言回し(?)に過ぎず、これは実質スティーブ・バノン対クシュナー/イヴァンカ夫妻の暗闘の記録である。
    ヒラリーに肉薄して負けたという実績が欲しいだけで、本当に大統領になる気は一切無かったトランプ陣営(バノンを除く)。恐ろしい事が現実となった。

    池上彰のあとがきが辛辣ながら的を得ている。

    「この本はベストセラーになったが、トランプ大統領の支持率は変わらない。もともと高くはないが、30%台から下がることもない。トランプ大統領には、まるで岩盤のような強大な支持者が存在するからだ。

    支持者たちは、こうした書物を読むことはない。そもそも読書の経験がない。その点では、1冊も本を読み切ったことがないというトランプ大統領と同じタイプの人たちだ。支持者がこうした本を読もうとしないのと同じく、きっとトランプ大統領は、いまも本書を読んでいないだろう。アメリカは、こういう人間を大統領に選んだのだ。」

  • すぐ読みたくて後で読み返すことがない本というのは電子版には最適だった。しかし、米国政治にあまり関心がなく、クシュナー夫妻とバノン以外はなんとなく聞いたことがある、というレベルでは政権内の人間関係やゴタゴタがピンとこなかった

    内容的にはバノンの考えによると、、、という記述が非常に多く、主なリーク先は明らか。バノン自身も2020年の大統領選に出馬することを考えているらしいが、、


    当初からトランプ陣営としては勝てると思っておらず、出馬によって知名度をさらにあげ、それをビジネスに活かすことが主目的だった

    CNN社長のズッカーはNBC時代に「アプレンティス」の制作を決定した人物で、トランプのおかげで偉くなった、CNNの職を世話してやったのも自分だ、なのにひどい裏切りを、、、ということでCNNには腹をたてている

    ■ほかの者はまだ気づいてないが、バノンにはわかっていた。それが命をかけたバトルロワイヤルになることが。

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